車椅子で行く和歌山城公園 バリアフリー情報

和歌山県和歌山市の「和歌山城公園」は、無料動物園がある市民憩いの公園ですが、公園内は段差があり車椅子で一周できません。現地のバリアフリー状況を詳しく紹介します。

なお本稿は2018年6月の取材に基づいています。

○基本は段差のある構造

名城和歌山城。再建された天守閣は、2018年が60周年です。お城の遺構をそのまま残した公園ですから、基本は段差構造で、車椅子での観光には限界があります。

ただし元々の有り様を変えない範囲での、和歌山市によるバリアフリー化への取り組みもあります。車椅子で行く和歌山城公園。詳しくご紹介します。

 

○駐車場から二の丸庭園まで

公園内の各所に決定的なバリアポイントがあります。

車椅子でそのまま通行可能なルートは、公園駐車場から動物園を経由して二の丸庭園まで。

岡口門や大手門から入城しても、二の丸庭園までは車椅子で通行可能。

途中にある「伏虎像」は車椅子で鑑賞可能です。

和歌山城公園

バス専用駐車場から、あるいは追廻門から入城した場合は、大外左廻りをするイメージで二の丸庭園へ向かいます。

駐車場から二の丸庭園までのルートも、快適なバリアフリー路面ではありません。砂利路面や未舗装路、中途半端な舗装路などが各所にあります。

この間、駐車場内とお堀の横に、障害者用トイレを併設した公衆トイレがあります。

決定的なバリアポイントは、天守閣へ向かう3本の坂である、表坂、裏坂、新裏坂、そして紅葉渓庭園の横の道です。お城そのままの構造が残されています。

 

○御橋廊下は段差構造

再建された御橋廊下。二の丸庭園横の広場に、大掛かりなスロープが設置されています。これをみるとバリアフリー設計かと思いますが、廊下への入口は段差あり。車椅子での利用は出来ません。ただしスロープを利用して車椅子で入口に近づくことが出来ます。

和歌山城公園

市役所に確認したところ、御橋廊下は土足禁止ですが、車椅子を拭き、人力で担ぎ上げれば廊下内に車椅子で入ることは許可されるそうです。

御橋廊下は傾斜の橋。滑り防止に床に低い段差がつけられています。ガタゴトしますが、ストッパーにはなります。入館無料。通常17時までの公開です。

 

○悪路を5m頑張れば紅葉渓庭園が見える

決定的なバリアポイントとしてご紹介した「紅葉渓庭園の横の道」。二の丸庭園側からアクセスすると、いかにも江戸時代の石畳というゴツゴツな下り坂が車椅子の行く手を阻みます。

ここを無理して5mほど進むと視界が開けて、紅葉渓庭園から御橋廊下を見渡す、和歌山城公園のベストビューポイントにでます。

無理ができる方は、5m頑張ることをお薦めします。

和歌山城公園

○動物園は大正時代の開業

公園内にある小さな動物園は、大正4年の開業です。その歴史100年超。リニューアルしたのが昭和43年ということ。以来ほとんど大きな変化がなく現在に至っているそうです。

車椅子での見学は可能です。

 

○忍者サポーターに介助を頼む

天守閣内部は階段構造。そもそも天守閣へ向かう坂が段差のある路です。

この対策として、忍者サポーターが導入されました。忍者の格好をしたスタッフが。移動式のスロープ、電動車椅子を駆使して、最大2時間かけて天守閣下まで車椅子を導くそうです。

要予約。水曜から日曜の活動で月曜と火曜はお休みです。

和歌山城公園

○公園駐車場は障害者減免制度あり

和歌山城公園駐車場は市営駐車場です。他の市営駐車場も同様ですが、障害者減免で駐車料金が半額に減免されます。出庫時に精算機のインターフォンを押し、手帳をカメラに提示する方式です。

和歌山城公園は、車椅子での移動範囲は限定的ですが、素敵な雰囲気の公園です。無理のない範囲で、車椅子で利用してください。

車椅子で行く 牛久自然観察の森 バリアフリー情報 

茨城県牛久市の「牛久自然観察の森」は、森の道はオフロードですが車椅子で通行可能、自然を楽しむ無料施設です。現地のバリアフリー状況を詳しく紹介します。

なお本稿は2018年7月の取材に基づいています。

○散策路はオフロード

里山の自然を保全した無料公園「牛久自然観察の森」。1990年の開園で、森の中の散策路は整備されて車椅子で移動できます。といっても路は未舗装で快適なバリアフリー路面ではありません。多少のデコボコや砂面はあるので、根性は必要。特に雨上がりは要注意です。

牛久自然観察の森

○トイレはネイチャーセンターに

障害者用トイレは、第一駐車場、観察舎、ネイチャーセンターの3カ所に用意されます。ネイチャーセンターの建物は年季が入っていますが、トイレはウォシュレット付きの設備です。ネイチャーセンターは車椅子での森散策起点として利用できます。

牛久自然観察の森○無料駐車場あり

アクセスは車が便利。「第一駐車場」が通常期の無料駐車場です。駐車場の出入口付近に障害者用駐車スペースを配置。フラットに移動できる駐車場です。ここから正門までが100mほど。そのまま舗装された車道で進むルートと「タヌキの森」「コジュケイの林」を抜ける整備されたオフロードを進むルートがあるので、好きなルートを選択してください。

牛久自然観察の森

○正門からバッタの原へ

「牛久自然観察の森」の正門へ到着。正門から入る箇所は少々段差があるので、車椅子は慎重に進んで下さい。門の内側は「バッタの原」。昆虫が観察できる出入り自由の原っぱエリアです。その中の整備されたオフロードを車椅子で進みます。見た目よりも車椅子で移動しやすい路面。それほど苦労せずにネイチャーセンターに到着します。

