東京の郷土資料館・歴史民俗博物館 お薦めの文化施設

東京都には各区や市が運営する、地元の歴史、民俗、産業、偉人などを紹介する文化施設が数多くあります。その中から、お薦めの穴場的施設をまとめて紹介します。これらの施設の多くは無料か低廉な観覧料で利用できる文化施設です。

施設名称をクリックすると、施設のバリアフリー状況を紹介するページにリンクします。ご参照ください。

国や都、大学や企業が運営する個性的な博物館、資料館、記念館は、別稿「東京のユニークな博物館 お薦めの穴場的な文化施設」で紹介しています。ご覧ください。

港区立みなと科学館・気象庁気象科学館(港区)

虎ノ門の気象庁本庁舎内に2020年に開館した2つの科学館です。ハイテク系の常設展示は、子供から大人まで楽しめます。またハイテク武装したプラネタリウムの最終上映時間は19時から。大人も楽しめるプログラムが用意されています。「都会の真ん中で科学にふれる」「ふみ出そう防災への第一歩」がコンセプトです。

みなと科学館・気象科学館

港区立郷土歴史館(港区)

1938年に竣工した歴史的建造物「公衆衛生院」の外観と内装を残しながら、2018年に開業した施設です。外観の異形を見学して、4Fの「旧講堂」などを内覧し、そして展示レベルの高い郷土歴史館で港区の歴史を学びます。白銀台の高台に建つ、他に類を見ない歴史館です。

港区立郷土歴史館

勝海舟記念館(大田区)

洗足池の国登録有形文化財「清明文庫」をリノベーションして2019年に開館した施設です。「海舟の功績や大田区との縁を紹介するとともに、海舟の想いと地域の歴史を伝える」大田区立の記念館。小規模な施設ですが、新しいので展示がハイテク。勝海舟は自身がデザインした墓石の下で洗足の地に眠っています。

勝海舟記念館

大田区立郷土博物館(大田区)

2021年に展示がリニューアルされました。ユニークな常設展は「馬込文士村」。かつて馬込・山王・新井宿には、数多くの文士や画家が在住し、交流がありました。どのような人がいつ住んでいたのか、どんなグループがあったのかを展示解説しています。川瀬巴水もその一人です。

大田区立郷土博物館

森鷗外記念館(文京区)

鷗外の住居「観潮楼」跡地に2012年に開館した文京区立の施設です。建物はデザイン設計の新築で、中庭には観潮楼当時からあった大銀杏が残されています。場所は団子坂上。千駄木界隈は往時のまま、鷗外が歩いた坂道が幾つも残っているということ。記念館で歴史を学習して、周辺を散策するのがお薦めです。

森鷗外記念館

文京ふるさと歴史館(文京区)

文京区の歴史を真面目に紹介する歴史館です。このエリアが大きく発展したのは江戸時代。そのため江戸時代の展示紹介コーナーが充実。当時の各階層、各職種の人の生活を詳しく学ぶことができます。また昌平坂学問所など、江戸から明治にかけての教育の歴史も詳しく紹介されています。展示のすべてが真面目な施設です。

文京ふるさと歴史館

漱石山房記念館(新宿区)

新宿区は漱石です。晩年の9年間を暮らした「漱石山房」があった地、そして終焉の地に2017年に開館しました。1Fには夏目漱石が創作に励んだ書斎を再現して展示。2Fは資料展示で様々な箇所に「黒猫」がいます。記念館周囲の「漱石公園」には、漱石の胸像や「猫塚」、「道草庵」という施設があります。

漱石山房記念館

新宿歴史博物館(新宿区)

現在の新宿になるまでの歴史を知る博物館です。江戸時代の宿場町、内藤新宿から、急速に発展した昭和初期の新宿の様子が分かります。文化住宅や東京市電、パノラマカーの展示、また新宿の縁のある近代文学者の紹介もあります。中庭はサンクンガーデンで、ガラス越しに景観を楽しめます。

新宿歴史博物館

足立区立郷土博物館(足立区)

浮世絵をはじめ江戸時代の美術工芸品のコレクションが充実。定期的に開催される企画展は美術館のようです。常設展は一般的な展示。企画展狙いの観覧がお薦めです。また隣接して「東淵江庭園」という入園無料の日本庭園があり、自由に散策できます。屋外展示物も面白い、ハイレベルな区立郷土博物館です。

