西新宿の「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」が、2020年同一敷地内に新築移転して「SOMPO美術館」になりました。車椅子で確認した現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは新宿駅西口から徒歩5分の案内。駅から地下で直結するルートはありません。来館者用駐車場はありません。
美術館周辺はアップダウンのないフラットな舗装路。エントランス前も舗装路面が広がります。
1Fの入口へは段差なく移動できます。出入口もフラットな構造。車椅子での入館に大きな問題はありません。
館内に入るとすぐ左側が無料のロッカーコーナーです。荷物がある場合は利用してください。
受付はその先です。SOMPO美術館は、常設展は無く、企画展が定期的に開催されます。ただし「ゴッホのひまわり」は常設展示されています。
今回取材時は「川瀬巴水」展が開催中。観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。現在はコロナ対策で、無料観覧者も事前の日時指定予約が必要です。
SOMPO美術館の一般来館者用フロアは1Fから5Fです。1Fが受付他、2Fがミュージアムショップと休憩室、3Fから5Fが展示室です。
「川瀬巴水」展は、5Fから観覧しました。健常者も含めて、受付の横からエレベーターに乗り5Fへ上がります。エレベーターは1基で、かごは一般的なサイズ。普通の車椅子は問題なく入ります。
バリアフリートイレは5Fと2Fに用意されています。下の写真は5Fのトイレ。スペースは一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器とオストメイトが備えられています。ユニバーサルベッドはありません。
エレベーターから展示室へ向かいます。スペースに余裕があるので、車椅子で快適に移動できます。
展示室内はフラットな構造でスペースに余裕があります。
今回取材時の企画展の展示は、ほとんどの作品が壁掛け展示。車椅子で問題なく観覧できました。
展示室の観覧順は5Fから4F、そして3Fです。健常者は階段によるフロア移動が推奨されていますが、足の悪い人、車椅子の人は、前出のエレベーターでフロアを移動します。常設展示されるゴッホのひまわりは、強化ガラスに守られて3Fに飾られています。
ゴッホのひまわりが最後の展示品。鑑賞後はエレベーターを利用して2Fへ。そこから通路を通り、自動ドアを通ります。
2Fはミュージアムショップと休憩室。ゆとりのあるスペースにフリーテーブルが配置されています。
天井のデザインはユニーク。大きな窓から西新宿の街並みが見えます。
下の写真は2Fのバリアフリートイレです。5Fのトイレと同じような広さと設備です。
2Fから1Fの出口へは、専用の階段で下ります。階段の途中に美術館の歴史を紹介するアートが飾られています。
車椅子では専用のエレベーターを利用して2Fから1Fへ下ります。ミュージアムショップの横に設置されています。
損保ジャパン本社ビル敷地内の限られたスペースに建設された美術館なので、ワンフロアの面積は広くはありません。フロア間移動を伴う観覧になります。
しかしながら今回は極めてスムースにエレベーターを利用できました。SOMPO美術館は、ストレスなく車椅子で観覧できる縦型の美術館です。
隣接する「新宿野村ビル」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。
(本稿は2021年10月に執筆しました)