牛久自然観察の森○有料施設「うっしっし」

ネイチャーセンター内は冷暖房完備。入るとすぐにある複数の水槽は「HACOBIO」。8つの水槽にメダカなど身近な生き物が生態展示されています。

ネイチャーセンターのメイン施設は有料の遊び場「うっしっし」。木の玉プール、積木など、50種類以上の木のおもちゃで遊べる幼児向きの施設です。靴を脱いで利用する施設ですが、車椅子での利用は可ということ。障がいのある幼児や児童は、楽しく遊べるかもしれません。牛久自然観察の森○セルフガイドゾーンは広い

ネイチャーセンターから先は「セルフガイドゾーン」と称される里山エリア。散策路が整備されているので、頑張れば車椅子で一周できます。1周すると1kmほど。体力に併せて、無理のない範囲で里山を車椅子で散策してください。各所に解説版があるので、里山の自然への理解が深まります。

「牛久自然観察の森」は、この種の施設としてはバリアフリーで、自然の中を車椅子で散策できます。

車椅子で行く横須賀久里浜 くりはま花の国 バリアフリー情報

神奈川県横須賀市久里浜の「くりはま花の国」は、コスモス・ポピーの花畑がある入園無料の公園です。園内は車椅子で散策できる箇所、難しい箇所があります。現地のバリアフリー状況を詳しく紹介します。

なお本稿は2018年10月の取材に基づいています。

 

○標高差90m

「くりはま花の国」は丘陵の公園で、公園内の高低差が最大で90mあります。したがって園内ほぼ全域が傾斜面。車椅子で坂道を上り下りする必要があります。

入園無料の公園ですが、アーチェリーやエアーライフル、パークゴルフなどの施設利用は有料です。

くりはま花の国

○駐車場は障害者減免有り

公園専用の有料駐車場があり、障害者手帳の提示で駐車料金が無料に減免されます。管理棟や売店、レストランなど、スタッフがいる施設に行き、駐車券と障害者手帳を提示して減免手続きを受けます。

くりはま花の国

○車椅子でコスモス・ポピーを楽しむ

公園は大きく3つのエリアに分けることが出来ます。

正面入口の先からが「コスモス・ポピー園」。最高地点付近は、大型遊具がある「冒険ランド」。第二駐車場側はアーチェリーやエアーライフルの施設とロング滑り台などのエリア。

車椅子で「くりはま花の国」を楽しむなら、開花の季節に「コスモス・ポピー園」を眺めるのがお薦めです。

くりはま花の国

○第一駐車場は障害者区画なし

アクセスは車が便利です。「コスモス・ポピー園」に行くなら第一駐車場を目指します。収容台数は180台。障害者用駐車区画の用意はありません。

斜面にある駐車場なので、駐車スペースが上下2段に分かれ、周回しながら駐車スペースを探します。逆戻りは出来ない一方通行なので、乗降しやすい場所を判断して、駐車場所を決めてください。

駐車場内の移動および駐車場の出入口は、車椅子でも何とかなりますが、快適なバリアフリー路ではありません。デコボコや傾斜、一部狭い箇所を通ります。

くりはま花の国

○第一駐車場から公園入口まで

駐車場から出て公園へ向かいます。この付近は上り坂で、歩道は少し狭く、ところどころにデコボコがあります。車両の通行がない状況なら、むしろ車道を通行する方が楽です。

公園の門を通過し園内に入ってからも、ずっと上り坂が続きます。

くりはま花の国

○車椅子では難しい施設

公園に入ると左手にレストラン、右手に売店があります。どちらでも駐車料金の減免手続きが出来ます。

「レストランうおくに」は階段で向かいます。横に車用のスロープ路がありますが、急坂なので車椅子での通行は困難です。

売店「コスモス館」は平屋構造で、入口には簡易的な段差解消版が置かれています。この段差解消版は、一般的な車椅子利用者は通行できないタイプです。介助者がいて車椅子の前輪を高く持ち上げれば、なんとか館内へ入ることが出来るかもしれません。

くりはま花の国

○「コスモス・ポピー園」の傾斜はきつい

売店「コスモス館」の先に「コスモス・ポピー園」が広がります。園内に舗装された散策路が2本あり、その内の1本は滑り止め効果を狙った低い凹凸がある道。車椅子で通行できますが、ガタガタと衝撃がきます。2本の散策路とも傾斜はきついので、車椅子利用者は元気な介助者との同行をお薦めします。

くりはま花の国

○トイレは公衆トイレ

障害者用トイレは、売店「コスモス館」の先にある公衆トイレに併設されています。トイレのレベルは、一般的な公園の公衆トイレレベルです。

くりはま花の国

○混雑に注意

コスモス、ポピーの開花時は、大変混みあいます。駐車場が満車になることも多く、その場合は臨時駐車場が開設されます。

臨時駐車場は第一駐車場よりも公園に近く、坂道の距離が短くて済みます。駐車区画がアバウトなため、誘導スタッフに車椅子利用を相談すると、乗降しやすい場所に駐車させていただけることもあります。

車椅子利用者の場合、臨時駐車場が利用できると、むしろ便利です。ただし臨時駐車場まで満車になると、停めるところがなくなります。

園内の傾斜はきつく、施設のバリアフリーレベルも高くはありませんが「くりはま花の国」は、頑張れば車椅子でコスモスやポピーを楽しめます。