邸宅・庭園・美術を楽しむ 公益財団法人 遠山記念館 見学ガイド

日興証券の創立者遠山元一氏が昭和11年に再興した生家を公開し、遠山氏が蒐集したコレクションを展示する美術館がある記念館です。

遠山記念館は未舗装路面や凹凸のある路面、階段や段差があり、車椅子での見学は困難ですが、杖を使えばある程度の自立歩行ができるレベル人なら、なんとか見学ができる可能性があります。現地の状況を紹介します。

遠山記念館

場所は埼玉県比企郡川島町。徒歩圏に駅はなく、最寄りのバス停から徒歩15分の案内です。記念館から道路を渡った先に、来館者用の広い無料駐車場が用意されています。

遠山記念館

記念館の前の濠は、蓮の池です。開花の季節は、蓮の花が美しく咲き誇るそうです。

遠山記念館

記念館の入口は立派な長屋門。門の手前の路面は、小粒の石がまかれた深い砂利路面です。

遠山記念館

見学の順路は、美術館、邸宅内、庭園です。長屋門から美術館までは、砂利路面の一部に舗装通路が整備されています。美術館に行く途中に、資料館唯一のトイレがあります。バリアフリートイレはありませんが、洋式トイレです。

遠山記念館

美術館の受付で観覧料金を支払います。遠山記念館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人が200円引きになります。

美術館のエントランスは階段です。スロープはありません。

遠山記念館

入口の上にはアートがあります。

遠山記念館

エントランスホール内のアートです。よく観察すると、天井や壁、ドアなどに様々なアートが仕掛けられています。

遠山記念館

美術館はワンフロアで展示室は2室。館内は段差のない構造です。

遠山記念館

今回取材時は「織の世界に遊ぶ心」展が開催されていました。

遠山記念館

美術館の横に休憩所があります。スペースに余裕はありませんが、段差は無い構造の施設です。

遠山記念館

その横の奥に「遠山稲荷」が鎮座しています。参道はデコボコの石畳です。

遠山記念館

次に邸宅に移動します。途中までは舗装通路が整備されています。

遠山記念館

邸宅に近づくと砂利路面の道になります。

遠山記念館

玄関がある東棟は重厚な茅葺き屋根です。家屋内への入口で靴を脱ぎ、段差を上がります。スリッパの用意はないので、気になる方は持参してください。

遠山記念館

邸宅内の見学コースは、多くは段差のないルートですが、とことどころ一段低い箇所があります。建具や家具などに触ってはいけないルールです。各部屋には「奥天井は熊本の楠」など、その部屋に使用されている全国から集められた銘木の産地と銘柄の解説が掲示されています。

遠山記念館

屋内から見た庭園の眺めです。

遠山記念館

部屋の一部は美術館企画と連動したコレクション展示室になっています。

遠山記念館

邸宅内部は周回コースではなく、玄関に戻る見学コースです。次は庭園の見学になります。庭園入口は大きな石が敷かれています。

遠山記念館

庭園から見た中棟。2階には応接室があり、通常は非公開ですが、公開日があります。

遠山記念館

庭園内の多くは飛び石を歩きます。

遠山記念館

庭園からみた手前が西棟、奥が中棟です。

遠山記念館

庭園内の狭い散策路に入ります。小川が流れる緑が深いエリアです。

遠山記念館

その先が出口。段差のある構造です。長屋門の横に出ます。

遠山記念館

以上が遠山記念館の見学コースの状況です。キャッチコピーは「遠山邸の重厚さと典雅。美術館の優雅さと静寂。」。車椅子での見学は困難ですが、自立歩行が可能な人なら、無理のない範囲で見学ができます。

(本稿は2021年10月に執筆しました)

鋸南町 菱川師宣記念館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

安房国保田、現在の千葉県鋸南町に生まれた、浮世絵の祖として知られる菱川師宣をテーマにした記念館です。内房の海に面した「道の駅きょなん」と同じ敷地にあります。道の駅きょなんの詳しいバリアフリー情報は、別稿「千葉県 道の駅きょなん 車椅子利用ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

