高尾山 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

「世界一登山客の多い山」は、無理のない範囲なら車椅子観光が楽しめます。東京都八王子市の高尾山および周辺のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2015年11月の取材で初稿を執筆し、2019年10月に加筆修正しました。

高尾山

○車椅子での観光範囲

京王線高尾山口駅は改装されてバリアフリーです。駅構内に障害者用トイレがあります。

京王線高尾山口駅

また駅に隣接して有料駐車場があります。

駅に隣接する日帰り温泉「極楽湯」は2015年に開業した施設です。

日帰り温泉「極楽湯」

高尾山口駅およびその周辺は、車椅子で問題なくアクセスできます。

高尾山の自然を紹介する博物館「TAKAO599MUSEUM」はバリアフリー仕様です。車椅子で問題なく利用できます。

高尾山を登るケーブルカーは、車椅子での利用が可能です。山腹の「高尾山駅」までは、誰でも車椅子で行くことができます。

高尾山を登るケーブルカー

ここから先は、車椅子でどこまで無理をするかです。山頂まで決定的な段差は回避できるルートがあります。ただし途中には未舗装の急坂路があります。

山頂のすぐ下には、障害者用トイレがあります。

高尾山

○TAKAO599MUSEUMに立ち寄る

駅および周辺駐車場から、土産屋や飲食店が並ぶ「もみじ通り」を通り、バリアフリー博物館「TAKAO599MUSEUM」を目指します。「599」は高尾山の標高です。

TAKAO599MUSEUM

この間のルートは完全なフラット路面ではありませんが、一般的な車椅子利用者なら十分に通行が可能な舗装路面です。

元は「都立高尾自然博物館」でした。1959年に開館した施設で、老朽化により2004年に閉館となりました。

2005年から八王子市で跡地活用の検討が始まり、2012年にこの企画が決定。2013年から2年がかりで建築され、2015年に「TAKAO599MUSEUM」が開館しました。

入館無料の施設で、段差がない仕様です。障害者用トイレは1Fと2Fにあります。

高尾山に生きる、植物、昆虫、蝶などの標本展示があります。展示台だけでではなく「プロジェクションマッピング」の仕掛けがある壁面も利用して、高尾山の象徴「ムササビ」が飛び、「イノシシ」が走り、「サル」が騒ぎます。

TAKAO599MUSEUM

他にカフェ、ショップ、情報ガイド、休憩コーナー、キッズコナーなどがあります。

 

