行田 忍城と水城公園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

埼玉県行田市の中心部にある「忍城」と「水城公園」は、中世からの歴史を伝える観光スポットです。車椅子からみた、現地のバリアフリー状況を紹介します。

忍城

忍城の概要です。石田光成の水攻めで有名な忍城の三階櫓が再現されています。

忍城の概要

この施設は1988年に開館した「行田市郷土博物館」の一部です。櫓の周囲には城壁や城門、鐘楼などが再現されています。

忍城の概要

敷地内の見学は無料です。郷土博物館内の見学は有料ですが、観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。

行田市郷土博物館

アクセスは車が便利です。第1と第2の2つの無料駐車場があります。行田市郷土博物館に近いのは、第2駐車場です。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

第2駐車場には屋根無しの身障者用駐車区画が1台分用意されています。今回取材時そこは満車でしたが、駐車場誘導スタッフの方が、車椅子で乗降しやすいスペースに誘導していただけました。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

第2駐車場から郷土博物館エントランスまでは、すべて舗装路で段差回避スロープが設けられています。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

郷土博物館の周囲を一周するルートは、途中に小さなデコボコがあるルートですが、車椅子で通行できない決定的な段差はありません。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

郷土博物館の敷地の外側から、忍城の三階櫓の全貌が見学できますが、裏門から出る箇所と城門から入る箇所は、車椅子では通行できない段差があります。

駐車場から博物館周辺のバリアフリー状況

スロープを上り郷土博物館内へ入ります。

郷土博物館内のバリアフリー状況

受付で障害者手帳等を提示して入館手続きをします。バリアフリートイレは展示室入口の手前にあります。設備更新されている綺麗なトイレです。トイレ内にユニバーサルベッドはありません。

1F展示室はフラット構造です。行田の歴史、民俗、文化について詳しい展示があります。車椅子での観覧に大きな問題はありません。

郷土博物館内のバリアフリー状況

1F展示室の先に、忍城の三階櫓につながる渡り廊下のような連絡通路があります。三階櫓は2Fと3Fが展示フロアで、最上階は展望室になっています。しかしエレベーターはなく階段だけです。車椅子では三階櫓の内部は見学できません。

郷土博物館内のバリアフリー状況

水城公園の概要です。忍城の三階櫓と水城公園は、徒歩で移動するには距離があります。

水城公園の概要

水城公園には大きな無料駐車場があり、広くて整備された身障者用駐車区画が3台分用意されています。

水城公園

敷地内には「行田公民館」があり、開館していればスロープで入館可能です。駐車場に隣接する大きな池は「しのぶ池」。その周囲にフラットな舗装路があり、車椅子で散策できます。

水城公園

ただし車椅子では通行できない散策路もあります。水城公園全域の車椅子散策は困難です。無理のない範囲での利用になります。

水城公園

道を渡った場所にあるレトロな建物は「旧忍町信用組合店舗」で、現在はグルメ店として営業しています。スロープがあり1Fは車椅子で利用可能です。

旧忍町信用組合店舗

その横の「あおい池」は「ホテイアオイ」が栽培されている池です。この池の横も車椅子で通行可能な舗装路があります。季節には綺麗な花を楽しめます。

ホテイアオイ

「忍城」の三階櫓の内部は車椅子では利用できません。「水城公園」は車椅子では散策できないエリアもあります。以上のポイントを除けば、行田市の「忍城」と「水城公園」は、車椅子で楽しめる観光スポットです。

なお行田市の観光名所「古代蓮の里」の情報は別稿を参照してください。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)

行田 古代蓮の里 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

埼玉県行田市の「古代蓮の里」は、車椅子で花蓮が楽しめる公園です。そして展望タワーから「田んぼアート」が楽しめます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

古代蓮の里

14haの面積がある大きな公園です。園内には水路と池が整備され「古代蓮」など花蓮が栽培されています。公園の散策路はほとんどがバリアフリー仕様で、車椅子での通行は可能です。

有料施設の「古代蓮会館」は、行田の自然や古代蓮の紹介をする「展示室」、高さ50mの「展望室」、他に休憩室、研修室で更生される施設です。バリアフリー仕様で車椅子での利用は可能です。他に「売店」「うどん店」無料の「休憩室」があります。

施設の全体概要

「古代蓮会館」の入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。有料施設と障害者減免制度

駐車場は通常期は無料ですが、蓮の開花シーズンは有料になります。駐車料金は障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で駐車料金は無料に減免されます。

