栃木蔵の街 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

栃木市は江戸時代宿場町で、当時の繁栄を今に伝える「蔵の街」です。観光スポットは必ずしもバリアフリーではありません。車椅子で楽しめる観光コース情報を紹介します。

なお本稿は2017年1月の取材に基づいています。

 

○蔵の街の歴史と概要

観光地としては「蔵の街大通り」沿道と、「重要伝統的建物群保存地区」に分かれます。いずれも江戸時代に発達した「例幣使街道」の一部です。

「例幣使街道」とは、朝廷からの日光東照宮への勅使「例幣使」が通った街道のこと。北関東には幾つも、当時の繁栄を今に伝える「例幣使街道」スポットがあります。

栃木もその一つで、蔵が建つほど人と物資が集まった街です。海運を支えたのは栃木をながれる「巴波川(うずまがわ)」。この川の流れも観光ポイントの一つです。

蔵の街の歴史と概要

○アクセス方法と駐車場の状況

栃木駅から徒歩でアクセスできますが、蔵の町の中心エリアまでは1km以上あります。

駐車場は複数あるので車の利用が便利です。

観光駐車場として有料の「蔵の街第一駐車場」があります。 障害者用駐車区画が2台分あり、「とちぎ山車会館」や「とちぎ蔵の街美術館」を利用すると、駐車料金が無料に減免されます。

車椅子利用者にお薦めなのは、市役所新庁舎裏の無料駐車場です。1Fに東武百貨店が入店している庁舎で、障害者用駐車区画があります。また施設内には綺麗な障害者用トイレがあります。

栃木蔵の街

○蔵の街大通り沿道の主な観光施設のバリアフリー状況

「まちの駅コエド市場」はバリアフリー施設です。店舗内には障害者用トイレが用意されています。フリー飲食ゾーンは車椅子で利用できます。

まちの駅コエド市場

「とちぎ蔵の街観光館」は車椅子で利用できます。

「とちぎ山車会館」は、2フロア構成ですがエレベーターがあり、車椅子で利用できます。障害者手帳の提示で、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。

とちぎ山車会館

ただしメイン展示の山車の前の観客席には、車椅子用のスペースはありません。ベンチシート横のスペースから、車椅子で山車紹介ショーを観覧します。

とちぎ山車会館

隣接する「とちぎ蔵の街美術館」は、障害者手帳の提示で入館料は無料になりますが、一部段差のある施設です。

とちぎ蔵の街美術館

「山本有三ふるさと記念館」は、障害者手帳の提示で入館料は無料になりますが、段差構造の施設で、車椅子では見学出来ません。

山本有三ふるさと記念館

「山本有三ふるさと記念館」のスタッフの話によると、記念館の建物は山本有三の生家ではなく、生家もきっとこんな家だったろう、という古い家なのだそうです。古い家をそのまま保存しているので、バリアフリーではなくてすみません、というお話でした。

山本有三ふるさと記念館

○重要伝統的建物群保存地区のバリアフリー状況

「重要伝統的建物群保存地区」は、古い街道筋をブラブラとお散歩を楽しむエリアです。路面状況は良好なので、車椅子でのお散歩は可能です。

重要伝統的建物群保存地区

「重要伝統的建物群保存地区」で立ち入ることが出来る観光施設は「岡田記念館」だけです。550年以上続く旧家の屋敷で、バリアフリーではありません。車椅子では行けるとこまでです。

「蔵の街大通り」も含めて、古い蔵や家をそのまま利用した商店、飲食店が数軒あります。車椅子で店中に入ることが出来るお店も幾つかありますが、古い蔵や家ですから、基本はバリアフリー構造ではありません。車椅子では無理のない範囲での利用になります。

