東京都新宿区の早大キャンパス内には、「演劇博物館」「早稲田大学歴史館」「會津八一記念博物館」があります。3館とも入館無料です。それぞれのバリアフリー状況を紹介します。

早大キャンパスは通常期は出入り自由です。キャンパス内はスロープ対応などの改修が進み、ほぼ全域を車椅子で移動できます。

正面が階段構造の大隈記念講堂にも、車椅子用の出入口が設置されています。

○演劇博物館のバリアフリー状況
16世紀の英国の劇場を模した1928年築の「演劇博物館」もバリアフリー改修されました。3階構造ですがエレベーターが設置され、1Fにバリアフリートイレが新設されました。建物出入口には段差があります。

手前に車椅子利用者用のインターホンが設置されました。スタッフに連絡をして簡易スロープを設置していただき、館内に入ります。

各フロアの展示室は、一部の出入口に低いデコボコがありますが、すべて車椅子で観覧できます。

○早稲田大学歴史館のバリアフリー状況
2018年3月に新しいミュージアムが誕生しました。早稲田キャンパス1号館1Fを改装して「早稲田大学歴史館」がオープン。その名の通り早大の歴史と人物を紹介する施設です。新しいだけにバリアフリーな歴史館です。正門側の入口にスロープがあります。

館内はフラットな構造で、バリアフリートイレがあります。常設展示室は3つ。それぞれのエリア名は「久遠の理想」「進取の精神」「聳ゆる甍」です。他に企画展示室あり、大隈氏の肉声が流れる展示コーナーがあります。
カフェとミュージアムショップが併設されています。展示室内にあるクイズマシンに挑戦して早稲田博士になると、カフェの割引券が発行されます。
今回取材時は、早大OBと思われる方が肩が多数来場されていました。早稲田愛に溢れた目線で展示を見学しています。

〇會津八一記念博物館のバリアフリー状況
3つ目のミュージアムは元図書館を改装して1998年に誕生した「會津八一記念博物館」です。正面入口は段差がありますが、横に段差回避スロープが設置されました。

館内は改装されてバリアフリー仕様です。2フロア構造ですがエレベーターがあり、バリアフリートイレがあります。展示室内もフラットでワイドな通路設定で、車椅子での見学に大きな問題はありません。
會津八一氏は、東京美術史研究家で歌人にして書人。早大OBであり、大学講師も勤めました。私財を投じて蒐集したコレクションが4千点。この會津八一コレクションも含め、早稲田大学所蔵のコレクションの総数は現在1万8千点余。それらが展示される博物館です。
日本美術、東洋美術を中心に、アイヌのコレクションも充実。その時々の企画展示、特集展示が行われます。学術的に価値の高い博物館です。

3ミュージアムとも、大学休業期間は休館など、開館スケジュールはイレギュラーです。HPで開館スケジュールを公開しているので、チェックして利用してください。
早稲田大学本庄キャンパス内にある「本庄早稲田の杜ミュージアム」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年12月に加筆しました)