東京都八王子市にある、トラックとバスの歴史がわかるミュージアム「日野オートプラザ」は、車椅子で見学ができる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
大正9年のエンジン、昭和5年のバスなどが展示される、日野自動車の歴史資料館です。「日野自動車21世紀センター」内に設けられた、入場無料の施設です。
日野自動車の前身の会社が誕生したのは明治43年。トラックを独自開発したのは大正6年。この大正6年のトラックのレプリカが、エントランスに展示されています。まさに「トラックとバスの歴史がわかるミュージアム」です。
古い車やエンジンに興味のある人にはたまらない、趣味性、指向性の高い、ミュージアムです。シミュレーターなどの体験型施設はありませんが、一部の展示車両は乗車可能で、小さな子供が乗って遊んでいます。
アクセス方法です。電車利用の場合は、めじろ台駅からタクシーで10分という案内です。無料駐車場があり、一番手前の施設よりに身障者用駐車区画があります。場所は宅地開発が続く八王子丘陵の山の上。高級住宅地の中に突然現れるセンターです。現在のところ日曜日は閉館。土曜日は第二と第四が開館。平日と祝日は開館しています。
駐車場から施設へ向かいます。30mほどですが移動区間には屋根がありません。
最初の展示は「屋外展示」。屋外展示場自体は庇の下なので、雨天でも安心です。屋外展示されているのは、ダカールラリー参戦車「日野レンジャー」。日野自動車はトラック界のラリーの王様。ダカールラリーには、1991年以来連続出場連続完走、2016年で7連覇達成中です。屋外には昭和34年製のトラック、昭和49年製の消防車なども展示されています。
スロープを上り館内へ入ります。2フロア構成でエレベーターがあります。2Fに綺麗なバリアフリートイレが用意されています。見学ルートの途中に手動ドアを通る箇所もありますが、施設全般車椅子での見学は可能です。
展示順は2Fから。エントランスホールのエレベーターで2Fへ向かいます。2Fにはカフェがあり、車椅子での利用は可能です。
最初の展示は働く車の「ミニカータワー」や「ミニカージオラマ」。トミカのミニカー展示です。続いて「日野自動車の歴史」、「映像コーナー」、「企画展示コーナー」と、真面目なコーナーが並びます。いずれの展示も車椅子で見学できます。
この先は2フロア吹き抜け構造のメイン展示フロアの上部になり、通常は「スロープギャラリー」を下りながら1Fへ下ります。この「スロープギャラリー」は、それほど急なスロープではありませんが、車椅子での利用は危険と案内されています。車椅子では、エレベーターに戻って、1Fへ下りてください。
1Fに戻り、エントランスとは反対側の、研修センター側の手動ドアを開けて、建物横の通路を進みます。ここへの入口も手動ドアで、少し段差があります。車椅子では慎重に進んで下さい。これで1Fの展示コーナーに入ることが出来ます。
1F展示のバリアフリー状況です。メイン展示フロア内には、日野自動車が乗用車を生産していたころの「日野ルノー4CV」、「コンテッサ」、オート三輪車「ハスラー」などが展示。昭和41年にトヨタ自動車と提携して乗用車部門から撤退したので、昭和30年代以前の車たちです。昭和41年製のボンネットバスの展示もあります。
そして昭和30年代から現在までのエンジンが展示されています。別棟の「黎明期のエンジン」コーナーには、最も古いもので大正9年製の航空機エンジンの展示があります。1Fの展示もすべて車椅子で見学できます。
日野オートプラザは、展示内容に興味がある人にとっては、とても面白い博物館です。開館日を確認して利用して下さい。
別稿で「自動車博物館 いすゞプラザ 車椅子見学ガイド バリアフリー情報」を掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2016年11月の取材に基づいています)