しもだて美術館「Dear Earth」展 車椅子観覧情報

茨城県筑西市「しもだて美術館」の「高砂淳二 写真展 Dear Earth」。2021年4月24日からで、コロナ禍の影響で一時中断されましたが5月13日から再開、会期は7月25日までの予定です。

しもだて美術館「Dear Earth」展

高砂淳二氏は自然写真家。世界中の国の陸上、水中、そして空中で撮影した、空、光、月、虹、水、動植物の自然美を切り取った作品が展示されます。大人はもちろん、幼稚園生でも楽しめる展覧会です。

しもだて美術館

「しもだて美術館」はハイレベルなバリアフリー施設です。建物の名称は「アルテリオ」という公共施設で、全館ガラス張りのデザイン設計。身障者用駐車スペースが用意された地下駐車場があり、各階にバリアフリートイレを整備。エレベーターは2系統。美術館が入る3Fフロアは段差のないバリアフリー設計。パブリックスペースの1Fもスペースに余裕にあるフラット構造で、下館のお祭りの紹介、カフェとミュージアムショップなどがあります。

しもだて美術館

エレベーターで3Fへ上がります。

しもだて美術館「Dear Earth」展

「Dear Earth」展は観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳を提示して減免措置を受けてください。入館券を発行していただけます。

しもだて美術館「Dear Earth」展

受付から企画展示室へ。車椅子での移動に問題のないフラットなスペースです。

展示室内もスペースに余裕がある空間で、車椅子から問題なく観覧できます。

しもだて美術館「Dear Earth」展

展示される作品数は85点。そのすべてに作品を紹介する短いキャプションが付けられているので、どのような状況で何を写したのか、はっきりと理解できます。ただし多言語対応はありません。

しもだて美術館「Dear Earth」展

地球上にある様々自然美を楽しめる企画展です。「令和3年度初夏収蔵品展」が展示室1で同時開催されています。

しもだて美術館「Dear Earth」展

展覧会の観覧後は、ガラス張りの空中回廊から下館の景観を楽しめます。

しもだて美術館

しもだて美術館「Dear Earth」展は、誰もが楽しめる写真展です。

別稿で「茨城県しもだて美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」を掲載しています。ぜひご覧ください。

軽井沢ニューアートミュージアム 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

開館は2012年。軽井沢駅と旧軽ロータリーの中間付近に建つ、軽井沢らしい素敵な美術館です。略称は「KaNAM」。2フロア構造で1Fは無料公開のギャラリーとカフェやレストラン。2Fは企画展が開催される有料のミュージアムです。車椅子からみた美術館のバリアフリー状況を紹介します。

軽井沢ニューアートミュージアム

軽井沢駅から徒歩8分の案内です。旧軽方面に伸びる「本通り」はバリアフリー改修された、車椅子で快適に移動できる歩道が整備されています。駅から車椅子でアクセス可能です。

来館者用の無料駐車場は、分かり難い場所にあります。美術館の裏側、側道からさらに横道に入った先にある未舗装砂利路面の駐車場です。駐車場の砂利路面は、力を入れて無理をすれば車椅子が動きますが、激しい衝撃がくるレベルのガタゴト路面です。また駐車場からKaNAMまでは、200ⅿ程度距離があります。KaNAMのスタッフによると、美術館のエントランス付近の路上に停車して、車椅子の人を降ろして、運転者だけで駐車場に行く人が多いそうです。ただし美術館のエントランスに車寄せはなく、交通量の多い片道1車線の車道にハザードランプを点けて停車することになるので、迷惑停車にはなります。

軽井沢ニューアートミュージアム

本通りの歩道からKaNAMの入口にかけて、まったく段差のないバリアフリー仕様です。

軽井沢ニューアートミュージアム

メインエントランスは幅広い自動ドア。車椅子での出入りに問題はありません。

軽井沢ニューアートミュージアム

エントランスの先左側に1F無料公開ギャラリーがあります。ギャラリーは3室あり、それぞれで企画展が開催されます。

軽井沢ニューアートミュージアム

ギャラリーは広々として空間で床面はフラット。車椅子で問題なく観覧できます。展示されている作品は値札が付いています。

軽井沢ニューアートミュージアム

軽井沢ニューアートミュージアム

1Fにはソファーと書棚が並ぶ「アートブックカフェ」があります。ここも無料で座り無料で本を読むことが出来ます。

軽井沢ニューアートミュージアム

ミュージアムショップもあり、様々なアートグッズやオリジナル商品、美術書などが並び、立体アート作品が展示されています。

軽井沢ニューアートミュージアム

2Fミュージアムのバリアフリー状況です。有料企画展の観覧券は、1Fの総合案内で購入します。KaNAMの観覧料は障がい者減免制度があり、本人は無料、介助者1名が半額に減免されます。総合案内で障害者手帳等を提示して減免措置を受けてください。