足立区立郷土博物館

中野区立歴史民俗資料館(中野区)

区立としては大規模な、そして無料としてハイレベルな展示がある、とても真面目な施設です。2020年にリニューアルオープン。真っ向勝負の正統派歴史民俗資料館です。屋外展示される沢庵漬に使われた大きな樽「とうご」は、ユニークな逸品です。

中野区立歴史民俗資料館

石神井公園ふるさと文化館(練馬区)

練馬区立の練馬区の歴史、民俗、そして観光情報を紹介する施設。練馬大根を深く知る展示などがあります。2010年に新設された施設なので新しくて綺麗。武蔵野うどんのメニューがある休憩コーナーもあります。隣接して明治時代の古民家「旧内田家住宅」があり、自由に見学できます。

練馬区立石神井公園ふるさと文化館

牧野記念庭園記念館(練馬区)

日本の植物分類学の父、牧野富太郎博士が晩年の30年間を過ごした邸宅跡です。2010年にリニューアルオープン。博士の書斎がそのまま保存されている「書室展示室」と「企画展示室」「常設展示室」があります。庭園には、博士の研究成果である300種類以上の草木類が植栽されています。博士が居を構えた大正15年当時の住所表記は「北豊島郡大泉村上土支田」でした。

牧野記念庭園

えこっくる江東(江東区)

清掃事務所に併設された「江東区環境学習情報館」です。ごみ問題を切り口に地球環境問題を学習。メインターゲットは小学生です。常設展示室は1F。2Fではワークショップや企画展を開催。隣接地はビオトープが造営されています。東京都のごみ処理の負担は今も江東区が背負っています。

環境学習情報館えこっくる江東

中川船番所資料館(江東区)

江戸時代、この地に200年以上存続した中川船番所をテーマにした資料館です。3Fの番所を再現した展示が資料館のハイライト。良く出来たジオラマです。2Fには江東区の歴史や民俗を紹介する郷土資料館らしい一般的な展示があります。船番所を専門的に紹介する施設は他にありません。

中川船番所資料館

葛飾区郷土と天文の博物館(葛飾区)

区の施設としては大規模で、名称が示す通り大きな「天体観測室」と、本格的なプラネタリウムがあります。2Fが葛飾区の歴史と民俗を紹介する郷土展示室で、ここの展示も凝っている上に、デジタル化、バリアフリー化が進んでいます。「郷土」「天文」両面でハイレベルな設備を有する博物館です。

葛飾区郷土と天文の博物館

すみだ郷土文化資料館(墨田区)

資料館としては3フロアの小型施設。床面積は広くはありません。面白いのは墨田区ではなく「隅田川」がテーマの中心であること。花火の歴史などが紹介されます。したがって墨田区民以外の人でも、十分に興味がもてる展示です。3Fで開催される企画展や特別展示も、幅広い層が惹かれる面白いテーマが組まれます。

すみだ郷土文化資料館

板橋区立郷土資料館(板橋区)

赤塚溜池公園に隣接して建つ、公園と一体化した資料館です。庭には江戸時代後期に建てられた古民家が移築され自由に見学できます。常設展示は板橋区の歴史民俗を紹介。3Fで開催される企画展や特別展は面白く、かつ無料公開されることが多いので人気があります。西高島平駅から徒歩13分。穴場立地の郷土資料館です。

板橋区立郷土資料館

板橋区立熱帯環境植物館(板橋区)

板橋清掃工場の余熱を活用し、東南アジアの熱帯雨林を水面下から山地まで再現した大温室がある施設です。B1から2Fまでの構造で、海から高山帯までの熱帯環境を立体的に鑑賞できます。アクセスは高島平駅から徒歩7分の案内。低廉な入館料で子供から大人まで楽しめる、お薦めしたい穴場施設です。

板橋区立熱帯環境植物館

武蔵野ふるさと歴史館(武蔵野市)

博物館と公文書館の機能を併せ持つ施設で、展示室は無料で観覧できます。井の頭公園の池は旧石器時代から生活用水に利用されていたなど、原始から近現代までの歴史民俗を学べます。正統派の資料館です。