開館は1985年。「鋸南町歴史民俗資料館」という表記も掲げられています。

菱川師宣記念館

アクセスは車が便利です。「道の駅きょなん」の駐車場を利用します。公衆トイレの前に身障者用駐車スペースがありますが、菱川師宣記念館からは少し遠い場所です。記念館に近い停めやすい区画を選び、駐車してください。

鋸南町観光物産センター

正面エントランスは階段で、段差回避スロープ路が設置されています。

菱川師宣記念館

入口は手動ドア。今回取材時は開けられていました。

菱川師宣記念館は、エントランスで下足を脱いで、スリッパに履き替えて入館します。車椅子ではエントランスの段差回避スロープから館内に上がります。今回取材時は、そのまま車椅子で入館してください、という案内でした。

菱川師宣記念館

菱川師宣記念館の入館料は障がい者減免制度があり、本人が半額に減免されます。受付に障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。今回取材時は、三井系のクレジットカードを提示すると入館料が20%OFFという案内がありましたが、半額になった障がい者料金にはダブル適用はされません。ちなみに、支払いは現金のみでクレジットカードは使用できません。

館内は段差のない構造です。常設展示室は3室。そして企画展示室が1室あります。壁面展示は車椅子から問題なく鑑賞できます。中台展示ケースも、ほとんどは車椅子から鑑賞できる高さですが、一部やや高い目線からしか鑑賞できないケースがありました。

常設展示されるのは、菱川師宣の作品だけではありません。後世の浮世絵師の作品や、江戸庶民の風俗を描いた絵巻など、師宣が生きた時代とその後に発展した浮世絵文化を紹介しています。

館内のトイレは一般トイレのみでバリアフリートイレはありません。「道の駅きょなん」の公衆トイレに、バリアフリートイレがあります。

菱川師宣記念館

菱川師宣記念館は、靴を脱いで利用する施設ですが、車椅子で観覧できます。

(本稿は2021年9月に執筆しました)

東京のユニークな博物館 お薦めの穴場的な文化施設

東京には個性的な博物館、資料館、記念館が数多くあり、国や都が運営する施設や、大学や企業が運営する施設の多くは、無料または低廉な料金で観覧できます。その中からお薦めの穴場的な施設をまとめて紹介します。

施設名称をクリックすると、施設のバリアフリー状況を紹介するページにリンクするので、ご参照ください。

なお都内の区または市が運営する文化施設は、別稿「東京の郷土資料館・歴史民俗博物館 お薦めの文化施設」で紹介していますので、ご参照ください。

《地域活性化ミュージアム》

トキワ荘マンガミュージアム(豊島区)

手塚治虫氏などマンガの巨匠たちが若きころ住んだトキワ荘を再現した施設です。開館は2020年。最新の設備がある昭和のアパートです。各部屋が展示室。炊事場や便所はリアルに再現されています。1Fは企画展示室とマンガラウンジ。小さなミュージアムショップもあります。昭和の風俗と文化史が凝縮されたミュージアムです。

トキワ荘マンガミュージアム

東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム(杉並区)

日本のアニメーション全体を体系化して総合的に紹介するミュージアムです。「鉄腕アトム」や「おそ松くん」から、近年のアニメまで。子供から初老の人まで楽しめる展示です。アニメの原理がわかる体験型展示やワークショップもあります。古い建物ですが2015年に耐震工事が行われているので、安心して利用してください。

杉並アニメーションミュージアム

大森海苔のふるさと館(大田区)

江戸時代から生産の歴史がある、海苔の故郷は大森であることを知る資料館です。海苔の養殖技術は大森で開発され、全国に普及しました。海苔生産の全盛期は、現在の羽田空港全域が海苔の養殖場でした。大森の人にとって、海苔はふるさとのシンボル。昭和30年代まで生産された江戸前海苔のすべてが分かる施設です。もちろんお土産用の海苔が販売されています。

大森海苔のふるさと館

《企業系ミュージアム》

市谷の杜 本と活字館(新宿区)

大正時代の建物をリノベーションして2020年に誕生した、大日本印刷株式会社が運営する活版印刷と本づくりをテーマとした文化施設です。入館無料。印刷工場の風景を一部再現した「印刷所」、印刷と本づくりを実際に体験できる「制作室」、企画展示室があります。