軽井沢ニューアートミュージアム

エレベーターが1基あります。かごは9名乗車で、一般的な車椅子は入ります。大型の車椅子は苦戦するかもしれません。

軽井沢ニューアートミュージアム

2Fでエレベーターを降りると、展示室1への渡り廊下の横にでます。2Fの展示室は全6室。いずれもスペースに余裕があるフラットなアートスペースです。

軽井沢ニューアートミュージアム

いくつかの展示室には天窓や壁面窓があり、開放的な空間を演出します。

軽井沢ニューアートミュージアム

軽井沢ニューアートミュージアム

窓から見える景色も、軽井沢らしい森とコテージ。

軽井沢ニューアートミュージアム

今回取材時は「自然と対話する 花田和治の世界」展が開催中。

軽井沢ニューアートミュージアム

花田氏の明るい色感がよく似合う展示室です。

軽井沢ニューアートミュージアム

軽井沢ニューアートミュージアム

KaNAMの2Fは、大きな展示室が6室もある、大規模なアートスペースです。

軽井沢ニューアートミュージアム

バリアフリートイレは1Fと2Fにそれぞれ1つ用意されています。

特筆すべきは2Fのトイレ。向井修二氏が2014年に製作した「記号化されたトイレ」というアート作品です。

軽井沢ニューアートミュージアム

このトイレは実際に使用できます。ぜひ1Fではなく、2Fのトイレを利用してください。

軽井沢ニューアートミュージアム

KaNAMのお庭には隈研吾氏設計のガラスのチャペルがあります。有料の見学ツアーは毎日2回、限定10名まで。今回取材時はタイミングが悪く参加できませんでした。1Fのお庭への出入口ドアから眺めた景色です。

軽井沢ニューアートミュージアム

2F館内から撮影した写真です。お庭の名称は「風通る白樺と苔の森」です。

軽井沢ニューアートミュージアム

レストラン&カフェのバリアフリー状況です。1Fには「キーズカフェ」と「リストランテ・ピエトリーノ」が営業しています。カフェとレストランの出入口は緩い傾斜のスロープです。

軽井沢ニューアートミュージアム

ドアは手動が2枚。車椅子では介助者がいると助かる構造です。カフェ・レストランともに可動式テーブル席なので、車椅子で利用できます。

軽井沢ニューアートミュージアム

本通り側にあるテラス席は、スペースに十分な余裕がないので、状況によっては車椅子では手前の席しか利用できないかもしれません。

軽井沢ニューアートミュージアム

来館者用駐車場は離れていて未舗装路面ですが、軽井沢ニューアートミュージアムは、スペースに余裕があり、障がい者減免制度がある、バリアフリーな美術館です。

「軽井沢千住博美術館」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年6月に執筆しました)

個性が輝く東京の美術館 お薦めの穴場的アートスペース

国立や都立の大型美術館、来館者の多い定番美術館が建ち並ぶ東京。しかしそれだけではありません。東京には数多くの、魅力あふれる個性的な美術館があります。もっと多くの方に観覧していただきたい、お薦めのアートスペースをまとめて紹介します。

施設名称をクリックすると、バリアフリー情報を詳しく紹介したページにリンクします。ご参照ください。

松岡美術館(港区)

2022年にリニューアルオープンしました。積極的に告知されていませんが、エントランス前のスペースに来館者用駐車スペースが3台分あります。現代彫刻、古代東洋彫刻の常設展示と、企画展示室、そして美術館の庭園鑑賞が楽しめるコンパクトなアートスペースです。

松岡美術館

ヨックモックミュージアム(港区)

南青山の住宅街に、2020年に開館した美術館です。500点以上の作品を蒐集した「ヨックモックコレクション」の中心は「ピカソ セラミック」。様々な企画展を通じてピカソの創造性が紹介されます。デザインされた館内、中庭に面したお洒落なカフェ&ミュージアムショップが魅力的な美術館です。

ヨックモックミュージアム

丸紅ギャラリー(千代田区)

皇居のほとり、建て替えられた丸紅ビル内に、2021年に開館した美術館です。丸紅が蒐集した美術コレクションを中心に、企画展が開催されます。丸紅ギャラリーのコンセプトは「古今東西の美が共鳴する空間」。コレクションの中心は、染織品、染織図案、絵画。サンドロ・ボッティチェリの「美しきシモネッタの肖像」を所蔵しています。

丸紅ギャラリー

郷さくら美術館(目黒区)