武蔵野ふるさと歴史館

鈴木遺跡資料館(小平市)

小平市にある都内最大級の遺跡「鈴木遺跡」。その資料館です。下の地層では約3万5千年前の旧石器時代、上の地層からは江戸時代の田んぼの跡などが発見されています。資料館には、石器時代の「落とし穴」や「バーベキューの跡」など興味深い大型展示があります。また定期的に出土品の展示入れ替えが行われます。知る人ぞ知る資料館です。

鈴木遺跡資料館

清瀬市郷土博物館(清瀬市)

1987年に「東京建築賞最優秀賞」を受賞した博物館です。歴史展示室、民俗展示室は一般的な展示内容。特徴的なのは、土間のかまどなど古民家の中が再現されている「伝承スタジオ」。ここで「餅つき」など昔の生活を体験するイベントが開催されます。年間5本程度行われる企画展開催時は、臨時駐車場が用意されることがあります。

清瀬市郷土博物館

府中市郷土の森博物館(府中市)

広い庭園がある有料の大規模な施設です。庭園は、四季のお花が楽しめる散策路、古民家などの移築エリア、芝生広場などがある市民の憩いの場。博物館の展示室は大きく、展示物はお金がかかっています。プラネタリウムがあり大人気。質量ともに都内の郷土博物館としてはトップクラスの施設です。

府中市郷土の森博物館

東大和市郷土博物館(東大和市)

多摩湖の近くにある施設で、東大和市の歴史というよりは、狭山丘陵の自然、歴史、民俗をテーマにした博物館です。太古から人々の生活の営みがあった狭山丘陵に、多摩湖が完成したのは昭和2年。160戸が湖底に沈みました。博物館にはプラネタリウムが併設されています。

東大和市郷土博物館

瑞穂町郷土資料館「けやき館」(瑞穂町)

齢300年の大きな欅とニホンオオカミ像がシンボルの資料館です。2014年に開館したバリアフリーな施設で、常設展は無料で観覧できます。テーマは「瑞穂の自然」と「瑞穂の歴史と文化」。無料とは思えない質の高い展示で、狭山丘陵の一日を光と音で体験できる展示などがあります。

瑞穂町郷土資料館

以上、東京にある区や市が運営するお薦めの穴場的文化施設です。それぞれに個性がある面白い郷土資料館・歴史民俗博物館ばかりです。

(本稿は2021年6月に執筆しました)

盲目の国学者 塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

埼玉県本庄市にある郷土の偉人、江戸時代の国学者「塙保己一」を紹介する入館無料の記念館です。公共施設「アスピアこだま」内に、2015年にリニューアルオープンしました。

児玉駅から徒歩10分の案内。記念館がある一帯は、中世に築かれた「雉岡城」があった丘陵で、周辺の道路はアップダウンがあります。

車利用の場合は「アスピアこだま」の無料駐車場が利用できます。ブルーペイントされた身障者用駐車スペースが屋根なしで2台分用意されています。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

駐車場から記念館のエントランスまでは、フラットな舗装路面を通行します。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

記念館の入口は自動ドア。ドアの下部などに気になる段差はありません。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

館内に入ると受付があり、簡単な記帳をして入館します。バリアフリートイレは受付の先右側にあります。スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

記念館内には、大きなガラス面があるホワイエと展示室があります。ホワイエには映像コーナーがあり、塙保己一を紹介する複数のプログラムが用意されています。展示室に入る前に、映像コーナーで事前学習をしたほうが、展示内容の理解が深まるはずです。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

展示室内には、「群書類従」に関する資料、保己一の愛用品、各種の書簡などが展示されています。展示に派手な演出はありません。本物の資料を粛々と展示解説しています。

ホワイエには、昭和12年にヘレンケラーが来日した際に「母から塙保己一先生を手本にしなさいと教えられた」と語ったことが、展示紹介されています。

塙保己一は1746年、武蔵国児玉郡保木野村生まれ。病気により7歳で失明。12歳で母親が死去。15歳でこの地から江戸に出て盲人一座である「当道座」に入門しました。「群書類従」の編纂を始めたのは34歳のとき。その後盲人一座のトップ「総検校」となり、76歳で没しました。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

