群馬県東吾妻町にある吾妻峡は、吾妻川にある約3.5㎞にわたる渓谷。国指定名勝です。そのハイライトは「八丁暗がり」と呼ばれる川幅が狭まった900ⅿの区間。「鹿飛び」と呼ばれる箇所は川幅が2ⅿから3ⅿになります。
吾妻峡を楽しむハイキングコースは、車椅子では全く近づけない本格的な未舗装のアップダウンコース。登山靴の装用が推奨されているレベルです。
その吾妻峡の一端を車椅子で楽しめるポイントが「十二沢パーキング」から「猿橋」に向かう短いコースです。現地のバリアフリー状況を紹介します。
「十二沢パーキング」は無料の観光駐車場で30台弱を収容します。吾妻川の南側を走る県道からアクセスします。
駐車場の東側に身障者用駐車スペースが2台分設定されています。奥に見える建物は公衆トイレです。
トイレにはバリアフリートイレが1つ用意されています。
駐車場から吾妻川に架かる猿橋まで、約100ⅿの舗装された傾斜スロープ路が整備されています。
傾斜は見た目よりもきつくはありません。一般的な車椅子利用者と介助者であれば、走行可能なスロープ路です。傾斜路を折り返しながら川に向かいます。
スロープからか眺めた本流の手前に流れる沢。良い雰囲気です。
ほどなく猿橋が見えてきます。
猿橋までの最後の下りヘアピンカーブです。
江戸時代から大正時代まで実在した猿橋が、平成29年に復元されました。「十二沢パーキング」側の岸の岩盤に穴をあけて、はねぎを斜めに差し込み、片側からだけで橋を支える構造です。
車椅子から猿橋の全景を楽しめます。
猿橋の上から下流方面を見下ろした写真です。秋は紅葉が美しい絶景スポットです。
猿橋を渡ると、吾妻川沿いの道は、今回取材時は工事中でした。現時点では、車椅子散策は猿橋までです。
名勝吾妻峡を楽しむハイキングコースは、車椅子では歯が立たない道ですが、「十二沢パーキング」から「猿橋」までは車椅子で散策可能。吾妻峡の一端を車椅子で楽しめます。
吾妻渓の玄関口にある「道の駅あがつま峡」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2021年9月に執筆しました)