横浜市立金沢動物園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

神奈川県横浜市の金沢自然公園は、激しいアップダウンがある地形です。中核施設の金沢動物園を中心に、車椅子からみたバリアフリー状況を詳しく紹介します。

なお本稿は2019年10月の取材に基づいています。

金沢動物園

○公園の全貌と車椅子での利用可能範囲

「金沢市民の森」や「横浜自然観察の森」などがある自然エリアの一角にある、約60万㎡の広大な敷地の公園が「金沢自然公園」です。金沢自然公園を拠点に、周囲の森まで続く複数のハイキングコースがありますが、これらは未舗装で段差があり車椅子では無理なコースです。

金沢自然公園

金沢自然公園は無料の「植物区エリア」と有料の「動物園エリア」に分かれます。

植物区エリアの半分以上は急斜面で、そこに大型遊具があるコーナーやバーベキュー場、梅林など様々な施設があります。このエリアは舗装された散策路が整備されていますが、急坂なので車椅子向きではありません。どこまで行けるかは、その人や介助者の体力次第です。

動物園エリア内は、すべて舗装された見学通路が整備されています。入口付近はフラットですが、その先はアップダウンがあります。一部傾斜が急な箇所があり、そこをクリア出来ないと園内の周回路を廻ることはできません。

したがって一般的な車椅子利用者の場合、「植物区エリア」の平坦な一部分と、「動物園エリア」を無理のない範囲で利用するのが標準的コースになります。

金沢自然公園

○アクセスと駐車場の状況

徒歩圏内に駅はありません。アクセスは車が便利です。

有料駐車場が2か所用意されています。駐車料金は障害者減免制度があり、障害者手帳の提示で無料に減免されます。

高速道路である「横浜横須賀道路」から直結する「高速側駐車場」と、一般道路から利用する「正面口駐車場」があり、車椅子での利用方法が大きく異なります。

「高速側車場」は上り線からの入庫、下り線への出庫しかできません。障害者減免を受けるには、入庫時に駐車料金支払い機の横にある緊急電話をかけて指示に従ってください。カメラ付きインターフォンではありません。後続の車が続いて電話連絡で時間がかかるのが迷惑な場合は、いったん前金制度に従って料金を支払い、動物園入口の発券所で返金を受けることも出来ます。駐車場には10台分程度の障害者用駐車区画があります。駐車場から公園入口までは、極端な傾斜路を通らずに移動できます。

高速側車場

「正面口駐車場」にはスタッフが常駐しています。駐車料金支払い機の手前で、スタッフに障害者手帳と車椅子利用を申告します。障害者用駐車区画は一般駐車場とは別に坂の上にあります。車両通行止めの柵をあけていただき、公園スタッフのバイクの誘導に従って坂道を上ります。公園入口とほぼフラットな高さの場所に、障害者駐車区画が3台分用意されています。

正面口駐車場

駐車場から公園入口

一般利用者は正面口駐車場から公園入口まで、無料で利用できる「コアラバス」で上ることができます。現在のところ「コアラバス」は車椅子乗車が出来ない仕様です。

「コアラバス」が運行される正面口駐車場から公園入口までの坂道は、細い舗装路で車のすれ違いが出来ません。そのため来園して坂を上るときは、公園スタッフが運転するバイクの誘導を受けます。帰るときは、坂上のバス停から出発した「コアラバス」の後ろについて坂を下ります。

 

○障害者用トイレの状況

園内の各所に障害者用トイレが用意されています。現時点で10カ所あります。障害者用トイレがないトイレは、動物園エリア内の「アメリカ休憩所」の階段の下にあるトイレだけです。

今回取材時の状況では、トイレによって設備更新の状況がバラバラで、ウォシュレットなど付加設備のあるトイレもあれば、老朽化が目立つトイレもありました。

チャック出来た限り、大型のユニバーサルベッドのあるトイレは未発見です。

障害者用トイレの状況

○植物区エリアのバリアフリー状況

駐車場から公園入口に向かうと、最初にあるトイレ休憩施設が「にこにこプラザ」です。駐車場からここまでのルートおよび「にこにこプラザ」周辺はほぼフラットで、車椅子で問題なく利用できます。

にこにこプラザ

そのままフラットな舗装通路を進むとカフェやショップが入る「ののはな館」があります。ドアは手動ですが館内はフラットで、車椅子で利用できます。館内に障害者用トイレがあります。

ののはな館

「ののはな館」から動物園エリアに向かう通路は、多少のアップダウンはありますが車椅子で通行可能です。

動物園エリアに向かう通路

「こども広場」や「梅林」、「うきうき林」などがあるゾーンは、車椅子では辛い急坂を下ります。

動物園エリアに向かう通路

○動物園エリアのバリアフリー状況

横浜市立金沢動物園は有料の施設ですが障害者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者2名まで入園料が無料に減免されます。入口の発券所で障害者手帳を提示して無料入園券を発券していただく運用です。