○博物館からケーブルカー駅へ

「TAKAO599MUSEUM」で高尾山の勉強をして、そしてトイレを借りて、次は「表参道」経由で「もみじ広場」へ向かいます。

ここまでのルートは、一般的な車椅子利用者なら十分に通行が可能な舗装路面です。

博物館からケーブルカー駅へ

「もみじ広場」の奥に、ケーブルカー「清滝駅」があり、スロープ利用で車椅子乗車ができます。

ケーブルカーの運賃は障害者減免制度があります。障害者手帳の提示で、本人と介助者1名の運賃が、約半額に減免されます。

ケーブルカー「清滝駅」

ケーブルカー「清滝駅」

○ケーブルカーで山腹の高尾山駅へ

ケーブルカーに乗り、山腹の「高尾山駅」へ登ります。

この駅では車椅子専用のエレベーターを利用して駅舎を出ます。

山腹の高尾山駅

山腹の「高尾山駅」

駅から「高尾山さる園・野草園」「たこ杉」のあたりまでは、舗装された緩い傾斜路です。少し頑張れば、車椅子で行くことができます。

高尾山さる園・野草園

ちなみに、メインの登山路である表参道「1号路」は、「高尾山駅」まで、全面舗装路で若干のデコボコやゴツゴツはありますが、致命的な段差はありません。

その気になれば車椅子で登山可能ですが、それなりの急坂でしかも長距離。一般的な車椅子利用者の限界を超えるルートです。ケーブルカーの利用をお薦めします。

表参道「1号路」

○車椅子の難所は薬王院

次は「女坂」経由で「高尾山薬王院」を目指します。

高尾山薬王院

一般のガイドブックでは「女坂」は緩やかと形容されますが、車椅子利用だと相当ハードな急坂です。

ただ「1号路」とは違い絶対距離が短いので、気合次第でどうにかなる可能性はあります。下り道も怖い傾斜です。帰りの「女坂」は車椅子のブレーキ性能が問われます。

「高尾山薬王院」に到着したとします。「御本殿」は階段の上です。車椅子での参拝は「仁王門」の下からになります。

高尾山薬王院

健常者の山頂への通常ルートは、この「高尾山薬王院」の中の階段を走破するルートです。車椅子では絶対に無理なルートなので、迂回路に進みます。

高尾山薬王院

この迂回路は未舗装の強烈な急坂です。普通の人は車椅子での登坂は無理です。車椅子で挑戦する場合は、相当の覚悟と、最強の介助者が必要です。

ここを突破すれば、もうそこは山頂のすぐ下です。

高尾山薬王院

○山頂周辺のバリアフリー状況

薬王院を過ぎると山頂はもうすぐです。

山頂のすぐ下の地点に公衆トイレがあり、障害者用トイレが用意されています。

トイレから山頂までは、あと坂一つです。それなりの坂道ですが、ここまで来られる人にとっては何でもないレベルの坂です。

山頂の広場は「十三州大見晴台」。未舗装路面ですが、ほぼフラットな路面です。

車椅子でも見学可能な「都立高尾ビジターセンター」もあります。

都立高尾ビジターセンター

都立高尾ビジターセンター

弁当をこの山頂でいただくのが、高尾山登山の定番です。お昼時には、お弁当を広げた登山者で山頂広場が埋まります。

山頂から先に「奥高尾」方面への登山路が続きますが、階段ルートなので車椅子では進めません。山頂までが車椅子での限界です。

山頂の広場は十三州大見晴台

一般的な車椅子利用者は、山頂までの登山は無理です。ケーブルカー利用で、無理のない範囲での観光をお薦めします。それだけでも十分に高尾山の自然を車椅子で楽しめます。

東京で唯一の道の駅 八王子滝山 車椅子からみたバリアフリー情報

道の駅八王子滝山は、車椅子で新鮮野菜や地元名産品の買い物ができる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2013年7月の取材に基づき、2019年7月に再編集しました。

 

○車でのアクセスは良好

中央自動車道路の八王子ICから、車で5分程度の立地です。住所は東京都ですが、地場産の新鮮野菜や鶏卵、牛乳など、八王子の豊かな農産物と出会える道の駅です。

 

○障害者用駐車区画は2台分

駐車場は第一と第二に分かれます。障害者用駐車区画は第一駐車場に2台分用意されます。

週末など混雑時は、駐車場誘導スタッフがいます。第一駐車場が満車の場合、第二駐車場に誘導されますが、車椅子利用をスタッフに申告相談して下さい。障害者用駐車区画が空いていれば、第一駐車場に入場できます。

 

○車椅子での買い物に問題なし

2007年に供用が開始された道の駅です。バリアフリー設計が始まってからの施設なので、車椅子での利用に大きな問題はありません。障害者用トイレは1つ用意されます。

ショップ内はフラット構造で、店内通路幅な車椅子での通行が可能な余裕があります。

車でのアクセスは良好

○産物の多さが楽しい

販売される新鮮野菜、加工品、惣菜などは品揃え豊富です。八王子には牧場があり、ミルク、アイスクリームなども地場品です。老舗がつくる伝統の銘菓や地酒もあります。

 

「道の駅八王子滝山」は東京都にある道の駅ですが、一般的な道の駅と同じイメージで、産直や物産の買い物を車椅子で楽しめます。