八角形の展示室内部の手すりは、「群書類従」の版木と同じ材質の木材が使用されているそうです。大規模ではありませんが、塙保己一記念館は質の高いバリアフリーな施設です。

(本稿は2021年6月に執筆しました)

埼玉県の穴場観光スポット 安全安心なバリアフリー施設

障がいのある家族と、足の悪いお年寄りと、そしてベビーカーの幼児と一緒に、安心安全に利用できる、埼玉県の穴場的なバリアフリー観光スポットを厳選して紹介します。

施設名称をクリックすると、より詳しい紹介ページにリンクします。ご参照ください。

〇本庄早稲田の杜ミュージアム(本庄市)

本庄早稲田駅から徒歩圏内ですが、豊かな自然環境の中、穴場感あふれる施設です。早稲田リサーチパーク・コミュニケーションセンター1Fにあり、本庄市と早大が所蔵する考古学分野の資料が共同で展示されます。シンボルは笑う埴輪。この顔は子どもにもうけるかもしれません。

本庄早稲田の杜ミュージアム 車椅子観覧ガイド

〇塙保己一記念館(本庄市)

「塙保己一」は江戸時代の盲目の国学者です。新しくて綺麗で、バリアフリーレベルが高い記念館で、展示に派手な演出はありませんが、価値ある資料が展示解説されます。本庄市の郷土の偉人の記念館は、質の高い穴場ミュージアムです。

塙保己一記念館

〇桶川飛行学校平和祈念館(桶川市)

「熊谷陸軍飛行学校桶川分教場」の主要な建物を復元して2020年に開館した施設です。わかり難い場所にあるので、HPには詳しいルート案内が掲載されています。また「トイレの数に限りがございますので、なるべく事前に済ませてご来館ください。」という注意事項があります。リアルに再現された木造校舎内に、飛行学校の生徒たちの生活を紹介する展示などがある、お薦めの穴場施設です。

桶川飛行学校平和祈念館

〇さいたま文学館(桶川市)

市民ホールと一体になった大規模な施設で、埼玉ゆかりの文学の紹介や「彩の国の文学地図」の展示などがあります。地下駐車場があるので、車でアクセスすれば雨天でもまったく濡れずに利用できるバリアフリー施設です。若者受け狙いの企画展などがたまに開催されますが、本質的には地味で真面目な穴場ミュージアムです。

さいたま文学館

〇桶川歴史民俗資料館(桶川市)

無料の資料館ですが、展示内容は一般的に想像する以上に充実している、穴場施設です。桶川市には二つの大きな遺跡があり、そこから出土した国指定重文の逸品を展示。そのほかの展示もセンスがよく、施設全般に清潔感があります。大人の人にお薦めできる資料館です。

桶川歴史民俗資料館

〇桶川べに花ふるさと館(桶川市)

明治後期の民家を改築した施設で、周辺の散策も含めて「やすらぎとなつかしさを感じるふるさとの風景」を提供します。母屋の1Fと2Fで営業する食事処は、1Fテーブル席を確保できれば、車椅子で利用できます。一昔前の桶川の風情と出会える散策拠点。地元の人に愛されている地域創造施設です。

桶川べに花ふるさと館

〇WAKUI MUSEUM(加須市)

ロールスロイス・ベントレーの往年の名車が鑑賞できる博物館です。全国からファンが来館するそうで、路上には北海道から九州までのナンバーがついた車が駐車しています。実際に動く現役のクラッシクカーなので、展示場にはガソリンの匂いが漂います。白洲次郎氏が若き日に所有したベントレーや、同氏に関するミニ資料館があるので、白洲次郎氏について事前知識があると、より深く楽しめます。マニアには有名ですが、一般的には穴場のミュージアムです。

WAKUI MUSEUM

〇加須未来館(加須市)

利根川のスーパー堤防の上の建つ施設で、雄大な坂東太郎利根川の流れを眺望します。科学館の要素が強い施設で、プラネタリウム、実験室、天体観測室がありますが、産直ショップ、お土産売店、軽食コーナーなどもあるので、一言では形容しがたい複合施設です。バリアフリーで混雑回避できる施設であることは間違いありません。