重要伝統的建物群保存地区

「栃木蔵の街」の車椅子観光お薦めコースです。

車でアクセスして市役所新庁舎裏の駐車場に停め、庁舎でトイレを借りる。

「重要伝統的建物群保存地区」と「蔵の街大通り」沿道を無理のない範囲で散策し「とちぎ山車会館」に立ち寄る。

最後に市役所新庁舎内の東武百貨店で、お土産を見る。

このコースなら、車椅子で無理なく観光できます。

乗鞍高原バリアフリー情報 車椅子で楽しむ観光ガイド

大自然を楽しむ観光地、長野県松本市の乗鞍高原。バリアフリーな観光スポットは限られますが、「一の瀬園地」の一部と「乗鞍自然保護センター」は車椅子で利用できます。現地の状況を詳しく紹介します。

なお本稿は2017年5月の取材に基づいて初稿を執筆し、2019年10月に一部加筆しました。

乗鞍高原

○乗鞍高原の概要

乗鞍岳は標高3,000m超の日本で3番目に高い火山です。

もともとの地盤が隆起した地質が2,300m、そこに火山噴火による堆積物が700m乗って3,000m超。乗鞍岳は比率でいえば火山よりも隆起のほうが大きい山ですが、乗鞍高原は火山活動の痕跡で、溶岩の噴出でできた溶岩台地です。

古くから山岳信仰の対象であった乗鞍岳。遅くとも江戸時代には、乗鞍高原で人々の生活がありました。

その後は温泉開発、スキー場開発などによる環境破壊が進み、現在では乗鞍スカイラインはマイカーの乗り入れ禁止です。車椅子利用者にとっては、足を踏みいれるのが大変な環境保護エリアです。

乗鞍高原までがマイカー乗り入れ可能区域で、松本ICから1時間ほどです。ここまでなら車で簡単に行くことができます。

乗鞍高原の概要

○車椅子観光のガイドライン

乗鞍高原内は、一般車両が通行できる車道があり、また各所にハイキングの起点になる駐車場があります。

ただしほとんどのハイキングコースは、車椅子での通行は無理なデコボコルートです。駐車場からまわりを見渡す程度しか出来ません。唯一「一の瀬園地」は、舗装路と木道が整備されています。

観光施設としては「乗鞍高原観光センター」があり、山頂へのシャトルバスの発着地で、食堂やトイレがあります。そのすぐ近くに乗鞍の自然を紹介する「乗鞍自然保護センター」があります。

乗鞍高原観光センター

車椅子で無理なく出来る乗鞍高原観光コースは、車でアクセスして「乗鞍高原観光センター」で休憩をとる。「乗鞍自然保護センター」で乗鞍の自然を学ぶ。そして「一の瀬園地」内を無理のない範囲で散策する。以上のコースをお薦めします。

車椅子観光のガイドライン

○乗鞍自然保護センターのバリアフリー状況

乗鞍高原の中心部にある長野県立の施設です。広い無料駐車場には障害者用駐車区画があります。

建物エントランスはスロープ対応で、設備は古いながらも障害者用トイレがあります。

入館無料の施設です。冬季は閉館。4月から11月が開館期間です。

乗鞍自然保護センターのバリアフリー状況

館内の展示は特別天然記念物ライチョウから始まります。ライチョウの生態をパネル展示。高山帯に住む孤高の鳥。絶滅危惧種です。

乗鞍自然保護センターのバリアフリー状況

乗鞍には推定で100羽ほどが生息しているということ。生息域には車椅子では絶対にいけません。

乗鞍高原は数種のコウモリの生息域。そのなかでも「クビワコウモリ」が希少種。集団繁殖しているのは、乗鞍高原だけということです。

そこで繁殖用のコウモリ小屋「バットハウス」が、センターの横に建てられました。高層丸太小屋のような建物です。繁殖させて生態の調査、種の保護を行っています。見学は外観を見るだけです。

 

