半蔵門ミュージアム 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都千代田区一番町にある美術館です。真如苑が所蔵する仏教美術品を一般に公開するために2018年に設立されました。駅直結のオフィスビルを改装して誕生したミュージアムです。

東京メトロ半蔵門駅4番出口の横がミュージアムのエントランスです。ただし半蔵門駅の地上行きエレベーターは、少し離れた5番出口付近にあります。

半蔵門ミュージアム

来館者用の駐車場が身障者用も含めてありません。

半蔵門ミュージアムは入場無料。常設展の他に特別展示が年に3回から4回開催されます。今回取材時は特集展示「みほとけの姿」が開催されていました。

半蔵門ミュージアム

現在はコロナ対策で、電話による事前予約制です。1時間単位の時間枠で観覧を申し込みます。制限人数に余裕がある場合は、予約なしでも入館可能です。

エントランスはフラットな自動ドアで、車椅子で問題なく入館できます。検温と手指消毒を行い、簡単な記帳をして入館します。

半蔵門ミュージアムは4フロア構造で、エレベーターが1基あります。

メイン展示室はB1。1Fは受付と現代作家による仏教絵画を展示するギャラリー。2Fはラウンジとマルチルーム。3Fはホールとシアターがあります。この内、1Fのギャラリーは階段を上がる構造で、車椅子での利用はできません。その他はすべてバリアフリー仕様です。

バリアフリートイレは2Fと3Fにあります。下の写真は3Fのトイレ。スペースに余裕がある綺麗なトイレです。ユニバーサルベッドはありません。

半蔵門ミュージアム

B1のメイン展示室は細長い構造で、室内に段差はありません。今回取材時は、常設展として「ガンダーラの仏教美術」と「祈りの世界」。重要文化財「大日如来坐像」や曼荼羅などが展示されています。

特集展示では仏を「如来」「菩薩」「明王」「天」に分類し、さらに「羅漢」を加えて、その姿を紹介します。

B1展示室は車椅子での観覧は問題ありませんが、大変静かな仏教美術空間です。知的あるいはコミュニケーションに障がいがあり騒いでしまう人と同行する場合は、この点は注意してください。

3Fのシアターでは、今回取材時は仏教文化に関する3本の映像プログラムが順次放映されていました。放映開始時間前までに会場に行き、自由席に座り鑑賞します。階段式の席なので、車椅子は最前列付近からの鑑賞になります。スタッフの誘導に従ってください。

美術館として、規模は大きくはなく、展示作品数も多くはありませんが、一つ一つの美術品にしっかり向き合えます。シアターの映像プログラムは高精細な画像と音響。半蔵門ミュージアムは内容が濃い美術館です。

(本稿は2021年9月に執筆しました)

原美術館ARC 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

群馬県渋川市、伊香保温泉に近く、伊香保グリーン牧場と隣接する地にある美術館です。1988年に、東京品川の原美術館の「別館ハラミュージアムアーク」として開館。2021年1月に原美術館が閉館となり、新たに両美術館のコレクションと活動を集約した「原美術館ARC」として、2021年4月に始動しました。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

原美術館ARC

〇アクセス及び入館料の障がい者減免制度と支払い方法

徒歩圏に駅はありません。バス利用の場合、伊香保温泉行バス停「グリーン牧場前」下車徒歩5分の案内です。

車の場合は50台を収容する来館者用の無料駐車場を利用します。駐車場には幅広い身障者用駐車スペースが屋根なしで5台分用意されています。

原美術館ARC 

入館料は建物内ではなく、美術館の敷地入口にある小屋のようなチケットセンターで支払います。車の場合は、このセンターの横にいったん停車します。

原美術館ARC

コロナ対策として、チケット購入前にスタッフが車に来て、入館希望者全員の検温を行います。そのうえで簡単な記帳を車内で行います。

そして代表者が記帳したシートを持参し、チケットセンターに徒歩で移動して、チケットを購入します。バス停から徒歩の場合は、全員でチケットセンターに行きます。

入館料の障がい者減免制度の詳細がHPで開示されていませんが、原美術館ARCとしての最初の展示会「虹をかける:原美術館/原六郎コレクション」展は、障がい者本人の入館料が半額に減免されました。チケットセンターで障害者手帳を提示して減免措置を受けます。

屋外展示があるため、敷地の入口でチケット販売をしないと管理ができないために考案された支払い方法だと思われます。

 

