さきたま古墳公園・史跡の博物館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

さきたま古墳公園・史跡の博物館 バリアフリー情報

埼玉県行田市の「さきたま古墳公園」は、9基の大型古墳がある「埼玉古墳群」を中心に整備された公園です。そして出土した国宝が展示される「さきたま史跡の博物館」があります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

さきたま古墳公園・史跡の博物館

5世紀から7世紀ごろにかけてつくられた古墳が群集するエリアが、公園として整備されています。

公園の概要

古墳の間を通る平坦な舗装路から、車椅子で大型古墳の実物を観ることが出来ます。

史跡の博物館は障害者減免あり 公園内にある「さきたま史跡の博物館」は、車椅子で国宝が見学できる施設です。

さきたま史跡の博物館

合計で300台以上を収容する無料駐車場があり、身障者用駐車区画が3カ所に計8台分用意されます。公園は道路を挟み南北に分かれます。北エリアには5つの大型古墳と「将軍山古墳展示館」、そして「さきたま広場」「古代の草原」などの自由広場があります。

さきたま史跡の博物館

南エリアには3つの大型古墳と「さきたま史跡の博物館」、そして「移築民家」とレストハウスなどがあります。

さきたま史跡の博物館

来園者用の駐車場は、北エリアに2か所、並ぶように用意されています。

「さきたま広場」寄りの西側駐車場には、「新レストハウス」の近くに身障者用駐車区画が用意されています。ここが公園全体のほぼ中心点になります。公園のどの方面に向かっても、最大で約300mの距離。公園全体を徒歩で散策するなら、この「新レストハウス」に近い身障者用駐車区画の利用が合理的です。

駐車場のバリアフリー状況

東側に隣接する駐車場の身障者用駐車区画は、駐車場の最も奥、北側に用意されています。ここは「丸墓山古墳」や「稲荷山古墳」「二子山古墳」の見学に便利です。

駐車場のバリアフリー状況

「将軍山古墳展示館」に行く場合は、「将軍山古墳」近くの駐車場が便利です。現時点では案内図に載っていない駐車場ですが、現地で確認したところ、正式な駐車場です。身障者用駐車区画はありません。

「さきたま史跡の博物館」のエントランス前に、身障者用駐車区画が1台分あります。ここへのアクセスは、博物館の西側の細い路地から博物館を廻るように進みます。路地の入口に車椅子マークの掲示があります。

駐車場のバリアフリー状況

公園内の各所にある公衆トイレに、バリアフリートイレが用意されています。

障害者用トイレの状況

現時点でもっとも新しいトイレは「新レストハウス」のトイレです。

「さきたま史跡の博物館」内にも、バリアフリートイレがあります。取材時点では、設備更新されていない古い印象を受けるトイレでした。

障害者用トイレの状況

確認できた限り、各トイレにはユニバーサルベッドはありません。

大型古墳見学のバリアフリー状況です。すべての大型古墳に、近づいて見学が出来る散策路が整備されています。ただし、ほとんどの散策路は途中で未舗装路になります。車椅子でどこまで各古墳に近づけるかは、その人の悪路走破能力次第です。

新レストハウスはバリアフリー

「将軍山古墳」と「瓦塚古墳」の周囲は、舗装された一般道しかないので、車椅子でも健常者と同じ道から見学することになります。

大型古墳見学のバリアフリー状況

「丸墓山古墳」と「稲荷山古墳」には、古墳の上を通る散策路がありますが、階段路です。

古墳の周囲を車椅子で散策 車椅子での一般散策路の通行は限界がありますが、無理なく移動できる範囲からでも、大型古墳を見学することが出来ます。

大型古墳見学のバリアフリー状況

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況です。博物館はスロープ設置などバリアフリー改修済みで、全館車椅子で利用できます。展示室はワンフロア構成で「国宝展示室」と「企画展示室」があります。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。主に古墳からの出土品が展示される「国宝展示室」は、すべての展示が車椅子から見やすいケースが使用されています。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

車椅子からの低い目線でも、問題なくすべての展示が見学できます。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

「企画展示室」はその企画次第ではありますが、今回取材時の展示は、車椅子で問題なく見学できました。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況です。「将軍山古墳」内にある「将軍山古墳展示館」は、「さきたま史跡の博物館」の分館になる施設です。有料施設ですが「さきたま史跡の博物館」の入館券で観覧できます。追加料金は発生しません。本館と同様の障がい者減免制度があります。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

実物の横穴式石室を建物の中から見学する施設です。入口が1Fで横穴式石室は2Fにあり、階段で上ります。スロープやエレベーターはありません。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

そのため1Fにモニターがあり、2Fの横穴式石室の様子を映像で見ることができます。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

さきたま史跡の博物館の隣接地に「移築民家」の展示があります。江戸時代末期の農家「旧遠藤家住宅」で、無料公開されています。敷地に入る箇所からデコボコのある未舗装路面です。民家は段差構造で車椅子では外観の見学になります。

移築民家のバリアフリー状況

さきたま古墳公園は、車椅子で本物の古墳を見学できる公園です。さきたま史跡の博物館は、車椅子で国宝を見学できます。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)

なお行田市の中世のお城「忍城」の情報は、別稿を参照してください。

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