加須未来館

〇春日部龍Q館(春日部市)

中川、綾瀬川などで発生した洪水を江戸川に逃がす「首都圏外郭放水路」。その現地現場にある施設紹介施設です。龍Q館には、放水路のパネル展示や、その仕組みがわかる水流モデル装置などが展示され、また本物の放水路「操作室」があり、ガラス越しに見学可能です。首都圏外郭放水路は世界最大級規模の非日常的な排水施設。大迫力の現場にバリアフリーに触れることができる、穴場施設です。

地底探検ミュージアム龍Q館

〇久喜菖蒲公園(久喜市)

大きな池を中心にした公園で、池のなかに大噴水があり、30分おきに音楽に合わせて大量の水が噴きあがります。慣れない観光客にとってはこの大噴水が珍しいのですが、地元の人は噴水をほとんど見ることもなく、他の遊びに熱中している光景が見られます。地元の人以外にはあまり知られていない、その名の通り菖蒲が美しい公園です。

久喜菖蒲公園

〇忍城と水城公園(行田市)

「行田市郷土博物館」の一部として、石田光成の水攻めで有名な忍城の三階櫓が再現されています。そこから隣接して、「しのぶ池」を中心とした水城公園が広がります。全面的なバリアフリー施設ではありませんが、車椅子ベビーカーでも無理のない範囲で楽しめます。観光地化していない、穴場の観光スポットです。

忍城と水城公園

〇古代蓮の里(行田市)

近年「田んぼアート」で知名度が上がりましたが、まだまだ穴場的な観光施設です。蓮の花、そして田んぼアートのトップシーズンでも、極端な混雑になることはめったにありません。散策ができる公園として、あるいは展望室がある観光施設として、実は通年楽しめる施設です。オフシーズンを狙えば空いています。

古代蓮の里

〇さきたま古墳公園(行田市)

9基の大型古墳がある「埼玉古墳群」を中心に整備された公園です。施設の意義、その規模に比べると、まだまだ知名度が低い穴場施設です。公園内にある「さきたま史跡の博物館」では、国宝の鉄剣が観覧できます。本物の大きな古墳群に簡単にアクセスできる、他に類のない公園です。

さきたま古墳公園

〇キャンベルタウン野鳥の森(越谷市)

国内最大級のバードゲージの中を、色とりどりの野鳥が飛び交う動物園です。施設としては小規模ですが、コンセプトとしてオンリーワンの野鳥園。ただしバリアフリー面ではやや劣ります。ある程度ならデコボコ路面を通行できる、車椅子ベビーカー利用者にお薦めできる穴場施設です。

キャンベルタウン野鳥の森

〇埼玉県自然学習センター(北本市)

北本自然観察公園のビジターセンターです。公園そのものは車椅子ベビーカーでの散策は難しい悪路ですが、自然学習センターはバリアフリー施設。1Fには北本自然観察公園の動植物を紹介する小規模な展示、2Fは園内を見渡す展望室です。通常混雑することはありません。

埼玉県自然学習センター

〇誠之堂・清風亭・旧煉瓦製造施設(深谷市)

「誠之堂」と「清風亭」は、移築された大正時代の建物。「旧煉瓦製造施設」は、明治から操業された煉瓦工場の史跡です。どちらも段差のある構造なので、車椅子ベビーカーでの見学は無理のない範囲になります。週末には現地にボランティアガイドさんがスタンバイ。施設の歴史などについて詳しく解説していただけます。大人向きの穴場観光施設です。

誠之堂・清風亭・旧煉瓦製造施設

誠之堂・清風亭・旧煉瓦製造施設

〇埼玉ピースミュージアム(東松山市)

戦争の記憶をつなぎ、平和の尊さを伝える展示と、展望タワーがある施設です。常設展示室の入口は動く歩道の「タイムトンネル」で、戦時中にタイムスリップする演出です。展望塔の高さは40m超あり、標高を加えると130mほどの高さから埼玉を眺望します。バブル期に開設された、穴場ミュージアムです。

埼玉ピースミュージアム

〇岩槻人形博物館(さいたま市)