人気タウン中目黒の、目黒川のほとりに建つ現代日本画を紹介する美術館です。年間4本から5本の所蔵品による企画展と「桜百景」展が同時開催され、館内では一年中満開の桜の絵を楽しめます。ここは2012年に開館した東京館。他に2006年に福島県郡山市に開館した「郷さくら美術館」があります。

郷さくら美術館

大倉集古館(港区)

大倉財閥オーナー二代が蒐集した美術工芸品が約2,500点。その内、国宝が3点、重要文化財は13点を収蔵します。伊藤忠太博士の設計による建物は都の歴史的建造物。2019年に免震構造化してリニューアルオープンしました。建物の周りには数多くの作品が屋外展示されています。外も内も、見どころ満載の美術館です。

大倉集古館

菊池寛実記念 智美術館(港区)

大倉集古館の近くに建つ「非日常の空間で、作品に出合う。」がコンセプトの美術館です。2003年に現代陶芸のコレクター菊池智氏が創立。常設展はなく、年間3本から4本の展覧会が開催されています。大正期の西洋館や蔵、日本庭園が残る邸宅地にあり、地階の展示室へはガラスの手摺りがある螺旋階段を下ります。非日常が楽しめる美術館です。

菊池寛実記念智美術館

板橋区立美術館(板橋区)

上皇后様がこれまでに5回行啓されたことがある美術館です。2019年に大規模改修が行われ、新しい施設に生まれ変わりました。常設展はなく、年間6本程度の企画展が開催されます。緑豊かな赤塚城址公園の一角に建つ、お洒落なデザイン建築が魅力の区立美術館です。

板橋区立美術館

佐藤美術館(新宿区)

美術大生に奨学金を提供する財団が運営する施設で、学生の作品を紹介する無料の企画展と、プロの作品や所蔵品を展示する有料の企画展が開催されます。常設展はありません。蒐集している作品は「花と緑、自然をテーマとする現代日本画」が中心です。興味のある企画展を見つけて出かけるタイプの美術館です。

佐藤美術館

大田区立龍子記念館(大田区)

日本画家の川端龍子が自ら設計、建設した記念館で、隣接地には龍子の居宅とアトリエを公開する龍子公園があります。記念館の展示室は龍子の大作が展示できる大きな空間。記念館、居宅、アトリエの建物の外装内装や調度品などは、龍子こだわりのデザイン。お庭にもこだわりがあります。お薦めの穴場文化施設です。

龍子記念館

熊谷守一美術館(豊島区)

守一氏の居宅を活用した豊島区立の施設です。所蔵作品数は153点。常設展が基本ですが、たまに特別展などが開催されます。熊谷守一氏の作品を鑑賞する楽しみに加えて、守一氏の波乱の人生が紹介されている展示が面白い美術館です。ここを観覧すると、守一氏のキャラクターがよく分かります。

熊谷守一美術館

府中市美術館(府中市)

「都立府中の森公園」内に2000年に開館した美術館です。1Fはパブリックスペース、2Fが展示室で、企画展示室、常設展示室、牛島憲之記念館があります。企画展は年間4本程度を開催。それに併せて常設展も展示替えされます。広い公園に建つグッドデザインなバリアフリー美術館です。

府中市美術館

目黒区美術館(目黒区)

目黒川沿い、複数の公共施設がある「区民センター公園」に隣接して建つ区立美術館です。コレクションは2,300点超で、蒐集方針は「明治以後海外で学んだ日本人作家」「目黒区にゆかりの作家」です。年間で7本前後の企画展が開催されます。館内は上質なアート空間です。

目黒区美術館

世田谷美術館(世田谷区)

都立砧公園内に建つデザイン建築の美術館です。レストラン、カフェ、パブリックスペース。緑豊かな公園に溶け込んだアートスペースです。収蔵品は約1万6千点。企画展とコレクション展が、それぞれ年間5本前後開催されます。屋外展示作品も魅力です。

世田谷美術館

SOMPO美術館(新宿区)

損保ジャパン本社ビル敷地内に新築された、ゴッホの「ひまわり」を所蔵する美術館で、定期的に企画展が開催されます。常設展はありませんが、「ひまわり」だけは常設展示され、どの企画展でも鑑賞そして記念撮影ができます。

SOMPO美術館

ワタリウム美術館(渋谷区)

現代アートの発信拠点、世界のアート、日本の若手アーティストを取り上げた展覧会、講演会、ワークショップなどを開催するプライベート美術館です。常設展はなく、年間3本から5本程度の企画展覧会が開催されています。1FとB1のミュージアムショップも、素敵なアート空間です。