動物園エリアのバリアフリー状況

入口から「なかよしトンネル」を通ります。トンネル内はフラットで、車椅子で通行できます。

なかよしトンネル

なかよしトンネル

トンネルの先「わくわく広場」の周辺や「アフリカ区」は、ほぼフラットです。車椅子で問題なく利用できます。

わくわく広場

わくわく広場

アフリカ区

「オセアニア区」に行くには坂道を上ります。元気な介助者がいれば何とかなる坂道です。

オセアニア区

オセアニア区

オセアニア区

「オセアニア区」内のカンガルー舎に近づく見学ルートは、カンガルーの移動を防止するための2枚の手動ドアを開閉して出入りします。見学路はフラットな舗装路です。

「オセアニア区」内のカンガルー舎

「オセアニア区」内のカンガルー舎

コアラ舎内はフラット構造です。車椅子で問題なく見学できます。

コアラ舎内はフラット構造

コアラ舎内はフラット構造

「ユーラシア区」と「アメリカ区」は、車椅子ではつらい急坂があります。急坂が始まる箇所の路面にサインがあるので、体力の範囲で無理なく利用して下さい。

「ユーラシア区」と「アメリカ区」

「ユーラシア区」と「アメリカ区」

「ユーラシア区」と「アメリカ区」

金沢自然公園は整備されていますが、車椅子では辛いアップダウンがあります。車で来園して、急坂を避けた無理のない移動範囲だけでも、車椅子で自然や動物を楽しむことが出来ます。

葛飾柴又寅さん記念館・山田洋次ミュージアム・山本亭 バリアフリー情報

東京都葛飾区柴又にある3つの観光施設は、車椅子で利用できます。アクセス方法と施設毎のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2017年5月の取材に基づいています。

柴又駅からは徒歩8分

○高低差がある3施設

寅さん記念館・山田洋次ミュージアム・山本亭は、江戸川沿いに隣接して並ぶ観光施設です。しかし高低差があり、階段があるルートもあります。車椅子ではスロープ路とエレベーターを利用して移動します。

柴又駅からは徒歩8分の案内です。駅方面から地上路を進むと、そのまま低地にある「寅さん記念館」と「山本亭」へアクセスできます。

「山田洋次ミュージアム」は地上からエレベーターで高地に上がった高さにあります。

「山田洋次ミュージアム」から陸橋を渡ると、「寅さん記念館」の上の公園に行けます。

この高地から江戸川の堤防につながります。堤防から江戸川河川敷へは、スロープ路があります。

柴又公園駐車広場

○柴又公園駐車広場からのアクセス

車利用の場合、駐車場は江戸川河川敷にある「柴又公園駐車広場」の利用が便利です。駐車料金は障害者手帳の提示で無料に減免されます。

河川敷の未舗装駐車場ですが、障害者駐車区画は用意されています。フラットに近い路面ですが、土なので車椅子では雨上がりの利用は避けた方が無難です。

堤防の上まで、緩やかなスロープが用意されています。そこから山田洋次ミュージアムに繋がる陸橋に車椅子で移動できます。

堤防の上からさらにスロープ上ると、寅さん記念館の上の公園に車椅子で行くことが出来ます。帝釈天、江戸川、矢切の渡しなどが眺望できる公園です。

高台の陸橋を渡ると「山田洋次ミュージアム」

○障害者減免制度と車椅子での見学順路

堤防から高台の陸橋を渡ると「山田洋次ミュージアム」に着きます。

「葛飾柴又寅さん記念館」と「山田洋次ミュージアム」の入館券は、低地にあるチケット売場で扱っています。したがって「柴又公園駐車広場」からアクセスした場合、最初にあるのは高地の「山田洋次ミュージアム」ですが、エレベーターで低地に下りて、先にチケット売場に行く必要があります。

3つの観光施設はいずれも障害者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の利用料金が無料に減免されます。

葛飾区の施設は、障害者の氏名などを記録する運用ルールです。そのため減免手続きに少し時間がかかります。

低地にある「山本亭」のチケット売場は、「山本亭」内です。

「山本亭」方面から寅さん記念館の上の公園へ行くルートは階段です。

寅さん記念館のバリアフリー状況

○寅さん記念館のバリアフリー状況

1997年に開館して、2015年にリニューアルされました。

寅さんの少年時代をテーマにしたジオラマ、昭和30年代の帝釈天門前町のミニチュアなどとても精巧で、ファンならずとも楽しめるクオリティーです。

明治時代にあった、人が押して動く「帝釈人車鉄道」は面白い。寅さん映画そのものにはそれほど愛着が無い人でも楽しめます。

もちろん記念館はバリアフリーで、障害者用トイレがあります。

寅さん記念館のバリアフリー状況

○山田洋次ミュージアムのバリアフリー状況

とても小さな施設です。ワンルームで入口からすべてが見える大きさです。車椅子で移動出来るスペースはあります。

一般的な人なら10分コースのミュージアムです。トイレはありません。

山田洋次ミュージアムへ上るエレベーターは、レンタルサイクル施設への動線でもあります。そのため自転車が入る大型エレベーターが用意されています。大型の車椅子でも利用に問題はありません。