、蓮の開花シーズン

公園内に公衆トイレが4棟あり、その内3棟にバリアフリートイレがあります。また「古代蓮会館」の1Fにバリアフリートイレが用意されています。

「南駐車場」と「北駐車場」があります。メインの駐車場は「南駐車場」です。

駐車場のバリアフリー状況

「南駐車場」の身障者用駐車区画は、駐車場入口の右側方面に、2か所に分かれて用意されます。駐車場は公園施設よりも低い位置にあり階段で上りますが、身障者用駐車区画の近くにはスロープ路があります。

駐車場のバリアフリー状況

屋外公園の散策路は舗装路で極端な傾斜はなく、ほぼ全域を車椅子で散策できます。

屋外公園のバリアフリー状況

古代蓮池の中を渡る木製橋は、車椅子で利用できるフラットな構造です。

屋外公園のバリアフリー状況

公園には蓮だけではなく、ロウバイ、梅、ボタン、桜など、多様な花木が植栽され、四季折々の花を楽しめます。南駐車場の横は「世界の蓮園」で、40種類以上の蓮が栽培されています。

屋外公園のバリアフリー状況

古代蓮会館のバリアフリー状況です。エントランス周辺はフラットな舗装路面です。館内に入るとすぐに受付があります。ここで障害者手帳等を提示して入館料を支払います。

エントランスからみて左側が休憩室です。余裕のあるスペース、フラットな床面に、可動式のテーブルと椅子が配置されています。車椅子で利用できます。

古代蓮会館のバリアフリー状況

エントランスの右奥が「展示室」です。

古代蓮会館のバリアフリー状況

映像コーナー、ジオラマ展示、古代蓮の解説展示などがある内容の濃い展示室です。車椅子で問題なく展示を観覧できます。

古代蓮会館のバリアフリー状況

エントランスの最も奥に「展望室」へ上るエレベーターが1基あります。定員は11名の中型エレベーターで、一般的な車椅子が2台から3台収用できるサイズです。

展望タワーのバリアフリー状況

展望室は円形で、フラットな床面に、低い位置からのガラス窓。車椅子から問題なく眺望を楽しむことができます。

展望タワーのバリアフリー状況

田んぼアートは2015年に「世界最大の田んぼアート」としてギネスに認定されました。鑑賞時期は例年7月中旬から10月中旬です。

世界最大の田んぼアート

古代蓮会館の近くに「売店」「うどん店」「休憩室」で構成される別棟があります。「売店」内の通路幅は余裕があり、車椅子での買い物は可能です。農産物や加工品、特産品などが並びます。

売店・休憩室などのバリアフリー状況

「うどん店」と「休憩室」は、あまりスペースに余裕はありませんが、車椅子で利用できない決定的な段差などはありません。

売店・休憩室などのバリアフリー状況

「うどん店」の横には、屋台などが出店します。

売店・休憩室などのバリアフリー状況

冬季の企画としてウインターイルミネーションが開催されます。2020年冬の様子です。

古代蓮の里

古代蓮会館の横に、お花畑ができました。夜はライトが点灯します。

古代蓮の里

古代蓮会館のイルミネーションです。

古代蓮の里

世界の蓮園はイルミネーションの蓮が咲きます。

古代蓮の里

行田市「古代蓮の里」は、ほぼすべての施設を車椅子で利用できます。蓮の季節以外でも訪れる価値がある公園です。

なお行田市の観光名所「忍城」と「水城公園」の情報は別稿を参照してください。

(本稿は2020年12月に加筆修正しました)

さきたま古墳公園・史跡の博物館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

埼玉県行田市の「さきたま古墳公園」は、9基の大型古墳がある「埼玉古墳群」を中心に整備された公園です。そして出土した国宝が展示される「さきたま史跡の博物館」があります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

さきたま古墳公園・史跡の博物館

5世紀から7世紀ごろにかけてつくられた古墳が群集するエリアが、公園として整備されています。

公園の概要

古墳の間を通る平坦な舗装路から、車椅子で大型古墳の実物を観ることが出来ます。

史跡の博物館は障害者減免あり 公園内にある「さきたま史跡の博物館」は、車椅子で国宝が見学できる施設です。

さきたま史跡の博物館

合計で300台以上を収容する無料駐車場があり、身障者用駐車区画が3カ所に計8台分用意されます。公園は道路を挟み南北に分かれます。北エリアには5つの大型古墳と「将軍山古墳展示館」、そして「さきたま広場」「古代の草原」などの自由広場があります。