市ヶ谷の杜 本と活字館

東映アニメーションミュージアム(練馬区)

2018年に誕生した、東映アニメーション大泉スタジオの一部を使った一般公開施設です。企画としては子供向けで、ワンピースや悟空、プリキュアと遊ぶ展示などが中心。一方で目玉のおやじやオオカミ少年ケンなど、オールドファンが喜ぶキャラクターも隠れています。逸品がならぶミュージアムショップは必見です。

東映アニメーションミュージアム

ニコンミュージアム(港区)

品川インターシティC棟の2Fにある、カメラのニコンの企業ミュージアムです。エントランス正面に飾られているのは、ニコンの光学素材製造技術の粋を集めた巨大な合成石英ガラスインゴット。ニコンミュージアムのシンボルです。過去の製品、現在の製品、未来の技術が様々な展示で紹介されています。一つ一つの展示を丁寧に見学すると、膨大な時間が必要なミュージアムです。

ニコンミュージアム

汐留アドミュージアム東京(港区)

江戸時代から現代までの広告とマーケティングを展示解説する専門ミュージアムです。運営は「公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団」。吉田氏は電通の第四代社長です。古い貴重な資料をみて広告の歴史を学ぶばかりではなく、その時代に話題になった広告がもれなく展示されているので、思い出のある懐かしい広告と出会えるミュージアムです。

アドミュージアム東京

セイコーミュージアム(中央区)

時計の歴史、セイコーの歴史を紹介するミュージアムです。世界の古い時計のコレクションは圧巻。古いものでは古代エジプトの日時計から、水時計、振り子時計などが展示されます。セイコー歴代のヒット商品の展示も懐かしい。最新のハイテク展示もあります。

セイコーミュージアム

世界のカバン博物館(台東区)

駒形にあるエース(株)東京店の7Fにある、世界のカバン約550点収蔵する博物館です。古今東西の貴重なカバン、著名人から寄贈された愛用のカバンなどが展示される無料の博物館です。8Fにはビューラウンジと、エース(株)創業者の「新川柳作記念館」があります。

世界のカバン博物館

たばこと塩の博物館(墨田区)

日本たばこ産業による「塩」と「たばこ」をテーマにした博物館です。1978年に当時の「日本専売公社」が渋谷公園通りに設立し、2015年に現在の場所に新築移転しました。正面入口には巨大な岩塩のレリーフが展示されています。たばこ関連コレクションは、大蔵省専売局により昭和7年から本格的に蒐集されたものです。ここにしかない、レアな展示品に出会える博物館です。

たばこと塩の博物館

物流博物館(港区)

高輪の高台に建つ博物館です。日通本社にあった資料室がベースで「公益財団法人 利用運送振興会」が運営しています。3フロア構造で1Fは江戸時代からの物流の歴史、B1が現在の物流の解説、2Fは映像展示室と図書室です。真面目な展示が中心ですが、遊びの要素がある展示がある、硬軟織り交ざった博物館です。

物流博物館

ブリヂストン イノベーションギャラリー(小平市)

「ブリヂストン技術センター・東京ACタイヤ製造所」内にある企業広報施設です。2020年にリニューアルオープン。綺麗な施設でハイテクが導入された展示が魅力です。ブリヂストンの歴史、事業の多角化、ソリューションなどを紹介。展示されている月面用のタイヤは迫力があります。

ブリヂストン イノベーションギャラリー

日野オートプラザ(八王子市)

日野自動車の広報施設です。前身の会社が誕生したのは明治43年。トラックを独自開発したのは大正6年と、その長い歴史が紹介されています。現物展示が多く、ダカールラリー参戦車「日野レンジャー」、「日野ルノー4CV」、「コンテッサ」、オート三輪車「ハスラー」、大正9年製の航空機エンジンなどがあります。車好きの方にお薦めの博物館です。

日野オートプラザ

家具の博物館(昭島市)