〇美術館の全体概要

広大な敷地の緩やかな傾斜地に建つ美術館です。舗装された通路は傾斜がありますが、車椅子で移動できます。段差箇所もありますが、段差を回避して移動できるルートが確保されています。駐車場の横に全体概要が分かる「エリアガイド」が掲示されています。

原美術館ARC

建物は磯崎新氏の設計。黒い色調の木造建築です。中央部にあるピラミッド型の屋根が「ギャラリーA」で、その両翼にシンメトリーに「ギャラリーB」と「ギャラリーC」が配置されます。

原美術館ARC

建物の約半分は、広大な屋根付き木造テラスで、その先に書院造のような特別展示室「觀海庵(かんかいあん)」があります。

原美術館ARC

メイン棟の中にミュージアムショップ。離れの別棟で「カフェダール」が営業しています。

屋外にも複数のアートを展示。なかでもオラファーエリアソンの作品は注目です。

原美術館ARC

〇正面入口からエントランス周辺のアート

舗装通路を通り車椅子で美術館内に進みます。ハート形のオブジェはジャン=ミシェル オトニエル作「Kokoro」。原美術館ARCのシンボルです。

原美術館ARC

正面入口までフラットな通路が続きます。

原美術館ARC

そのまま館内に入り、振り返るとハートの「Kokoro」バックは伊香保グリーン牧場になります。

原美術館ARC

正面入口先の壁面にアートが展示されています。

原美術館ARC

その反対側がミュージアムショップ。今回取材時は、車椅子をみて、スタッフが両ドアを開けていただけました。大きなお店ではありませんが、他に来店者がいない状況であれば、車椅子で店内移動は可能です。

原美術館ARC

下は正面から右側をみた写真です。左側の通路奥にアート作品とバリアフリートイレがあります。その先にある吹き抜け空間の両サイドは、屋外型アートが展示されています。

原美術館ARC

下の写真がバリアフリートイレへの通路の入口です。

原美術館ARC

トイレ内のスペースは余裕がありませんが、一般的な車椅子は入ります。オストメイト装置が備えられています。

原美術館ARC

そしてバリアフリートイレの横にアート「輪舞」があります。ドアを開けるとこのようなシーンが見えます。通路幅が狭いので、車椅子でドアの正面に回転できるかは微妙です。大きな車椅子は斜めから鑑賞することになります。

原美術館ARC

そして一拍おいて音楽とともにアートの展示が始まります。

原美術館ARC

吹き抜け空間の両サイドの屋外型アートです。一つは日本列島をモチーフにしたアート。

原美術館ARC

もう一つは、このようなカラーデザインのアートです。

原美術館ARC

〇ギャラリーABCのバリアフリー状況

ミュージアムショップの先に進むとABC3つのギャラリーがあります。ギャラリーAの手前にある受付カウンターで、チケットを提示します。

原美術館ARC

受付の先に、各地の企画展のパンフレットなどがある情報コーナーがあります。狭いスペースですが、車椅子で利用できます。一般トイレはこの横です。

原美術館ARC

各ギャラリーの出入口は手動ドアです。ABC各ギャラリーのドアは、車椅子で通行できる幅があります。段差はありません。

原美術館ARC

今回取材時は、車椅子をみて、スタッフがドアを開閉していただけました。

原美術館ARC

ギャラリー内はフラットの構造で、車椅子で問題なく鑑賞できます。

原美術館ARC

3つのギャラリーは、屋外展示物などがある芝生広場に向かう、開放的な空間に配置されています。

原美術館ARC

〇特別展示室「觀海庵」のバリアフリー状況

ギャラリーとは反対側にある特別展示室に向かいます。大きなテラスのような空間を通ります。外からみると下の写真のような構造。右側のピラミッド屋根が「觀海庵」です。

原美術館ARC

下の写真は内側からみた風景です。吹き抜けの枠から一枚の絵のように赤城山方面を眺望します。

原美術館ARC

「觀海庵」の入口も手動ドアです。ここには通常スタッフがいないので、自分でドアを開閉する必要があります。

原美術館ARC

手動ドアの先にある庵への入口。ここは自動ドアです。このドアの先にスタッフがいるので、チケットを提示して入室します。庵内は書院造のような設計でフラットな構造、車椅子で観覧できます。多様な展示スタイルが可能な構造です。

原美術館ARC

〇オラファーエリアソン作「SUNSPASE FOR SHIBUKAWA」のバリアフリー状況

「觀海庵」側の芝生広場に展示されています。「SUNSPASE FOR SHIBUKAWA」まで、芝生広場内に舗装通路があり車椅子で移動できます。ドーム内部に入り、天井部に設置されたプリズムレンズを通じて、太陽の軌道を視覚的にとらえるアートです。

