埼玉県本庄市にある郷土の偉人、江戸時代の国学者「塙保己一」を紹介する入館無料の記念館です。公共施設「アスピアこだま」内に、2015年にリニューアルオープンしました。
児玉駅から徒歩10分の案内。記念館がある一帯は、中世に築かれた「雉岡城」があった丘陵で、周辺の道路はアップダウンがあります。
車利用の場合は「アスピアこだま」の無料駐車場が利用できます。ブルーペイントされた身障者用駐車スペースが屋根なしで2台分用意されています。
駐車場から記念館のエントランスまでは、フラットな舗装路面を通行します。
記念館の入口は自動ドア。ドアの下部などに気になる段差はありません。
館内に入ると受付があり、簡単な記帳をして入館します。バリアフリートイレは受付の先右側にあります。スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。
記念館内には、大きなガラス面があるホワイエと展示室があります。ホワイエには映像コーナーがあり、塙保己一を紹介する複数のプログラムが用意されています。展示室に入る前に、映像コーナーで事前学習をしたほうが、展示内容の理解が深まるはずです。
展示室内には、「群書類従」に関する資料、保己一の愛用品、各種の書簡などが展示されています。展示に派手な演出はありません。本物の資料を粛々と展示解説しています。
ホワイエには、昭和12年にヘレンケラーが来日した際に「母から塙保己一先生を手本にしなさいと教えられた」と語ったことが、展示紹介されています。
塙保己一は1746年、武蔵国児玉郡保木野村生まれ。病気により7歳で失明。12歳で母親が死去。15歳でこの地から江戸に出て盲人一座である「当道座」に入門しました。「群書類従」の編纂を始めたのは34歳のとき。その後盲人一座のトップ「総検校」となり、76歳で没しました。
八角形の展示室内部の手すりは、「群書類従」の版木と同じ材質の木材が使用されているそうです。大規模ではありませんが、塙保己一記念館は質の高いバリアフリーな施設です。
(本稿は2021年6月に執筆しました)