虎ノ門 菊池寛実記念 智美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都港区虎ノ門にある「非日常の空間で、作品に出合う。」がコンセプトの美術館です。現代陶芸のコレクター菊池智氏が、亡父寛実氏が活動した地に2003年に創立しました。大正時代に建てられた西洋館や蔵、日本庭園が保存される、再開発が進む虎ノ門エリアに残された静かな空間です。

菊池寛実記念智美術館

運営は公益財団法人菊池美術財団で、常設展はなく、年間3本から4本の展覧会が開催されています。

アクセスは神谷町駅、虎ノ門ヒルズ駅、六本木一丁目駅、溜池山王駅などが徒歩圏ですが、アップダウンがある地形なので、どの駅からアクセスしても車椅子ではつらい坂道を通ります。六本木一丁目駅から泉ガーデンのエレベーターを利用しても、その先のルートが坂道です。

来館者用の駐車場があります。パーキングの印は何もありませんが、美術館のエントランス内に車で進入します。

美術館のエントランスが正面に見えます。段差迂回スロープがある構造です。ここから右側に進みます。

菊池寛実記念智美術館

駐車区画の線引きはありませんが、5台程度は駐車できるスペースがあります。

菊池寛実記念智美術館

美術館エントランスの左側も、2~3台は駐車できるスペースがあります。美術館の観覧者に限り、空いていれば自由に利用できる駐車スペースです。

菊池寛実記念智美術館

美術館の横に国の登録有形文化財指定の西洋館が保存されています。内部は非公開です。

菊池寛実記念智美術館

段差迂回スロープを通り、館内に進みます。

菊池寛実記念智美術館

出入口は大きな自動ドアです。車椅子で問題なく入館できます。

菊池寛実記念智美術館

館内に入ると非日常の空間が始まります。廊下の先にあるのは、常設展示される篠田桃紅氏作「ある女主人の肖像」です。絵の右側は、サロン「茶楓」です。

菊池寛実記念智美術館

茶楓はフラットな構造のお店で可動式テーブル席があります。日本庭園を眺めながら軽食や喫茶を楽しめます。

菊池寛実記念智美術館

1Fにバリアフリートイレがあります。スペースはやや狭い個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

菊池寛実記念智美術館

菊池寛実記念智美術館の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が半額に減免されます。1Fの受付で入館手続きを行います。他には「リピート割引」「茶道検定割引」「運転免許返納割引」などの制度があります。

展示室はB1です。館内には大きなエレベーターが1基あります。車椅子ではエレベーターを利用して展示室へ移動します。

菊池寛実記念智美術館

通常の地階への移動ルートは螺旋階段です。階段の壁面には篠田桃紅氏作のコラージュが飾られ、階段の手すりはガラス作家横山尚人氏によるガラスの手摺です。螺旋階段は美術館のシンボル的作品なので、車椅子では通行できませんが、1Fから、B1から、見える範囲を観覧してください。

B1展示室はフラットな構造で、車椅子で問題なく観覧できます。今回取材時は「篠田桃紅 夢の浮橋」展が開催されていました。全展示品が車椅子から観覧できます。

菊池寛実記念智美術館

菊池寛実記念 智美術館は、車椅子で観覧できるバリアフリー美術館です。車椅子でのアクセスは、車またはタクシーの利用をお薦めします。

東京にある個性的な美術館を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年6月に執筆しました)

名酒の試飲が楽しめる 日本の酒情報館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都港区西新橋にある日本酒造組合中央会が運営する施設で、日本酒、焼酎、梅酒など日本の名酒を有料で試飲して、気に入ったお酒は購入できる「情報館」です。

外堀通り沿い「日本酒造虎ノ門ビル」1Fにあります。ビルのエントランスにサインが置かれています。

日本の酒情報館

この入口からビルに入ると、エレベーターホールの先にバリアフリートイレがあります。

日本の酒情報館

一般的なサイズの個室でウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。一般トイレはありません。

日本の酒情報館

トイレの先が日本の酒情報館の入口です。ビル内には段差はありません。

日本の酒情報館

この入口は裏口で、外堀通りの反対側、ビル北側に日本の酒情報館のメインエントランスがあります。

日本の酒情報館

メインエントランスのほうが、よりスペースに余裕がある入口です。

日本の酒情報館

試飲はカウンターで注文して料金を支払います。単銘柄での注文もできますが、3銘柄をセレクトした「本日のセット」が人気です。そして館内に設けられている試飲席に移ります。可動式のテーブル席なので車椅子で利用できます。注文した試飲銘柄が注がれたグラスとチェイサーをスタッフが席に届けてくれます。壁面棚には、様々な銘柄の日本の酒が展示されています。また館内に銘柄リストがあり、お土産にお酒を買うことができます。

日本の酒情報館

日本の酒情報館は車椅子で利用できる施設です。営業時間は平日の10時から18時です。

東京にあるユニークな施設を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年1月に執筆しました)

みなと科学館・気象科学館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

「港区立みなと科学館」と「気象庁気象科学館」は、東京都港区虎ノ門に移転した気象庁本庁舎内に、2020年に開館した施設です。基本的には子供向きの施設ですが、大人も楽しめる内容です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

