埼玉の産直 本庄あおぞら館直売所 車椅子買物ガイド バリアフリー情報

埼玉県本庄市にある「JA埼玉ひびきの」の農産物直売所です。50台以上を収容する広い駐車場があり、店舗入口近くに2台分身障者用駐車スペースが設けられています。

本庄あおぞら館直売所

駐車場から店舗にかけて段差のないフラットな構造、車椅子で買い物ができるバリアフリーな店舗です。地元の新鮮野菜と各地のJAからの仕入れ品を販売しています。今回取材時は地元産のキュウリ、トマト、やまといもなどが豊富に並んでいました。

本庄あおぞら館直売所

トイレは外側から利用する構造です。

本庄あおぞら館直売所

バリアフリートイレは一般的なサイズの個室ですが、洗面台に固定されたバーがあるためデッドスペースが生じ、車椅子1台がなんとか入るトイレです。ウォシュレット付き便器が備えられています。

本庄あおぞら館直売所

本庄あおぞら館直売は、車椅子で買い物ができるバリアフリーな農産物直売所です。

(本稿は2023年5月に執筆しました)

地元出身の偉人、江戸時代の国学者を紹介する「塙保己一記念館」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ご参照ください。

本庄の絹産業遺産 競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

埼玉県本庄市にある明治時代の絹産業遺産。埼玉県指定文化財で無料公開されている施設です。内部も見学できますが、段差がある構造なので、車椅子では内部見学はできません。内部見学ルートの途中には、数段の階段を上がって下りる箇所があるので、見学には階段を通過できる運動能力が必要です。しかし外観の見学には十分なバリアフリー対策が施されています。現地の状況を紹介します。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

アクセスと駐車場の状況です。児玉駅から200ⅿ、徒歩3分の案内。この間のルートはフラットな地形で、アップダウンはありません。駅から車椅子でのアクセスは可能です。

車利用の場合は、来館者用無料駐車場が用意されています。収容台数は普通車21台、バス2台、それに加えてブルーペイントされた身障者用駐車スペースが屋根なしで2台分用意されています。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

駐車場に公衆トイレがあり、バリアフリートイレが設置されています。このトイレは不正利用防止のために施錠されています。使用したい場合は、競進社模範蚕室の受付スタッフに申請してください。すぐに対応していただけます。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

駐車場から競進社模範蚕室の前庭やその周囲にかけて、まったく段差のないフラットな構造です。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

路面の整備状況がよく、快適に車椅子で移動できます。競進社模範蚕室の外観は、正面から、横から、裏から、全方位問題なく車椅子で見学できます。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

内部見学の入口には、段差回避スロープが設置されています。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

ただしここまでです。一歩館内に入るとすぐに段差があります。また内部見学は土足禁止。用意されているスリッパに履き替えます。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

この施設に関わる歴史、建物の構造、用いられた養蚕技術などの知識があると、見学の理解が深まります。

現地には2つの解説版が建っています。一つは「本庄市及び周辺の絹産業遺産」。エリア一帯の地理歴史が分かります。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

もう一つは「競進社模範蚕室」。展示公開されている建物の構造とそこで用いられた養蚕技術、また建物の歴史が解説されています。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

外観しか見学できない人にお薦めのチェックポイントです。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

胸像は競進社社長で、独自の養蚕技術を開発し、その教育普及に努めた木村氏です。屋根の上にある4つの高窓は、湿度調節のための工夫。内部の湿気がここから排出されます。

建物からつながる4本のスロープは、作業効率を高める工夫。スロープの後ろ、建物の下部にある木製の窓のようなものは、主に吸気をするための換気口です。この奥の建物の床下に暖房のための炉があります。

内部の様子も少々紹介します。この廊下は温度湿度を調節するために設けられた調整空間兼作業スペース。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

蚕室の床にある穴から、床下の炉の暖気が上がります。

競進社模範蚕室 車椅子見学ガイド

段差をクリアできる人しか内部見学は出来ませんが、施設の周囲はバリアフリー仕様です。競進社模範蚕室は外観見学だけでも、訪れる価値のある絹産業遺産です。

(本稿は2021年6月に執筆しました)

盲目の国学者 塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

埼玉県本庄市にある郷土の偉人、江戸時代の国学者「塙保己一」を紹介する入館無料の記念館です。公共施設「アスピアこだま」内に、2015年にリニューアルオープンしました。

児玉駅から徒歩10分の案内。記念館がある一帯は、中世に築かれた「雉岡城」があった丘陵で、周辺の道路はアップダウンがあります。

車利用の場合は「アスピアこだま」の無料駐車場が利用できます。ブルーペイントされた身障者用駐車スペースが屋根なしで2台分用意されています。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

駐車場から記念館のエントランスまでは、フラットな舗装路面を通行します。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

記念館の入口は自動ドア。ドアの下部などに気になる段差はありません。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

館内に入ると受付があり、簡単な記帳をして入館します。バリアフリートイレは受付の先右側にあります。スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

記念館内には、大きなガラス面があるホワイエと展示室があります。ホワイエには映像コーナーがあり、塙保己一を紹介する複数のプログラムが用意されています。展示室に入る前に、映像コーナーで事前学習をしたほうが、展示内容の理解が深まるはずです。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

展示室内には、「群書類従」に関する資料、保己一の愛用品、各種の書簡などが展示されています。展示に派手な演出はありません。本物の資料を粛々と展示解説しています。

ホワイエには、昭和12年にヘレンケラーが来日した際に「母から塙保己一先生を手本にしなさいと教えられた」と語ったことが、展示紹介されています。

塙保己一は1746年、武蔵国児玉郡保木野村生まれ。病気により7歳で失明。12歳で母親が死去。15歳でこの地から江戸に出て盲人一座である「当道座」に入門しました。「群書類従」の編纂を始めたのは34歳のとき。その後盲人一座のトップ「総検校」となり、76歳で没しました。

塙保己一記念館 車椅子観覧ガイド

八角形の展示室内部の手すりは、「群書類従」の版木と同じ材質の木材が使用されているそうです。大規模ではありませんが、塙保己一記念館は質の高いバリアフリーな施設です。

(本稿は2021年6月に執筆しました)