フランスベッド東京工場内にある博物館です。古今東西の家具1,800点を所蔵。180点ほどが常設展示されます。西洋クラシック家具、明治時代の箪笥、火鉢や鏡台などの和家具、世界の椅子など、実際に使われた家具が並びます。世界の椅子の1/5ミニチュア「菊地コレクション」は秀作です。家具を通じて世界の歴史文化に触れる博物館です。

家具の博物館

愛宕山NHK放送博物館(港区)

ラジオ放送発祥の地、愛宕山にある博物館です。開館は1956年。2015年から約1年間休館し、2016年にリニューアルオープンしました。「玉音放送」「ひょっこりひょうたん島」、歴代の朝ドラ、大河ドラマの展示、紅白歌合戦のメモリアルコーナー、「愛宕山8Kシアター」「放送体験スタジオ」などがある、過去と現在の放送を知る博物館です。

NHK放送博物館

ガスミュージアム(小平市)

洒落た明治の洋館2棟が建つ東京ガスの広報施設です。明治時代に建てられた東京ガスの営業所と工場を1967年に移設しました。庭のガス灯は由緒ある名品で点火します。館内の展示品は古くて美しい貴重なものが多く、まるで明治から昭和にかけての文化資料館。インスタ映えするミュージアムです。

ガスミュージアム

印刷博物館(文京区)

凸版印刷の小石川ビルに入る博物館です。開館20周年の2020年にリニューアルオープンしました。「印刷文化学」という新しい学問分野の確立を目指している真面目な施設です。展示内容は印刷の歴史、文化、最新技術、そして人間との関わりなど。夏休みには子供向きの印刷工房のイベントも開催されます。重厚な雰囲気の硬派な博物館です。

印刷博物館

伊勢半本店紅ミュージアム(港区)

文政8年創業の老舗企業がプロデュースする、紅とお化粧の、歴史と科学を紹介するミニミュージアムです。常設展と企画展があり、ミュージアムショップでは「小町紅」や「べにばな茶」を購入できます。観覧すると紅の新知識が得られます。だだし紅の製法は門外不出の秘伝。これだけは教えてもらえません。

伊勢半本店紅ミュージアム

明治生命館(千代田区)

昭和9年に竣工した建物が、新築ビルの中で保存活用されています。1Fは静嘉堂文庫美術館。2Fの各部屋は重厚な造りで、戦前の大企業文化に触れるミュージアムです。

明治生命館

鉄道歴史展示室(港区)

汐留の「旧新橋停車場」内にあるミニ資料館です。外観から想像するより内部が小さい施設で、1Fから2Fへと階段を上がりながら常設展示を見学します。1872年に開業した駅舎の遺構を見学できる窓があります。2Fは企画展が開催されるスペース。鉄道の歴史というよりも、明治から昭和の文化史を紹介するミュージアムです。

鉄道歴史展示室

木材・合板博物館(江東区)

建材会社の本社ビル「新木場タワー」の3Fと4Fにある施設で、3Fは展示室、4Fは工作室です。人気施設で、夏休みの木工教室などのワークショップは満員、ほとんどの教室は抽選になる博物館です。ビルの1Fには、合板製の堀江謙一氏「マーメイド号」のレプリカを展示。他にもビル1Fと2Fは、見どころが多々あります。

木材・合板博物館

おりがみ会館(文京区)

安政5年創業の老舗が母体の施設です。1Fと中2Fが、芸術的な折り紙作品が展示されるフロア。3Fが世界最大級の折り紙売り場。5Fと6Fが折り紙教室です。組織的には博物館ではありませんが、それに準ずるユニークな観光文化施設です。

おりがみ会館

《大学のミュージアム》

東大建築ミュージアム(文京区)

小石川植物園の隣接地に建つ、明治9年に竣工した国の重要文化財「旧東京医学校本館」をリノベーションした博物館です。東大が所蔵する建築学系資料や民俗学系資料など、貴重な資料が展示されています。建物は重厚、展示品は貴重、そして外を眺めると小石川植物園の日本庭園エリアを眺望します。正式名称は「東京大学総合研究博物館小石川分館」。あくまで真面目なミュージアムです。

東大建築ミュージアム

健康と医学の博物館(文京区)