ワタリウム美術館

八王子市夢美術館(八王子市)

ビル内にあるコンパクトな美術館です。キャッチコピーは「気軽に親しめるくらしの中の美術館」。年間5本程度の企画展と常設展が開催されます。面白い切り口の「気軽に楽しめる」企画展が魅力です。

八王子市夢美術館

吉祥寺美術館(武蔵野市)

吉祥寺の繁華街のビル7Fにある武蔵野市立の施設です。企画展示室と2つの常設展示室がある美術館で、企画展は年間5~6本開催されます。常設の浜口陽三氏の銅版画「浜口陽三記念室」と、萩原英雄の木版画「萩原英雄記念室」には、凛とした空気が流れます。

吉祥寺美術館

練馬区立美術館(練馬区)

中村橋駅から徒歩3分。3F構造で、1Fが区立図書館、2Fと3Fが「練馬区立美術館」で、有料無料の各種企画展が開催されます。美術館の庭が「美術の森緑地」で、天然芝の広場に20種類32体の動物系彫像群が展示される「幻想美術動物園」が無料公開されています。巨大な熊像は必見です。

練馬区立美術館

国際版画美術館(町田市)

日本で唯一の版画専門美術館。コンセプトがユニークです。芹ヶ谷公園という大きな公園の入口に建つ、町田市立の施設です。2フロア構造で2Fが展示室。常設展示室と企画展示室が2室あり、常設展示室では、広重などの浮世絵版画や、棟方志向、池田万寿夫などの版画作品、ヨーロッパで製作された古い版画作品などが展示されます。

国際版画美術館

刀剣博物館(墨田区)

日本美術刀剣保存協会が運営する、日本刀の専門博物館です。隅田川沿いの旧安田庭園に隣接しています。常設展は無く、企画展が年間5本程度開催され、熱心なファンが日本刀を凝視します。初学者は、日本刀の魅力を紹介する1Fの情報コーナーから見学してください。

刀剣博物館

すみだ北斎美術館(墨田区)

墨田区生まれの葛飾北斎をテーマにした美術館です。建物は4フロア構造で、3Fと4Fが展示室。4Fの半分のスペースが常設展示室で、4Fの残り半分と3Fが企画展示室です。常設展の展示はほとんどがタッチパネル方式で多言語対応。2016年に開館した、グローバルな展示が採用されている施設です。

すみだ北斎美術館

永青文庫(文京区)

室町時代から700年を超える家系。肥後細川家の屋敷跡、目白台の高台に建つ施設です。細川家に伝わる6千点余の美術工芸品と8万8千点余の歴史文書を所蔵。国宝が8点、重要文化財は34点あります。季節ごとにテーマを定め、展覧会が開催されます。隣接する肥後細川庭園は無料公開されている日本庭園です。

永青文庫

パナソニック汐留美術館(港区)

パナソニック東京汐留ビル内に、企業の社会貢献活動として設立された美術館で、電機メーカーの矜持、展示室のハイテクな照明設備が自慢です。常設展はなく、年に4本ほど企画展が開催されます。2013年の開館10周年記念特別展は「幸之助と伝統工芸」でした。

パナソニック汐留美術館

半蔵門ミュージアム(千代田区)

展示室は静寂の空間。そこに仏教美術が展示されます。別にハイテクシアターがあり、仏教文化に関する映像プログラムが放映されます。一つ一つの美術品にしっかり向き合える美術館です。

半蔵門ミュージアム

東京アートミュージアム(調布市)

安藤忠雄氏が設計して建築物が並ぶ仙川「安藤ストリート」の中核施設です。デザインされた建築は、内外ともに必見。そのアート空間で企画展が開催されます。周囲の建築物もぜひご覧ください。

東京アートミュージアム

中村研一記念小金井市立はけの森美術館(小金井市)

近代洋画家の中村研一氏の旧居宅の敷地に建つ美術館です。中村研一作品を中心にしたコレクション展が、年間4回程度の展示替えを行いながら開催されます。美術館は庭が「美術の森緑地」で通称は「はけの森」。河岸段丘「国分寺崖線」にある崖の庭園です。

中村研一記念はけの森美術館

三鷹市美術ギャラリー(三鷹市)

三鷹駅南口の駅ビル「CORAL」5Fにあります。「太宰治展示室」と2つの展示室があるギャラリーです。アクセスは三鷹駅直結、車利用の場合は駅ビルの有料地下駐車場の利用が便利です。20時まで開館している勤め帰りに立ち寄れる市民のためのギャラリーです。

以上、東京の個性が輝くお薦めの穴場的アートスペース、美術館情報でした。

(本稿は2021年6月に執筆しました)