東京国立博物館「法隆寺金堂 聖徳太子のこころ」車椅子観覧情報

非公開で拝観できない法隆寺の金堂内部を紹介するプログラムが、東京都台東区上野の東京国立博物館「ミュージアムシアター」で公開されています。作品名は「法隆寺 国宝 金堂-聖徳太子のこころ」。会期は2021年7月14日から10月10日までです。

ミュージアムシアターは東洋館の地階にあります。車椅子では東洋館1Fからエレベーターを利用してください。東洋館のバリアフリートイレは1Fに1つあります。B1にはないので注意してください。

東京国立博物館「法隆寺金堂 聖徳太子のこころ」

ミュージアムシアターは、トーハク常設展観覧料とは別に鑑賞料金が必要ですが、障害者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。シアター前の受付に障害者手帳を提示して無料チケットを発券していただきます。シアターの定員は90名ですが、現在はコロナ対策で約半数の席に減数しています。

一日に5回または6回の上演があります。車椅子利用者は最初に場内に誘導されるので、上演開始5分前までにシアター入口に集合してください。

東京国立博物館「法隆寺金堂 聖徳太子のこころ」

車椅子席は会場内最前列に一席用意されています。プログラムは約35分。途中の入退場はできません。

金堂内部は非公開。解説によれば、僧侶も立ち入りが制限されているそうです。したがってほとんどの人にとっては、初めて見る空間です。

4K画像により、堂内の本尊などの仏像、装飾、そして復元された壁画が紹介されます。またそれらを創建した聖徳太子の思想「和を以て貴しとなす」他が解説されます。

現在は法隆寺の「大宝蔵院」で公開されている国宝「玉虫厨子」と「百済観音像」は、元々は金堂内に安置されていたと考えている研究者がいるそうです。VRにより、その姿を再現した映像が制作されています。拝観できないリアルな空間をみるだけではなく、過去の状態をバーチャルで体感できるプログラムです。またトーハクには「法隆寺宝物館」があり、実際の宝物を観覧できます。

東京国立博物館「法隆寺金堂 聖徳太子のこころ」

2021年は聖徳太子の1400年遠忌。金堂内部に興味のある方は、「法隆寺金堂 聖徳太子のこころ」をぜひご覧ください。

原美術館ARC 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

群馬県渋川市、伊香保温泉に近く、伊香保グリーン牧場と隣接する地にある美術館です。1988年に、東京品川の原美術館の「別館ハラミュージアムアーク」として開館。2021年1月に原美術館が閉館となり、新たに両美術館のコレクションと活動を集約した「原美術館ARC」として、2021年4月に始動しました。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

原美術館ARC

〇アクセス及び入館料の障がい者減免制度と支払い方法

徒歩圏に駅はありません。バス利用の場合、伊香保温泉行バス停「グリーン牧場前」下車徒歩5分の案内です。

車の場合は50台を収容する来館者用の無料駐車場を利用します。駐車場には幅広い身障者用駐車スペースが屋根なしで5台分用意されています。

原美術館ARC 

入館料は建物内ではなく、美術館の敷地入口にある小屋のようなチケットセンターで支払います。車の場合は、このセンターの横にいったん停車します。

原美術館ARC

コロナ対策として、チケット購入前にスタッフが車に来て、入館希望者全員の検温を行います。そのうえで簡単な記帳を車内で行います。

そして代表者が記帳したシートを持参し、チケットセンターに徒歩で移動して、チケットを購入します。バス停から徒歩の場合は、全員でチケットセンターに行きます。

入館料の障がい者減免制度の詳細がHPで開示されていませんが、原美術館ARCとしての最初の展示会「虹をかける:原美術館/原六郎コレクション」展は、障がい者本人の入館料が半額に減免されました。チケットセンターで障害者手帳を提示して減免措置を受けます。

屋外展示があるため、敷地の入口でチケット販売をしないと管理ができないために考案された支払い方法だと思われます。

 

〇美術館の全体概要

広大な敷地の緩やかな傾斜地に建つ美術館です。舗装された通路は傾斜がありますが、車椅子で移動できます。段差箇所もありますが、段差を回避して移動できるルートが確保されています。駐車場の横に全体概要が分かる「エリアガイド」が掲示されています。