開館までには紆余曲折がありましたが、人形の町岩槻に2020年に誕生した施設です。第一展示室は人形作りの紹介、第二展示室がコレクション展示、第三展示室で企画展が開催されます。収蔵資料は人形だけでも約3,500点。新しくてバリアフリーな施設ですが、同時に穴場感が漂う、独特なムードの観光スポットです。

岩槻人形博物館

〇造幣さいたま博物館(さいたま市)

造幣局さいたま支局内にある無料博物館です。貨幣に関する歴史や技術が学べる真面目な施設ですが、ミュージアムショップでは「造幣せんべい」や「和銅最中」を購入できます。平日は工場見学もできる開かれた施設ですが、セキュリティ対策は厳しいので、見学ルールを守って利用してください。

造幣さいたま博物館

〇大宮盆栽美術館(さいたま市)

世界で唯一の盆栽美術館です。穴場というよりは、マニアックな施設というべきかもしれません。屋内展示と屋外展示、有料エリアと無料エリアがあります。盆栽に興味が薄い方でも、見事な逸品には目が向くと思います。ただしサッと見学すると、短時間で観覧が終わってしまう美術館です。

大宮盆栽美術館

〇大宮花の丘農村公苑(さいたま市)

地元の人には人気の公園で、好天の週末は大きな駐車場が満車になることもあります。それでも10ha以上ある広い公園なので、密になる雰囲気ではありません。合計すると3ha以上のお花畑が整備されている、季節のお花を楽しめるバリアフリー公園です。

大宮花の丘農村公苑

〇与野郷土資料館(さいたま市)

令和2年に開館した新しくてバリアフリーな資料館です。SLが走るジオラマ、昔の本町通りのジオラマは精巧。けん玉やコマなど昔の道具で遊ぶことができます。タッチ式の映像コンテンツもあり、アナログとハイテクが融合した令和の時代を感じるミニ資料館です。

与野郷土資料館

〇さいたま市立博物館(さいたま市)

大宮氷川神社の二の鳥居の近くにある、1980年に開館した博物館です。常設展示室は地階にあり、そこに移築した古民家が展示されています。屋内それも地階に古民家がある施設は、珍しいと思います。展示内容は正統派の歴史民俗博物館。現大宮区の歴史、民俗、文化を学ぶことができます。

さいたま市立博物館

〇さいたま市立浦和博物館(さいたま市)

明治11年に建てられ、昭和34年に老朽化のため解体された、旧埼玉師範学校校舎「鳳翔閣」の一部を復元した建物が博物館になっています。見逃せないのはバルコニーの柱頭。アカンサスの葉飾がモチーフと紹介されています。展示は、旧浦和市を中心に、さいたま市の歴史、民俗、文化を紹介しています。

さいたま市立浦和博物館

〇浦和くらしの博物館民家園(さいたま市)

江戸時代に建築されたと推定される古民家を、移築展示している施設です。外観だけではなく、内部も見学ができ、昔の農具や生活道具が展示されています。園内の池では古代蓮を栽培。ミニ資料館があります。見沼田んぼの中央にある、四季の自然を楽しめる野外博物館です。

浦和くらしの博物館民家園

〇難波田城公園(富士見市)

一般的な知名度は高くはありませんが、復元した中世の城跡、移築した古民家、そして資料館がある公園で、完成度が高い立派な施設です。往時の難波田城館は、現公園の3倍以上の規模がありました。「城跡ゾーン」では、戦国時代の曲輪や水堀、土塁を復原。見ごたえのある屋外展示です。

難波田城公園

〇朝霞市博物館(朝霞市)

朝霞市の歴史、民俗、文化を紹介する施設です。無料公開されているこの種の施設としては展示がハイレベルで、見応えがあります。特に江戸時代「膝折宿」であった頃から、東上線の開通から始まる朝霞の近代史までの解説は、ジオラマ、音声ガイド、復元設備など、力が入った展示です。穴場施設ですが、コロナ禍以前は近隣の福祉施設からのお出かけ先として人気がありました。

朝霞市博物館

〇大井郷土資料館(ふじみ野市)

江戸時代には川越街道の大井宿だった、旧大井町地区の歴史資料館です。展示内容は郷土博物館の典型的なパターンで、期待を裏切りません。絶対的な穴場施設です。大井の地名の由来になった、平安時代に掘られた井戸の展示解説があり、大井町の歴史の永さがわかります。