虎ノ門ヒルズ駅から徒歩4分、神谷町駅から徒歩5分の案内です。このエリアは愛宕山に象徴されるようにアップダウンがありますが、両駅からのアクセスルートは、車椅子での移動が困難なほどの坂道ではありません。

来館者用の駐車場はありませんが「歩行が困難な方等」は、事前予約制で本庁舎地下駐車場が利用できます。受付窓口は「港区立みなと科学館」です。

駐車場を利用したい場合は、港区立みなと科学館に電話をして、希望来館日時を伝えます。港区立みなと科学館から、気象庁本庁舎の駐車場管理事務所に当日の利用状況を確認し、使用可能な状況であれば、予約が完了します。今回予約したときの状況では、利用者の氏名だけが確認されました。連絡先、車種やナンバー、障がいの状況などは不問です。今後運用ルールが変わる可能性はあると思います。

車でアクセスする場合、気象庁本庁舎は一方通行路に囲まれているので、駐車場入口の場所を確認して、ルートを研究してアクセスしてください。

下の写真が気象庁本庁舎の駐車場入口です。入口に管理スタッフがいるので、予約した氏名を名乗ります。今回の取材時は、それだけで問題なく通じました。

みなと科学館・気象科学館

スタッフの誘導に従い、地下駐車場に向かいます。途中に駐車券が発行されるバーがあります。駐車券は、科学館退館時に港区立みなと科学館のスタッフに渡して、出庫のための処理をしていただく運用です。地下には3台分の身障者用駐車スペースがありました。今回取材時は、到着の連絡をうけた港区立みなと科学館のスタッフが先回りをして待っていて、駐車する場所へ誘導して下さいました。

みなと科学館・気象科学館

地下駐車場はB2です。駐車場から手動開閉ドアを通り館内へ。そこからエレベーターで1Fへ上がります。エレベーターは2基あり、かごは一般的なサイズで、普通の車椅子1台と4名程度まで同乗可能です。

みなと科学館・気象科学館

気象庁本庁舎の1Fが港区立みなと科学館の常設展示コーナーです。2Fにみなと科学館のプラネタリウムと気象庁気象科学館があります。両科学館とも無料施設ですが、みなと科学館のプラネタリウムは有料です。また現在はコロナ対策で事前予約制が導入されています。

プラネタリウムの観覧券はみなと科学館1Fの窓口で販売しています。プラネタリウムのドームは直径15ⅿ。最新鋭の光学式投影機や4Kデジタルと、ハイテク武装されたプラネタリウムです。観覧料の障がい者減免制度があり、港区在住の障がい者と介助者1名は無料に減免されます。車椅子専用席が2席分用意されています。子供向きプログラム、大人も楽しめるプログラムと、今回取材時は6本のプログラムが順次公開されていました。

みなと科学館・気象科学館

バリアフリートイレは1F、2F、そしてB1に用意されています。1Fと2Fのトイレは、ウォシュレット付き便器とオストメイトが備えられています。スペースに余裕がある綺麗なトイレです。

みなと科学館・気象科学館

B1のトイレはよりスペースが広く、折り畳み式のユニバーサルベッドも備えられています。

みなと科学館・気象科学館

みなと科学館常設展示コーナーのバリアフリー状況です。1Fの展示は「まちの中にある科学を発見しよう」がテーマ。フラットな構造でスペースに余裕があるので、車椅子で大きな問題なく観覧できます。大きな球形の空間に入ります。入口横の壁面には毛利衛氏のサインがあります。

みなと科学館・気象科学館

展示はハイテク、そして港区に拘っています。例えば「港区でモグラが確認された地点」などと指定すると、その場が光る地図模型の展示があります。

みなと科学館・気象科学館

港区の海を潜る映像展示。指定した深さの海中の様子を見ることが出来ます。

みなと科学館・気象科学館

基本は子供向きにアレンジされていますが、内容としては大人も楽しめる「まちの中にある科学」です。

みなと科学館・気象科学館

気象科学館のバリアフリー状況です。エレベーターで2Fに上がります。気象科学館もフラットな構造でスペースに余裕があるバリアフリー仕様です。入口にいるのはマスコットの「はれるん」君です。

みなと科学館・気象科学館

気象科学館もハイテク系展示物が並びます。

みなと科学館・気象科学館

大きなテーマの一つは自然災害。様々な災害を引き起こす自然現象のメカニズムと、その危険性を学びます。

みなと科学館・気象科学館

ハイテク体験型の展示が中心です。

みなと科学館・気象科学館

展示室の中央部には、津波の発生メカニズムと、陸を襲う状況を再現する「津波シミュレーター」があります。

みなと科学館・気象科学館

「うずのすけ」は台風と竜巻を再現するマシン。

みなと科学館・気象科学館

スイッチを押すと自然の猛威が再現されます。

みなと科学館・気象科学館

もう一つの大きなテーマは「地球温暖化」。360度ビジョンがある「うずまきシアター」で紹介される、棚氷が崩れ落ちる映像です。

みなと科学館・気象科学館

「港区立みなと科学館」と「気象庁気象科学館」は、バリアフリー施設です。子供に限らず、幅広い層が楽しめる科学館です。

東京にある公立の面白い施設を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年10月に執筆しました)