原美術館ARC

ドアは車椅子で入ることができる幅があります。内部は季節、時刻、気象によってダイナミックに変化する空間です。

原美術館ARC

〇その他の屋外展示物とカフェのバリアフリー状況

ギャラリーから芝生広場への通路には段差があります。

原美術館ARC

舗装通路につながる箇所にも段差回避スロープはありません。車椅子では正面から出て、ギャラリー側の芝生広場に向かいます。

原美術館ARC

ギャラリー側の芝生広場にはカフェと複数の屋外アートがあります。広い芝生広場な内を車椅子で散策できる舗装通路が整備されています。

原美術館ARC

下の写真の別棟が「カフェダール」。段差がない構造なので、車椅子で利用できます。

原美術館ARC

アンディウォーホールがデザインした缶詰。

原美術館ARC

鉄のアート。

原美術館ARC

生垣と同期したステンレスアート。

原美術館ARC

このような屋外アートを車椅子で鑑賞できます。

原美術館ARC

原美術館ARCは、車椅子で鑑賞できるバリアフリー美術館です。車椅子では天候が安定している日の来館をお薦めします。

(本稿は2021年9月に執筆しました)

鋸山美術館(旧金谷美術館)車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

鋸山の麓、千葉県富津市金谷にある美術館です。東京湾フェリーが発着する金谷港に近く、館山道の富津金谷ICから車で約3分、JR浜金谷駅から徒歩5分の案内です。

2010年に「石と芸術の町」の「金谷美術館」として開館。2019年に鋸山美術館に名称変更しました。「地域の芸術文化振興に寄与する」ことが使命の美術館です。

別館は国指定有形文化財鈴木家石蔵。「鋸山資料館」として有料公開されています。観覧料の障害者減免制度はありますが、別館は段差構造のため、車椅子での観覧は困難です。鋸山美術館はバリアフリー仕様。車椅子で観覧できる美術館です。

来館者用の無料駐車場が建物の横に用意されています。

鋸山美術館

駐車区画が不明瞭な未舗装路面で、身障者用駐車スペースは設定されていません。薄い砂利がまかれた固い路面の駐車場なので、慎重に進めば車椅子で移動できます。

鋸山美術館

駐車場の横から美術館のエントランスまで、舗装通路が整備されています。建物の外壁の一部に使用されているのは、鋸山産の房州石です。

鋸山美術館

エントランスの前庭には、下の写真のようなアートが展示されています。

鋸山美術館

エントランスの横に、お庭に通じる通路があります。路面に木材が敷かれていますが激しくデコボコがあるので、車椅子での通行は苦戦します。

鋸山美術館

お庭には下の写真のようなアートが点在しています。

鋸山美術館

美術館内に入ります。入口は自動ドアで段差はありません。今回取材時は、企画展「𠮷田堅治展」が開催されていました。

鋸山美術館

ドアから入るとすぐに受付があります。鋸山美術館は観覧料の障害者減免制度があり、本人の観覧料が無料に減免されます。受付で障害者手帳を提示して減免措置を受けます。館内は段差のない構造です。車椅子で問題なく移動できます。

鋸山美術館

展示室の手前に、バリアフリートイレがあります。ドアは引き戸です。

鋸山美術館

個室内のスペースはあまり余裕がありませんが、車椅子は入ります。ウォシュレット付き便器とおむつ交換台があるトイレです。

鋸山美術館

展示室の手前に中庭に面する休憩室があります。ここもフラットな空間です。

鋸山美術館

展示室は3室あり、通路でつながります。通路は椅子や展示ケースが置かれていても、車椅子で移動できる幅があります。

鋸山美術館

通路の照明は光がデザインされています。

鋸山美術館

展示室内の状況です。今回は壁面を利用した展示がほとんどで、問題なく車椅子から鑑賞できました。上質なアートスペースです。

鋸山美術館

吉田氏のテーマは黒。「無機的で深い闇」と評される黒です。

鋸山美術館

やがて色のある作品へ。

鋸山美術館

吉田氏の後半の作品は、大きな画面が特徴。

鋸山美術館

そして金箔銀箔の世界へ。「光の画家」と称されます。

鋸山美術館

鋸山美術館

鋸山美術館は内外ともにデザインされた、上質な美術館です。別館は段差構造ですが、美術館は車椅子で観覧できます。

(本稿は2021年9月に執筆しました)