大井郷土資料館

〇上尾市自然学習館(上尾市)

「上尾丸山公園」内にある屋内施設です。公園の散策路は、バリアフリーではありませんが、学習館は車椅子ベビーカーで利用できます。丸山公園の植物生態をモデル化した展示や、鳥類の展示があります。隣接して「天体観測棟」があり、日中は太陽を観察する無料プログラムなどが開催されます。子どもと一緒に遊べる穴場施設です。

上尾市自然学習館

〇奥秩父もみじ湖(秩父市)

眺望が楽しめるバリアフリーな公園スペースが設けられています。秩父の山奥の秘境にある人造湖なので、澄んだ空気を味わいながら、季節の自然の景観を楽しめます。アウトドア穴場観光スポットです。

https://ikiru-chikara.org/ryogami/

武甲山資料館(秩父市)

羊山公園の高台にある武甲山の自然と鉱物を紹介する資料館です。武甲山の今昔の姿、自然、石灰岩の採掘方法や自然再生への取り組みなどが展示解説されています。採掘によって変容を続ける武甲山を記録し、後世に伝えます。

武甲山資料館

〇吉見百穴(吉見町)

有名な史跡ではありますが、聞いたことはあるけど訪れたことがない方が多いのではないでしょうか。本稿では盲点の穴場施設として紹介します。国内最大規模の横穴墓群と、地下軍事工場跡、そしてヒカリゴケが横穴墓内などに自生している施設で、「資料展示館」と「埋蔵文化財センター」があります。一度は実際に見ていただきたい異様な景観です。

吉見百穴

〇八丁湖公園(吉見町)

八丁湖は農業用の人工湖。バリアフリーな超穴場公園です。湖畔を巡る一周約1,600mの舗装された周回路があり、多少のアップダウンはありますが車椅子ベビーカーで通行可能です。桜から紅葉まで、季節の自然美が楽しめます。

八丁湖公園

〇建具会館(ときがわ町)

ときがわ町は関東有数の生産量を誇る建具の町。建具、家具、工芸品などが展示販売される施設です。コンセプトと施設名称が魅力的な山奥の穴場施設。多種多様な建具に触れることができる希少な施設です。

建具会館

〇嵐山史跡の博物館(嵐山町)

国指定史跡「菅谷館跡」の中に建つ博物館で、展示内容は地元の中世城館史跡に絞った専門施設です。博物館としては大規模で、屋外の菅谷館跡へとつながります。専門性が高い展示がある施設なので、来館前に嵐山周辺の中世城館史の予習をすることをお薦めします。

嵐山史跡の博物館

〇埼玉県立川の博物館(寄居町)

荒川沿いにある荒川をテーマにした博物館です。屋内展示、屋内型アトラクション、屋外展示、屋外型アトラクションがあります。シンボルは巨大水車。日本一の大きさを誇ります。

埼玉県立川の博物館

〇おがの化石館(小鹿野町)

穴場の中の穴場施設です。高さ100m、幅400mの「ようばけ」で採集された化石が展示されています。大型魚類の新種として認定された「チチブサワラ」の化石、奇獣とよばれる「パレオパラドキシア」の化石などです。ここまで読んで、何のことかまったくわからない人が多いと思います。穴場好きの方は、期待して別稿を参照してください。

おがの化石館と秩父のようばけ

〇両神国民休養地福寿草園(小鹿野町)

ここは埼玉県のなかで、車椅子ベビーカーで最も山奥まで行くことが出来る場所の一つだと思います。アクセスは車。道案内標識に従い、県道から国民休養地内の公園管理道路に入ります。現地はアップダウンがあるので、車椅子ベビーカーでは、無理のない範囲で散策を楽しむことになります。体力のある人にしかお薦めできません。車椅子の冒険者になれる穴場施設です。

両神国民休養地福寿草園

埼玉県には車椅子やベビーカーの家族と利用できる、バリアフリーな穴場施設が多々あります。いずれも混雑を回避しやすい、お薦めできる穴場施設です。

(本稿は2021年5月に執筆しました)