東大本郷キャンパス内にある東大医学部と東大病院の情報発信拠点です。常設展は医学の歴史を紹介。企画展と特別展が開催されます。「東大病院外来診療棟」の隣「南研究棟」の1Fにあり、綺麗に整備された中庭に面してカフェ&レストランが営業しています。知的なデートスポットとしても利用できるミュージアムです。

健康と医学の博物館

総合研究博物館本郷本館(文京区)

東大本郷キャンパス内にある東大による知のオープンラボで、東大が蓄積した標本資料が展示されます。キャッチコピーは「太陽系から人類へ」。屋外には「さざれ石」と「アインシュタインのエレベーター」を展示。館内常設展示は「コレクションボックス」「標本回廊」「学問の継承」「環境と生物」「モノの文化史」「無限の遺体」。最後は「時を刻む先端科学」です。本物の迫力に圧倒される博物館です。

総合研究博物館本郷本館

明治大学博物館・阿久悠記念館(千代田区)

神田駿河台の明治大学アカデミーコモンの地階にあります。明治大学博物館は「商品」「刑事」「考古」のパートに分かれ、常時2千点の資料を展示。「拷問」や「処刑」の道具の展示があります。阿久悠記念館は明治大学OBの阿久悠氏の遺族から寄贈された1万点の資料などが公開されています。ピンクレディーのレコードジャケットがあります。

明治大学博物館

演劇博物館・早稲田大学歴史館・會津八一記念博物館(新宿区)

新宿区の早大キャンパス内にある3つの博物館です。演劇博物館は英国の劇場を模した建物。坪内逍遥氏の胸像があります。早稲田大学歴史館は早大の歴史と人物を紹介。大隈重信氏の肉声が流れる展示コーナーがあります。會津八一記念博物館は日本美術、東洋美アイヌのコレクションなど、氏のコレクションを中心に貴重な資料が展示されます。

演劇博物館

東京理科大学二村記念館近代科学資料館(新宿区)

東京理科大学神楽坂キャンパスにある施設です。明治39年築牛込神楽坂校舎の外観を復元して建てられました。入館は無料。明治以後の科学の歴史と、貴重な資料が展示解説されています。地階は数学体験館。難解な数学を体験型の教材で学ぶ施設です。

東京理科大学二村記念館近代科学資料館

HOSEIミュージアム(千代田区)

法政大学九段北校舎の1Fが「ミュージアム・コア」。施設は大きくありませんが、デジタル展示が中心で、公開される情報量は膨大です。他のキャンパスの物理的な空間とデジタル空間をつなぐ施設とされています。

HOSEIミュージアム

明治丸記念館(江東区)

明治天皇が乗船したロイヤルシップ「明治丸」が公開保存されている東京海洋大学越中島キャンパス内にある「明治丸」を紹介する施設です。他にユニークな展示が面白い東京海洋大学の施設「百周年記念館資料館」もあります。「明治丸」は国の重要文化財指定。船内に明治天皇の御座所が復元されています。ここは穴場のミュージアムです。

明治丸記念館

國學院大學博物館(渋谷区)

國學院大學渋谷キャンパス内にある施設です。コンセプトは「日本のモノと心を知る」。「考古」「神道」「校史」がテーマの常設展示室と企画展示室があります。「考古」の展示コレクション数は圧倒されるほど。一般的な博物館とは視点が違う、神道に基づいた國學院大學による独自の切り口が新鮮なミュージアムです。

國學院大學博物館

文化学園服飾博物館(渋谷区)

学校法人文化学園を母体とする服飾専門の博物館です。年間に4本程度、企画展が開催されています。大学が学術研究の目的で収集した衣服や染織品を、様々な切り口で紹介します。専門性が高いのでファッションの専門家向けですが、どんな人でも楽しめる面白さもある博物館です。

文化学園服飾博物館

東京農工大学科学博物館(小金井市)

明治19年に農商務省の蚕病試験場に設置された「参考品陳列場」にさかのぼる東京農工大学の歴史がわかる博物館です。農工大は蚕糸業育成や繊維産業振興を担いました。館内には養蚕関連の資料、繊維の素材や機械などが展示されています。

