埼玉県嵐山町の埼玉県立「嵐山史跡の博物館」は、2018年に続日本100名城に認定された、国指定史跡「菅谷館跡」の中に建つ博物館です。「菅谷館跡」は、平安末期の畠山重忠の館から、戦国時代末期の後北条氏の城郭までの館跡がある史跡です。またこの場所からは、縄文・弥生時代の遺跡も発掘されているので、古くから人類活動の場であったことが解っています。
嵐山史跡の博物館は、地元の中世城館史跡に絞った専門博物館で、1976年築の施設です。車椅子からみた、現地のバリアフリー状況を紹介します。
嵐山駅から徒歩15分の案内。アクセスは車が便利です。無料駐車場があります。身障者用駐車スペースは、エントランス近くに1台分用意されています。
身障者用駐車スペースは一般駐車場からは見えませんが、車で博物館に向かう歩行者用の通路を進みます。エントランス前に駐車スペースが確保されています。空いていればそのまま使用するルールです。
ただし無断での駐車ではなく、身障者用駐車スペースを使用した場合は、事務所の連絡するように案内されています。
博物館のテーマは地元の中世城館史跡及び資料の管理、保存、研究で、毎年企画展が開催されます。企画展がない期間は、常設展が公開されます。今回取材時は、企画展「実相忍びの者」が開催されていました。
入館料の障がい者減免制度があり本人と介助者1名が無料に減免されます。
1976年築の建物ですが、改装されて各所にスロープ対応があります。元々がかなり段差がある建築なので、一部には強引なスロープ改修もありますが、元気な車椅子利用者なら通行可能です。
エントランスには段差があるので、迂回スロープを通行して入館します。
館内に入ってから、傾斜路をほぼワンフロア下がりますが、ここもエレベーターではなく、スロープ対応です。
そこから展示室方面へは、上りスロープを通ります。
このようにスロープを上下移動して受付に到着します。受付に障害者手帳等を提示して入館手続きを行います。
バリアフリートイレは、受付の近くに用意されています。
設備は更新されている綺麗なトイレです。
展示室内はバリアフリー仕様で、スロープの必要もないフラット構造です。館内の通路や小ホールなどに、スポット展示があります。車椅子での見学は可能な構造です。
博物館内の通路から、屋外の菅谷館跡への出入口があります。手動ドアを開けて出るところまでは車椅子で可能ですが、その先はデコボコがひどい未舗装路面です。
「嵐山史跡の博物館」は、テーマが絞られた専門博物館です。このカテゴリーに興味のある方にお薦めします。すぐ近くにある「鎌形八幡」は、本殿が階段の上にある神社です。境内まで車で入ることが出来る、厳かな雰囲気の古い社です。
(本稿は2021年8月に書き直しました)