東京都文京区の「永青文庫」は、深い砂利道のアプローチなど、車椅子での利用が簡単ではない美術館です。ただし身障者用の駐車スペースは用意されています。現地のバリアフリー状況を紹介します。
文京の閑静な高台に建つ、肥後細川家にゆかりのある文化財コレクションを楽しめる美術館です。障がい者減免制度があり、観覧料は障害者手帳等の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。
椿山荘に近く、講談社野間記念館の奥、和敬塾の隣、という立地です。地下鉄最寄駅は江戸川橋ですが、駅からの車椅子でのアクセスは坂がきつく距離もあります。バスなら椿山荘からのアクセスになります。一般来館者用の駐車場はありません。敷地内への車の侵入は禁止で、門から玄関までアプローチは深い砂利道を通ります。
身障者が利用する車に限り、門から敷地内に入り、エントランス近くのスペースに駐車することができます。予約は不要で空いていれば自由に利用できる駐車スペースです。車椅子利用者は車での来館をお薦めします。
ただし、駐車スペースからエントランスまでは、約30mほどの区間、深い砂利路面を進まなくてはなりません。
建物は4階構造で展示室は2Fから4F です。2015年にミニエレベーターが設置されました。ホームエレベーターサイズの小型エレベーターですが、普通サイズの車椅子と介助者1名は乗りこめます。3F展示室の出入口の段差解消はややラフなので、必要な方はスタッフに介助をお願いしてください。
バリアフリートイレは1Fにスペースはやや小型ながら用意されています。
入口のメインエントランスは段差のない構造です。通常、出口になる裏側の出入口は段差構造なので、車椅子では入口から退館してください。
別館が2008年に改装されて一般公開されました。現当主、細川護煕氏の陶芸品などが展示されています。喫茶コーナーとしても営業中です。ただし、あくまで古いお屋敷を改装した建物です。段差がある構造で特別なバリアフリー設備はありません。
隣接して「肥後細川庭園」がありますが、「永青文庫」と庭園を結ぶルートは階段路で、車椅子での通行は出来ません。
「永青文庫」はご自身またはご家族の障がいの状況に応じて、無理なく利用してください。
(本稿は2023年3月に加筆しました)
近隣にある「東京カテドラル聖マリア大聖堂・カトリック関口教会」のバリアフリー状況を別稿で紹介しています。ご参照ください。