さきたま史跡の博物館

南エリアには3つの大型古墳と「さきたま史跡の博物館」、そして「移築民家」とレストハウスなどがあります。

さきたま史跡の博物館

来園者用の駐車場は、北エリアに2か所、並ぶように用意されています。

「さきたま広場」寄りの西側駐車場には、「新レストハウス」の近くに身障者用駐車区画が用意されています。ここが公園全体のほぼ中心点になります。公園のどの方面に向かっても、最大で約300mの距離。公園全体を徒歩で散策するなら、この「新レストハウス」に近い身障者用駐車区画の利用が合理的です。

駐車場のバリアフリー状況

東側に隣接する駐車場の身障者用駐車区画は、駐車場の最も奥、北側に用意されています。ここは「丸墓山古墳」や「稲荷山古墳」「二子山古墳」の見学に便利です。

駐車場のバリアフリー状況

「将軍山古墳展示館」に行く場合は、「将軍山古墳」近くの駐車場が便利です。現時点では案内図に載っていない駐車場ですが、現地で確認したところ、正式な駐車場です。身障者用駐車区画はありません。

「さきたま史跡の博物館」のエントランス前に、身障者用駐車区画が1台分あります。ここへのアクセスは、博物館の西側の細い路地から博物館を廻るように進みます。路地の入口に車椅子マークの掲示があります。

駐車場のバリアフリー状況

公園内の各所にある公衆トイレに、バリアフリートイレが用意されています。

障害者用トイレの状況

現時点でもっとも新しいトイレは「新レストハウス」のトイレです。

「さきたま史跡の博物館」内にも、バリアフリートイレがあります。取材時点では、設備更新されていない古い印象を受けるトイレでした。

障害者用トイレの状況

確認できた限り、各トイレにはユニバーサルベッドはありません。

大型古墳見学のバリアフリー状況です。すべての大型古墳に、近づいて見学が出来る散策路が整備されています。ただし、ほとんどの散策路は途中で未舗装路になります。車椅子でどこまで各古墳に近づけるかは、その人の悪路走破能力次第です。

新レストハウスはバリアフリー

「将軍山古墳」と「瓦塚古墳」の周囲は、舗装された一般道しかないので、車椅子でも健常者と同じ道から見学することになります。

大型古墳見学のバリアフリー状況

「丸墓山古墳」と「稲荷山古墳」には、古墳の上を通る散策路がありますが、階段路です。

古墳の周囲を車椅子で散策 車椅子での一般散策路の通行は限界がありますが、無理なく移動できる範囲からでも、大型古墳を見学することが出来ます。

大型古墳見学のバリアフリー状況

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況です。博物館はスロープ設置などバリアフリー改修済みで、全館車椅子で利用できます。展示室はワンフロア構成で「国宝展示室」と「企画展示室」があります。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。主に古墳からの出土品が展示される「国宝展示室」は、すべての展示が車椅子から見やすいケースが使用されています。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

車椅子からの低い目線でも、問題なくすべての展示が見学できます。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

「企画展示室」はその企画次第ではありますが、今回取材時の展示は、車椅子で問題なく見学できました。

さきたま史跡の博物館のバリアフリー状況

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況です。「将軍山古墳」内にある「将軍山古墳展示館」は、「さきたま史跡の博物館」の分館になる施設です。有料施設ですが「さきたま史跡の博物館」の入館券で観覧できます。追加料金は発生しません。本館と同様の障がい者減免制度があります。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

実物の横穴式石室を建物の中から見学する施設です。入口が1Fで横穴式石室は2Fにあり、階段で上ります。スロープやエレベーターはありません。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

そのため1Fにモニターがあり、2Fの横穴式石室の様子を映像で見ることができます。

将軍山古墳展示館のバリアフリー状況

さきたま史跡の博物館の隣接地に「移築民家」の展示があります。江戸時代末期の農家「旧遠藤家住宅」で、無料公開されています。敷地に入る箇所からデコボコのある未舗装路面です。民家は段差構造で車椅子では外観の見学になります。

移築民家のバリアフリー状況

さきたま古墳公園は、車椅子で本物の古墳を見学できる公園です。さきたま史跡の博物館は、車椅子で国宝を見学できます。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)

なお行田市の中世のお城「忍城」の情報は、別稿を参照してください。

行田 忍城と水城公園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報