虎ノ門 大倉集古館 車椅子観覧ガイド バリアフリー状況

大倉集古館

東京都港区虎ノ門の「大倉集古館」が、免震構造の地下階を増築して2019年9月にリニューアルオープンしました。現地のバリアフリー状況と車椅子での観覧方法を紹介します。

大倉集古館

ホテル「ザ・オークラ東京」本館正面玄関前にあります。六本木一丁目駅から徒歩5分の案内ですが、このルートは高低差が大きく、泉ガーデンを経由するルートでも車椅子では坂道に苦労します。溜池山王駅、虎ノ門駅方面からのアクセスも坂を上ります。

神谷町駅からのルートが、車椅子ではもっとも楽だと思われます。徒歩7分の案内です。

車利用の場合は「ザ・オークラ東京」の駐車場が最も近いのですが、大倉集古館の利用による駐車料金のサービスはありません。大倉集古館の正面にある駐車場入口は「5階駐車場入口」になります。

近隣の駐車場では「仙石山森タワー」の駐車場がバリアフリー仕様です。大倉集古館まで、極端なアップダウンが無いルートで徒歩3分程です。

仙石山森タワー

ただし途中のスペイン大使館前付近で、歩道が途絶える箇所があります。

スペイン大使館前付近

リニューアルにより大倉集古館はバリアフリーになりました。「ザ・オークラ東京」本館前から大倉集古館のエントランスまでは、フラットな舗装路面です。

大倉集古館

大倉集古館の前庭から裏側にかけて、車椅子で移動できます。数多くの屋外展示物があります。創業者がベンチに腰掛けています。

大倉集古館

双亀は大正時代の創作です。

大倉集古館

車椅子からはやや見にくいものの、裏側も必見です。

大倉集古館

心鎮まる展示物が並びます。

大倉集古館

正面入口は段差がありますが、両サイドにスロープ路があります。

正面入口は段差がありますが、両サイドにスロープ路

大倉集古館の出入口は自動ドアで、ドアの先に旧館の玄関があり、その横に仁王像が二体展示されています。

仁王像が二体展示

この間の車椅子での移動に問題はありません。

仁王像が二体展示

大倉集古館は有料の施設ですが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。

大倉集古館2Fの展示ケースは、足元からの一枚ガラスが採用されています。車椅子の足載せステップがガラスの下部に当たると破損の恐れがあるので、車椅子ステップにクッションカバーをかけるルールになっています。車椅子利用者は入館受付時にカバーを渡されるので、ステップの正面側にクッションがくるように取り付けてください。

館内のバリアフリー状況です。大倉集古館はB1から2Fの3フロア構造です。各フロア内は段差のないフラット構造で、車椅子で問題なく移動できます。大型エレベーターが1基あり、車椅子で上下階移動が出来ます。バリアフリートイレはB1にあります。広くて綺麗なトイレで、ユニバーサルベッドはありません。B1には小さなミュージアムショップがあり、車椅子で利用できます。

館内で唯一車椅子が利用できないのは、2Fのバルコニーです。館内からバルコニーへの出入箇所が段差構造です。

取材時は2F展示室で企画展「桃源郷展」が開催中でした。1FとB1は常設展示です。今回は車椅子ですべての展示品が鑑賞できました。

企画展「桃源郷展」

大倉集古館は高台にあるため、車椅子でのアクセスルートは慎重に検討する必要があります。エントランス周辺から館内は、車椅子で問題なく利用できるバリアフリー美術館です。

隣接地にある「菊池寛実記念 智美術館」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年10月の取材に基づいています)