○一の瀬園地のバリアフリー状況

頑張ると車椅子でミズバショウが鑑賞できる、乗鞍高原の真ん中ある湿原域です。

「ネイチャープラザ一の瀬」を目指します。その前にある広い無料駐車場を利用します。

「ネイチャープラザ一の瀬」横の公衆トイレに、障害者用トイレがあります。

一の瀬園地のバリアフリー状況

未舗装駐車場でデコボコな路面です。駐車場から30mほど頑張って移動すると、舗装歩道が始まります。

1.6kmほどある歩道で、300mほど進むと、歩道の脇の水の流れの淵に、最初のミズバショウ群生があります。

遊歩道はキャンプ場まで続きますが、アップダウンはかなりきつい舗装ルートです。無理のない範囲での散策をお薦めします。

遊歩道はキャンプ場まで

ガイドブックに紹介される大きなミズバショウの群生地は、舗装歩道の終点地キャンプ場の更に1.5km先にあります。そこまでは車椅子では行けません。

「一の瀬木道」は、「ネイチャープラザ一の瀬」駐車場から南方面に1.5kmほど進んだ「まいめの池」駐車場が起点になります。木道の傷みが激しいため、2019年から2021年(予定)の間、木道はリニューアル工事のため通行止めになります。

一の瀬木道

乗鞍高原は「一の瀬園地」の一部と「乗鞍自然保護センター」は、車椅子で観光ができます。

長瀞を車椅子で歩く 岩畳通り商店街 バリアフリー情報

埼玉県長瀞町は、荒川上流の清らかな流れと、ワイルドな景観が魅力の観光地です。岩畳には車椅子では行けませんが、「岩畳通り商店街」は車椅子で散策できます。現地の状況を紹介します。

なお本稿は2015年11月の取材に基づいています。

 

○岩畳通り商店街とは

秩父鉄道の長瀞駅の近くから、ライン下り乗り場がある岩畳の手前まで、土産物店や飲食店が並ぶ約400mの商店街です。

商店街の路面はほとんどがタイル張りの舗装路で、小さなデコボコが車椅子に軽い衝撃を与える箇所もありますが、一般的な車椅子利用者なら通行可能な観光商店街です。

観光のトップシーズンは夏。紅葉の秋も商店街は賑わいます。

観光のトップシーズンは夏。紅葉の秋も商店街は賑わいます

○電車でのアクセス状況

秩父鉄道長瀞駅はホームが一つ。改札とホームはスロープで結ばれているので、バリアフリー上の特別な配慮があるわけではないのですが、車椅子での利用は可能です。

車椅子での車両乗降時は、駅スタッフの支援を受けて下さい。

秩父鉄道長瀞駅

障害者用トイレがある公衆トイレは改札の外にあります。

改札から駅前広場やトイレにかけては、路面はフラットなので、車椅子での移動は可能です。

岩畳方面に向かうには、秩父鉄道の踏切を渡る必要があります。ここは車椅子ではやや苦戦します。車の交通量が多く、大型バスも多数通行します。そして踏切ですから、路面にデコボコがあります。車椅子では気を付けて移動する必要があります。

秩父鉄道長瀞駅

○駐車場の状況

岩畳周辺には有料駐車場が複数箇所あります。障害者用駐車スペースがある、バリアフリーに配慮された駐車場は、現時点では見当たりません。

電車で来ても、車で来ても、岩畳商店街に到着するまでは、多少バリアフリーではない環境があることは覚悟してください。

 

○商店街店舗のバリアフリー状況

岩畳商店街の歩道路面はほぼフラットで、車椅子で通行できます。

両脇にお土産屋さんが並ぶ昔ながらの観光ストリートです。

古い建物が多いので、店舗内はバリアフリーではないお店が多々あります。ただしほとんどが路面店なので、車椅子から商品をのぞいたり、お団子を買ったりすることはできます。

 

○商店街の障害者用トイレ

長瀞岩畳商店街にある公衆トイレに、障害者用トイレがあります。

 

○岩畳は段差の下

商店街の突き当り、岩畳の川辺に降りる通路は階段です。車椅子で行けるのは商店街までです。

商店街の突き当り、岩畳の川辺に降りる通路は階段

岩畳は、地下20km~30kmの深部で変成された結晶片岩が隆起して、地表で岩の畳のような様相を見せている景勝地です。

岩畳は段差の下

岩畳までは車椅子では行けませんが、長瀞観光で人気のグルメ通り「岩畳通り商店街」は車椅子で行くことができます。