埼玉県さいたま市にある、お花畑が中心の大きな公園です。総面積は10.9ha。その内3.3haがお花畑として整備されています。ここは一般廃棄物の最終処分場でした。大宮市の市制50周年を記念して、平成2年に建設された公園なので、今どきのバリアフリー設計ではありません。それでもお花畑を車椅子で鑑賞できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。
徒歩圏に駅はありません。車の利用が便利です。
駐車場は4か所あり、合計で250台を収容します。メインの駐車場は中央入口の横、「花の食品館」前の駐車場です。ブルーラインでペイントされた身障者用駐車スペースが2台分用意されています。このほか和風庭園側の駐車場にも、身障者用駐車スペースが2台分あることを確認しました。
園内2か所にある独立トイレ棟には、バリアフリートイレはありません。花の食品館内と緑のふるさとセンター内の屋内トイレに、バリアフリートイレが用意されています。
写真は花の食品館内のバリアフリートイレです。引き戸式ドアで、個室はやや狭いながらも車椅子が入るスペースは確保されています。ウォシュレット付き便器が備えられています。
一部に未舗装区間や段差路がありますが、そこを避けて舗装されたメイン通路を移動するだけで、十分にお花畑や花壇を楽しむことができます。
広い園内ですが、散策路を止まらずに歩くだけなら30分程度の距離です。ゆっくり見学すると1時間以上かかるかもしれません。散策コースの途中には、休憩施設がないので、体力に応じて車椅子で散策してください。
公苑の中央入口にある花の食品館には、金土日曜日に営業する直売所と、今川焼などを販売するテイクアウトコーナー、そして前出のトイレなどがあります。2Fはレストランですが、今回取材時は休業中でした。2Fのバリアフリー状況は詳細不明です。
1Fは全般的にあまりスペースに余裕がない設計で、トイレの周辺や直売所内の通路幅は、現在のバリアフリー水準からみると手狭です。
しかしながら、出入口などに決定的な段差はないので、1Fは車椅子で利用可能です。
公苑は道路を隔てて2か所に分断されています。道路の南側が和風庭園のあるエリアで、舗装散策路があり、車椅子で花壇のお花を楽しめます。
こちら側にも駐車場があり、その横には混雑時に開放される臨時駐車場があります。園内の散策路は若干傾斜がありますが、一般的な車椅子利用者なら問題なく通行できます。
整備されたのが平成の初めなので、施設としては少し老朽化しています。それでも広くてフラットな地形の公苑です。大宮花の丘農村公苑は、車椅子で散策ができるお花の公苑です。
(本稿は2021年5月に執筆しました)