原美術館ARC

建物は磯崎新氏の設計。黒い色調の木造建築です。中央部にあるピラミッド型の屋根が「ギャラリーA」で、その両翼にシンメトリーに「ギャラリーB」と「ギャラリーC」が配置されます。

原美術館ARC

建物の約半分は、広大な屋根付き木造テラスで、その先に書院造のような特別展示室「觀海庵(かんかいあん)」があります。

原美術館ARC

メイン棟の中にミュージアムショップ。離れの別棟で「カフェダール」が営業しています。

屋外にも複数のアートを展示。なかでもオラファーエリアソンの作品は注目です。

原美術館ARC

〇正面入口からエントランス周辺のアート

舗装通路を通り車椅子で美術館内に進みます。ハート形のオブジェはジャン=ミシェル オトニエル作「Kokoro」。原美術館ARCのシンボルです。

原美術館ARC

正面入口までフラットな通路が続きます。

原美術館ARC

そのまま館内に入り、振り返るとハートの「Kokoro」バックは伊香保グリーン牧場になります。

原美術館ARC

正面入口先の壁面にアートが展示されています。

原美術館ARC

その反対側がミュージアムショップ。今回取材時は、車椅子をみて、スタッフが両ドアを開けていただけました。大きなお店ではありませんが、他に来店者がいない状況であれば、車椅子で店内移動は可能です。

原美術館ARC

下は正面から右側をみた写真です。左側の通路奥にアート作品とバリアフリートイレがあります。その先にある吹き抜け空間の両サイドは、屋外型アートが展示されています。

原美術館ARC

下の写真がバリアフリートイレへの通路の入口です。

原美術館ARC

トイレ内のスペースは余裕がありませんが、一般的な車椅子は入ります。オストメイト装置が備えられています。

原美術館ARC

そしてバリアフリートイレの横にアート「輪舞」があります。ドアを開けるとこのようなシーンが見えます。通路幅が狭いので、車椅子でドアの正面に回転できるかは微妙です。大きな車椅子は斜めから鑑賞することになります。

原美術館ARC

そして一拍おいて音楽とともにアートの展示が始まります。

原美術館ARC

吹き抜け空間の両サイドの屋外型アートです。一つは日本列島をモチーフにしたアート。

原美術館ARC

もう一つは、このようなカラーデザインのアートです。

原美術館ARC

〇ギャラリーABCのバリアフリー状況

ミュージアムショップの先に進むとABC3つのギャラリーがあります。ギャラリーAの手前にある受付カウンターで、チケットを提示します。

原美術館ARC

受付の先に、各地の企画展のパンフレットなどがある情報コーナーがあります。狭いスペースですが、車椅子で利用できます。一般トイレはこの横です。

原美術館ARC

各ギャラリーの出入口は手動ドアです。ABC各ギャラリーのドアは、車椅子で通行できる幅があります。段差はありません。

原美術館ARC

今回取材時は、車椅子をみて、スタッフがドアを開閉していただけました。

原美術館ARC

ギャラリー内はフラットの構造で、車椅子で問題なく鑑賞できます。

原美術館ARC

3つのギャラリーは、屋外展示物などがある芝生広場に向かう、開放的な空間に配置されています。

原美術館ARC

〇特別展示室「觀海庵」のバリアフリー状況

ギャラリーとは反対側にある特別展示室に向かいます。大きなテラスのような空間を通ります。外からみると下の写真のような構造。右側のピラミッド屋根が「觀海庵」です。

原美術館ARC

下の写真は内側からみた風景です。吹き抜けの枠から一枚の絵のように赤城山方面を眺望します。

原美術館ARC

「觀海庵」の入口も手動ドアです。ここには通常スタッフがいないので、自分でドアを開閉する必要があります。

原美術館ARC

手動ドアの先にある庵への入口。ここは自動ドアです。このドアの先にスタッフがいるので、チケットを提示して入室します。庵内は書院造のような設計でフラットな構造、車椅子で観覧できます。多様な展示スタイルが可能な構造です。

原美術館ARC

〇オラファーエリアソン作「SUNSPASE FOR SHIBUKAWA」のバリアフリー状況

「觀海庵」側の芝生広場に展示されています。「SUNSPASE FOR SHIBUKAWA」まで、芝生広場内に舗装通路があり車椅子で移動できます。ドーム内部に入り、天井部に設置されたプリズムレンズを通じて、太陽の軌道を視覚的にとらえるアートです。

