埼玉県さいたま市にある「造幣局さいたま支局」内に、入館無料の博物館「造幣さいたま博物館」があります。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは「さいたま新都心」駅から徒歩12分の案内です。一般来館者用の駐車場はありませんが、団体バス用の駐車場があり、身障者に限り個人利用でも駐車場を利用できます。電話による事前予約制で、氏名、人数、来館日時、車種、ナンバーなどが確認されます。
駐車場の入場口は、強固なセキュリティシステムで守られている造幣局の正門です。閉じられている門扉の前にハザードランプを点滅させて停止します。守衛さんが車を確認し、門扉を自動操作で開き、敷地内に車を誘導します。その先にはまだ巨大な車止めがあり、この段階では敷地内へ車を進めることができません。
車止めの手前で、駐車場の利用方法の説明を受けて、駐車許可書をいただきます。許可書はダッシュボードの上の見える場所に置き、退館時に返却します。
一般的な身障者用駐車スペースはなく、バス用の駐車スペースを利用します。駐車スペースはバス5台分あり、駐車許可書に指定された区画に駐車します。気を付けるべき注意事項は、指定場所に駐車しても、博物館スタッフが案内に来るまでは、車内で待つこと。セキュリティ対策が厳格に運用されています。
ここまでの説明を受けてから、指差し確認をして、別の守衛さんが巨大な車止めを自動操作で沈めます。守衛さんの指示に従い、駐車場へ車を移動させます。
団体バス用の駐車場から博物館の裏側の入口までは、フラットな舗装路面が整備されています。
団体客用の記念撮影スポットが用意されています。博物館の裏口は鍵がかけられていて、一般来場者は出入りができません。したがってこの記念撮影スポットは、バスで来館した団体客と、駐車場を利用した身障者しか利用することが出来ません。
今回取材時は、博物館の裏側の入口で、検温、手指消毒を行いました。裏入口の近くにバリアフリートイレがあります。
スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイトが備えられています。ユニバーサルベッドはありません。
1Fエントランスホールにある受付に移動して、簡単な記帳します。取材時の来館ルールは、15名以上の団体は事前予約が必要、14名以下は事前予約不要で見学できます。
受付で入館証明シールをいただき、体の見える場所に貼ります。シールは1枚ごと番号が記載されています。博物館の正面出口にシールを貼るシートがあり、退館する際には、自分の番号を指定の場所に貼って帰る運用ルールです。駐車場を利用している身障者も、シールを貼ってから、スタッフの誘導を受けて裏口から退館します。
受付の近くに、博物館および造幣局のパンフレットが置かれています。自由に持ち帰りできます。
1Fには開放的な構造のビデオルームがあり、造幣局の歴史や仕事を紹介する映像がリピート放映されています。最初にビデオをみてから博物館を見学すると、より理解が深まるでしょう。
博物館は2F。2Fは中央部が吹き抜け構造です。一般見学ルートは階段を上がり、博物館展示室に入ります。
車椅子利用者はエレベーターで上がります。エレベーターのかごのサイズは一般的なサイズで、普通サイズの車椅子は余裕で乗り込めます。平日は工場見学ができます。その場合はエレベーターで、もう一つ上の乗降フロアまで上がってください。
博物館展示室の入です。まったく段差のない構造で、車椅子で問題なく見学できます。
昔の天秤の展示。精巧な計りです。
造幣の歴史を紹介します。
貨幣の製造工程の紹介。写真では分かり難いのですが、展示ケースの下部は、車椅子の足先が入るスペースが確保されています。
最新の記念硬貨の展示。
ビジュアル的に凝った演出の展示もあります。
スペースに余裕があるので、車椅子で問題なく見学ができます。
1Fでミュージアムショップ「ミントショップ」が営業しています。記念硬貨のセット、造幣せんべい、和銅最中などが販売されています。
造幣さいたま博物館は車椅子で見学できます。そして団体バスと身障者に限り、駐車場を利用することができます。
東京都北区、王子駅の近くにある「お札と切手の博物館」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年11月に執筆しました)