文京区立森鷗外記念館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

文京区立森鷗外記念館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都文京区の「森鷗外記念館」は、鷗外住居跡地に2012年に開館した車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

森鷗外記念館

ここは鷗外住居跡地です。30歳から亡くなる60歳までを過ごしました。2階から品川沖が眺望できたので、鷗外はこの住居を「観潮楼」と命名。ほとんどの著作物はこの「観潮楼」で創作されています。また同世代の文人サロンでもあったそうで、永井荷風、芥川龍之介、斎藤茂吉などが出入りをしていました。

敷地内には、当時からあったと伝えられる大銀杏が残されています。「観潮楼」が焼失したのち、この地は公園になり、その後2008年までは図書館がありました。

森鴎外記念館

アクセス方法です。団子坂上に建つ記念館です。最寄駅は千駄木で徒歩5分の案内ですが、駅からは急な坂道を上ります。

一般来館者用の駐車場はありませんが、身障者用駐車場が1台分用意されています。事前予約制で、一方通行路に面した少し分かりにく場所にあります。

森鴎外記念館

敷地面積が約886㎡で、建築面積が約400㎡。サイズ的には小さな記念館です。建築界の権威ある賞を受賞しているデザイン建築。外壁はレンガを張ってから削っています。

森鴎外記念館

地階から2Fまでの3層構造です。展示室は地階。地階の展示室は2室あり、その時々の企画展示が行われています。

1Fは受付とミュージアムショップ、そして喫茶室があります。喫茶スペースは可動式のテーブル席があるので、車椅子で利用できます。2Fは図書室と講座室です。

森鴎外記念館

館内のバリアフリー状況です。「森鷗外記念館」は有料の施設ですが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。

バリアフリートイレは1Fに1つ用意されています。エレベーターは1基、車椅子での上下階移動は可能です。

小さな映像コーナーがあり、オリジナルの鷗外コンテンツがリピート放映されています。それによると、この千駄木界隈は鷗外が歩いた坂道が往時のまま幾つも残っているということです。

展示は今どきの施設らしくタッチパネルがあります。いずれのマシンも車椅子の足が中に入るタイプです。

ケース内の展示物は、高さが低めで傾斜をつけた展示です。車椅子からの低い目線でも鑑賞しやすい展示になっています。全般的に車椅子での観覧を想定している展示です。

森鴎外記念館

展示内容は定期的に変わります。今回取材時は、鷗外の家族の様子と、鷗外のデスマスクが展示されていました。鷗外が家族を思いやる写真が多数展示されています。収録資料は、もともと区が保有していたものがほとんどということです。

鷗外は医者ですが、自分の末期は頑として医者の診察を受けることを拒んだそうです。享年60歳。当時としては人生を閉じておかしくない年齢です。

森鷗外記念館は小さいながらもバリアフリーな施設です。徒歩でアクセスする場合は、坂道に注意して下さい。

近隣のツツジの名所「根津神社」の情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年11月に加筆しました)