 

○山本亭のバリアフリー状況

江戸川沿いにある大正時代から使用された大邸宅です。大正末期から昭和初期にかけて増改築を重ねて造られた、当時の富裕層の志向を象徴している建築ということ。現在は葛飾区の施設です。

山本亭のバリアフリー状況

和洋折衷様式の「長屋門」から敷地内に入ります。庭園内を回りながら、邸宅玄関を目指すアプローチです。

通路は小さなデコボコがありますが、気を付けて進めば車椅子での通行は可能です。一部狭い箇所もあるので、他の通行人に注意しながら進みます。

アプローチから置物、飾り物、防空壕、井戸などが見学できます。このアプローチは無料エリアで、受付は邸宅入口になります。

山本亭のバリアフリー状況

玄関入口は階段です。横にラフなスロープがあります。

スロープを上った先はトイレの前で、障害者用トイレもあります。

この先邸宅内は土足禁止。雑巾が用意されているので、トイレ前のスペースで車椅子を拭きます。このスペースにはトイレ用のスリッパが数足置かれているので、誰かにスリッパを片付けてもらい、車椅子で乗り込む必要があります。

邸宅内に入ると、廊下があり畳座敷が続きます。畳の上は車椅子での立ち入りは不可です。

座敷に座ることが出来る人は、有料でお茶やお菓子をいただけます。

座敷に座れなくても、車椅子で廊下から庭園を楽しむことが出来ます。山本亭のハイライトは、室内からみる書院庭園。270坪の素晴らしいお庭です。

山本亭のバリアフリー状況

「山本亭」は、知名度はあまり高くありませんが、お薦め出来る施設です。

柴又にある3つの観光施設は、車椅子で利用できます。エレベーターとスロープを上手に使うのが、車椅子観光のポイントです。

市川市東山魁夷記念館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

千葉県市川市は東山魁夷がその半生を過ごした地。それを記念して2005年に誕生した施設です。「市川市東山魁夷記念館」は車椅子で利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2017年5月の取材で初稿を執筆し、2019年10月に一部加筆修正しました。

 

○施設の全体概要

東山魁夷の生涯と作品の紹介がある有料展示室があります。

建物は八角形の塔がシンボルのドイツ風建築で、西洋庭園が整備されています。

他にはカフェ、ミュージアムショップ、多目的室があります。

市川市東山魁夷記念館

○アクセス方法

中山競馬場の近く、市川市中山町1町目にある記念館です。

八角形の塔の上には「風見鶏」ではなく「風見馬」があります。

下総中山駅からは徒歩20分の案内。車の利用が便利です。

来館者用の駐車場があります。収用は20台。障害者用駐車区画は1台分用意されます。

2017年の取材時は有料駐車場で、障害者減免制度があり無料に減免されました。2019年10月時点では、駐車場は無料になっています。

 

○エントランス周辺のバリアフリー状況

駐車場から展示室入口にかけての通路は小さな段差がありますが、段差解消箇所が各ポイントで設置されているので、車椅子での移動は可能です。

「KAIIの森」と名付けられた、小規模な西洋風庭園があり、一周できるバリアフリー歩道が整備されています。

庭園を臨むカフェ「白馬亭」はカレーが自慢です。屋内席は車椅子で利用できます。

カフェの横には多目的室があり、オリジナルの東山魁夷紹介DVDが放映されています。車椅子で鑑賞できます。これを見れば東山魁夷の理解が深まります。

その横には車椅子で利用出来る、小さなミュージアムショップがあります。

以上がエントランス周辺の無料エリアにある施設です。

 

○障害者用トイレの状況

館内に2つ障害者用トイレが用意されています。設備は新しく綺麗なトイレです。

ただし個室内のスペースはやや狭く、一般的な車椅子なら入りますが、大型車椅子は入らないかもしれません。

市川市東山魁夷記念館

○展示室のバリアフリー状況

エントランスから館内に入ると、正面に受付があります。

東山魁夷記念館は有料の施設ですが、障害者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。受付で手帳を提示して減免措置を受けます。

有料の展示施設は1Fと2Fの2フロア構造です。エレベーターはあります。

1Fは人間東山魁夷の紹介、2Fが作品の展示です。

1F、2Fとも全貌がすぐわかる広さです。中に入ると外観よりも小さな印象を受けます。展示室内の車椅子鑑賞に大きな問題はありません。

2Fの八角形の屋根の下が休憩室で、東山魁夷関係の美術書などが閲覧できます。段差はありませんが通路が狭く、他に利用者がいると、休憩室は車椅子での利用は苦戦します。

 

東山魁夷記念館は、お庭や建物も素敵な施設です。一般的なサイズの車椅子なら、大きな問題はなく利用できる施設です。大型車椅子の利用者は、トイレに注意して下さい。