東京農工大学科学博物館

《国家機関のミュージアム》

お札と切手の博物館(北区)

お札と切手を製造する国立印刷局の施設です。お札の歴史や偽造防止技術を紹介する真面目なコーナーと、1億円分の重さを持ち上げるなどの面白企画コーナーがあります。博物館のスタッフは、印刷局のベテランの皆さん。本気で学ぶ気があれば、長い経験と深い知識に基づいた詳しい解説をしていただけます。専門性の高いミュージアムです。

お札と切手の博物館

貨幣博物館(中央区)

こちらは日銀の隣にある貨幣の歴史や技術を紹介する施設です。和同開珎から大判小判、そして近現代の貨幣を時系列的に紹介しています。「千両箱を持ってみよう」など子供向き体験コーナーも少しはありますが、全般的に展示は地味で真面目。楽しむというよりは、貨幣を学ぶ人のためのミュージアムです。

貨幣博物館

南極北極科学館(立川市)

南極と北極で観測や研究をしている機関「国立極地研究所」内にある施設です。南極で活躍した雪上車や南極の隕石の展示、昭和基地のライブ映像などがあります。「体験コーナー」では、南極観測隊が使用する防寒具などを実際に着用できます。屋外にもインスタ映えする展示が多数あり。幼児から大人まで、皆で楽しめる科学館です。

南極北極科学館

憲政記念館(千代田区)

衆議院が所管する国会議事堂前にある施設です。議場体験コーナーなどがある常設展示室。そして企画展、特別展が開催される展示室があります。2018年に国立公文書館と合築されて移転することが決定。2022年春に代替施設に移転し、現在の建物は取り壊されます。現記念館の見学に行くなら、急いでください。

※2022年1月に移転のため閉館しました。

憲政記念館

国立ハンセン病資料館(東村山市)

出入口は別ですが、多磨全生園の敷地内にあります。薬がある現在では、治療を開始して数日もすると菌は感染性を失う病気ですが、らい予防法が廃止されたのが1996年。それまで続けられた隔離政策や差別の歴史、被害者の苦難、現在の世界の状況などを展示。偏見と差別の解消、患者・元患者の名誉回復を図る施設です。重いテーマと正面から対峙する資料館です。

国立ハンセン病資料館

《皇室由来のミュージアム》

明治神宮ミュージアム(渋谷区)

2019年に開館した明治神宮の新しい施設です。明治天皇と皇太后のおゆかりの品を保存、展示します。設計は隈研吾氏。神宮の森と調和した広々とした空間が魅力なミュージアムです。明治神宮の四季の魅力を紹介する映像コーナーはお薦めです。

明治神宮ミュージアム

昭和天皇記念館(立川市)

国営昭和記念公園内の「花みどり文化センター」の中に入る施設です。陛下のお人柄と業績、そして昭和の時代を偲ぶ記念館で、御椅子や御料車、マッカーサーと並んだ写真、陛下の研究成果など、おびただしい数の展示品があるミュージアムです。希少なオリジナル商品が並ぶミュージアムショップは見逃せません。

昭和天皇記念館

《戦争をつたえるミュージアム》

東京都復興記念館(墨田区)

横綱町公園内にある、昭和6年に開館した記念館で、建物は都の歴史的建造物です。1Fは関東大震災の資料展示。2Fは東京大空襲の資料と震災の資料の展示。二つの悲劇の事実と復興への努力を紹介します。展示品の多くは実物です。大正と昭和の史実を学ぶ、真面目なミュージアムです。

東京都復興記念館

東京都戦没者霊苑(文京区)

春日の高台にある施設で、太平洋戦争の「東京都遺族連合会」が管理運営しています。屋外には「鎮魂の碑」、展示室棟に「遺品展示室」があり遺族から預かっている約440点の遺品が展示されています。追悼と悲劇の伝承。不戦を誓う施設です。

東京都戦没者霊苑

平和祈念展示資料館(新宿区)