原美術館ARC

ドアは車椅子で入ることができる幅があります。内部は季節、時刻、気象によってダイナミックに変化する空間です。

原美術館ARC

〇その他の屋外展示物とカフェのバリアフリー状況

ギャラリーから芝生広場への通路には段差があります。

原美術館ARC

舗装通路につながる箇所にも段差回避スロープはありません。車椅子では正面から出て、ギャラリー側の芝生広場に向かいます。

原美術館ARC

ギャラリー側の芝生広場にはカフェと複数の屋外アートがあります。広い芝生広場な内を車椅子で散策できる舗装通路が整備されています。

原美術館ARC

下の写真の別棟が「カフェダール」。段差がない構造なので、車椅子で利用できます。

原美術館ARC

アンディウォーホールがデザインした缶詰。

原美術館ARC

鉄のアート。

原美術館ARC

生垣と同期したステンレスアート。

原美術館ARC

このような屋外アートを車椅子で鑑賞できます。

原美術館ARC

原美術館ARCは、車椅子で鑑賞できるバリアフリー美術館です。車椅子では天候が安定している日の来館をお薦めします。

(本稿は2021年9月に執筆しました)

千葉県立海の博物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

千葉県勝浦市にある「千葉県立中央博物館分館海の博物館」は、房総の海がテーマの施設です。鵜原理想郷と勝浦海中公園の中間地にあり、周辺の自然も博物館の一部として「観察会」「磯・いそ探検隊」などの参加型企画を行っています。鵜原理想郷や勝浦海中公園は、車椅子での散策が困難な箇所が多い自然園ですが、海の博物館はバリアフリー。車椅子で房総の海を学ぶことができます。

JR鵜原駅から徒歩15分の案内。海の博物館に隣接して2フロア構造の有料駐車場があります。身障者用駐車スペースは、駐車場入場ゲートの先に2台分。ここが海の博物館に最も近い場所です。

千葉県立海の博物館

駐車場は2フロア構造で1Fは下の写真のような構造。雨天でも問題のない屋内駐車場です。

千葉県立海の博物館

そして海の博物館エントランスまで、ほとんどの区間が庇の下を通ります。車でアクセスすれば、小雨なら車椅子で利用できる博物館です。

千葉県立海の博物館

駐車場棟には、バリアフリートイレとエレベーターが用意されています。

千葉県立海の博物館

この駐車場は駐車料金の障害者減免制度があります。減免措置は博物館ではなく、駐車場の出入口ある管理室口で行います。駐車券と障害者手帳を提示して、サービス券を発行していただきます。

千葉県立海の博物館

博物館へのアプローチ、エントランスはバリアフリー仕様。車椅子で問題なく入館できます。博物館内はフラットなワンフロア構造です。

千葉県立海の博物館

海の博物館の入場料は障害者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳を提示して減免措置を受けます。

千葉県立海の博物館

博物館内のバリアフリートイレは1つ。受付の先にあります。スペースは一般的なサイズで、ウォシュレット付きの便器が備えられています。

千葉県立海の博物館

受付があるロビーには海に関する本が並び、標本があります。そして大きな窓の内側に「マッコウクジラの下顎骨」、窓の外に「ツチクジラの骨格」が展示されています。クジラは房州の海に生きる動物です。

千葉県立海の博物館

展示室は1つ。4つのパートで構成されます。すべて車椅子で観覧可能です。「房州の海」では、「外房」「内房」「銚子・九十九里」「東京湾」のそれぞれの海で生きる生物を紹介しています。

千葉県立海の博物館

「さまざまな海の姿」、「博物館をとりまく自然」、「海と遊ぼう」とコーナーが続きます。

千葉県立海の博物館

博物館は平成11年の開館ですが、展示室はリニューアルしたと思われます。綺麗で分かりやすく一部ハイテク系もある、今どきの新しい展示です。

千葉県立海の博物館

研修室では、2本の映像プログラムが放映されています。車椅子で鑑賞可能です。今回取材時は資料展「イカ展」が開催中。下の写真はダイオウイカの標本です。

千葉県立海の博物館

千葉県立中央博物館分館海の博物館は、子供から大人まで楽しく海を学べるバリアフリー博物館です。

(本稿は2021年9月に執筆しました)