総務省委託、と冠される国の施設。新宿住友ビル内にあります。常設展示は、兵士のコーナー、戦後強制抑留コーナー、海外からの引き揚げコーナーで構成。リアルなジオラマは迫力があります。「労苦」を語り継ぐことがテーマの資料館です。

平和祈念展示資料館

しょうけい館(千代田区)

戦争によって怪我や病気をした人、戦傷病者と家族の、戦中戦後の労苦を承継することを目的に2006年に開館しました。野戦病院のジオラマ、使用された義足や車椅子の展示、証言映像シアターでは当事者の肉声を聞くことができます。図書閲覧室では戦傷病克服体験記録が閲覧できます。

しょうけい館

昭和館(千代田区)

太平洋戦争を主題にした九段下にある国立の博物館。戦争の労苦を次世代に伝えることがテーマのミュージアムです。昭和ではなく平成11年に開館した比較的新しい施設で、窓のない7階構造の印象的な外観が特徴です。有料展示室は6Fと7F。戦中戦後の労苦が展示解説されています。

昭和館

《水道関連のミュージアム》

水道歴史館(文京区)

東京都水道局の本郷庁舎内にある、東京の水道の歴史と現状を紹介する施設です。江戸幕府が開かれて約50年後に完成した玉川上水の解説。村山貯水池取水塔の実物大レプリカの展示。現在の都内水道供給ライン編成の解説などがあります。江戸から東京、400年間の水道の歴史を分かりやすく学べるミュージアムです。

水道歴史館

ふれあい下水道館(小平市)

本物の下水道管の中に入って体験ができる施設。日本で唯一とアピールしています。1Fのエントランスから「洞窟階段」を下りて、B2からB5の展示室を見学します。B5が下水管への入口です。強烈な臭気と目が痛くなるほどの刺激があるかもしれない、という注意書きがあるミュージアムです。

ふれあい下水道館

虹の下水道館(江東区)

有明スポーツセンターA棟の5Fにある東京都の施設。ここの地下は「有明水再生センター」。都の下水道施設があります。小学生の社会科見学に適した、下水道を学ぶ子供向きのミュージアムです。同じ建物の7Fには展望回廊があり、湾岸エリアの眺望を楽しめます。

虹の下水道館

《民間財団のミュージアム》

東洋文庫ミュージアム(文京区)

公益財団法人「東洋文庫」が運営するミュージアムで、一般向けに貴重書などを展示公開します。世界一美しい本棚「モリソン書庫」は必見、大きなガラス窓が美しい「オリエントホール」から見える中庭は「シーボルト・ガーデン」、その先には小岩井農場と協業する「オリエント・カフェ」があります。知と美が溢れるミュージアムです。

東洋文庫ミュージアム

古賀政男音楽博物館(渋谷区)

国民栄誉賞を贈られた音楽家の古賀政男氏の記念財団が運営する博物館です。常設展は、日本の大衆音楽の発展に寄与した様々な音楽家を顕彰する「大衆音楽の殿堂」と「古賀政男の世界」。古賀メロディーファンはもちろん、歌謡曲や演歌が好きな方にお薦めの穴場博物館です。

古賀政男音楽博物館

横山大観記念館(台東区)

画伯が居住し、作品を製作した邸宅が保存公開されています。不忍池のほとりに建つ木造2階建ての数奇屋風日本家屋で、国の史跡及び名勝に指定されています。室内には画伯の作品の展示もあり。記念館は画伯の遺族により設立された財団が運営。画伯の孫が理事長です。

横山大観記念館

切手の博物館(豊島区)

民営の郵便切手専門博物館です。1988年に切手蒐集家が私財を投じて運営財団を設立。運営は会員の切手マニアたちが支えています。コレクションは35万種。ミュージアムショップは切手マニア垂涎の品が並ぶ専門店。2F図書室には郵便切手に関する書籍が1万3千冊所蔵されています。毎月23日は「ふみの日」で入館無料。切手マニアの世界に触れることができるミュージアムです。

切手の博物館

以上、東京に数ある博物館のなかから、特にお薦めしたい個性的なミュージアムです。アクセスや開館日などの情報は、各施設のHPなどで確認してください。

(本稿は2021年7月に初稿を執筆しました)