砧公園内 世田谷美術館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

世田谷美術館

東京都世田谷区砧公園内にある「世田谷美術館」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

世田谷美術館

砧公園はバードサンクチュアリもある、緑あふれる広い公園です。園内の舗装された散策路は車椅子で通行可能です。

砧公園はバードサンクチュアリもある、緑あふれる広い公園

世田谷美術館は公園の一角にあります。1986年に開館した洒落たデザインの建物です。美術館はB1から2Fの構造で、主に1Fで企画展、2Fでコレクション展が開催されます。また1Fにはレストラン、B1にはカフェがあり、窓からの眺めを楽しみながら食事やお茶を楽しめます。

世田谷美術館は公園の一角にあります

徒歩圏内に駅はありません。車椅子利用者は車でのアクセスが便利です。駐車場は3つあります。

世田谷美術館に近い場所に「砧公園の有料駐車場」があります。都立の駐車場なので障害者手帳の提示で駐車料金が無料に減免されます。身障者用駐車区画は3台分用意されます。人気の公園なので、好天の週末は満車になる可能性がある駐車場です。美術館だけではなく、公園を利用する場合は、原則この駐車場を利用します。

別に60台収容する「美術館来館者専用の無料駐車場」があります。場所は東名高速の高架下で、一方通行などがあり、ややわかりにくいアクセスルートを通ります。美術館のHPに詳しいルート案内があります。美術館まではやや距離があり、徒歩5分の案内です。

2か所の一般駐車場の状況

そして美術館敷地内に「身障者専用の無料駐車区画」が2台分用意されています。利用は事前予約制です。美術館に電話をして予約します。

身体障害者専用の無料駐車区画

駐車場は美術館通用口から入るとすぐにあります。アクセスルートは環八通りから清掃工場へ向かい、その先左側です。スタッフの誘導に従って駐車してください。

身体障害者専用駐車場

3つの駐車場から美術館への車椅子でのアクセスは、フラットな舗装路を移動するので、大きな問題はありません。

駐車場から美術館への車椅子でのアクセスは、フラットな舗装路

美術館エントランス付近も車椅子で問題なく利用できるバリアフリー仕様です。

美術館エントランス付近も

「身障者専用の無料駐車区画」からアクセスする場合は、美術館の正面入口まで回らずに、途中の職員用通用口から館内へ入ることも出来ます。

身体障害者専用の無料駐車区画」からアクセス

小雨など悪天候の時は、スタッフがこのショートカットルートに誘導して下さいます。この職員用通用口の前まで車で進み、障がいのある人を降ろして、運転者だけで駐車区画に戻ることも出来ます。

身体障害者専用の無料駐車区画」からアクセス

美術館の館内は車椅子での利用に大きな問題はありません。出入口はフラットな自動ドアです。

世田谷美術館

エントランスから1F館内へ入ると、左手が受付、その先の通路を左に進むと主に企画展が開催される1F展示室入口になります。

館内のバリアフリー動線

1F展示室を出ると左手に1Fと2Fをつなぐエレベーターがあります。このエレベーターで2Fへ上ると、主にコレクション展が開催される2F展示室の入口前に出ます。2F展示室の出口の先に2FからB1をつなぐエレベーターがあります。

2FからB1をつなぐエレベーター

以上の動線はすべてフラットで車椅子での移動に問題はありません。また2Fには資料が閲覧できる「アートライブラリー」があり、車椅子で利用できます。

2Fには資料が閲覧できる「アートライブラリー

バリアフリートイレの状況です。B1、1F、2Fにそれぞれ1つバリアフリートイレが用意されます。この内1Fのバリアフリートイレはオストメイト、ウォシュレット付き便器が備えられています。ユニバーサルベッドはありません。

1Fには2か所トイレがあり、バリアフリートイレは、受付から見て左手のミュージアムショップの奥のトイレにあります。右手の区民ギャラリー側のトイレは一般用だけです。

障害者用トイレの状況

レストランは1Fにあります。ミュージアムショップの先へ進み、そこから左に曲がる通路の先にあります。この通路の途中に手動ドアがあるので、車椅子では介助者がいると助かります。

レストランのバリアフリー状況

通路はフラットで段差はありません。レストラン店内はスペースに余裕があり段差はありません。可動式のテーブルと椅子席なので、車椅子での利用は可能です。レストラン店内にもバリアフリートイレがあります。

レストランのバリアフリー状況

カフェはB1にあります。エレベーターでB1へ下りると、カフェ入口へつながる緩やかなスロープ路があります。カフェもレストランと同様に車椅子で利用できます。

カフェのバリアフリー状況

B1にある「創作の広場」には野外アートの展示があります。B1館内から広場にでるドアは、車椅子では通行しにくい開閉式の手動ドアで、小さな段差もあります。

創作の広場のバリアフリー状況

広場にでれば路面はフラットです。車椅子でのアート鑑賞は可能です。

創作の広場のバリアフリー状況

美術館のエントランス周辺及び1F展示室やレストランからも見える「くぬぎ広場」に、屋外アートの展示があります。館内外から車椅子での鑑賞は可能です。

その他の屋外アート

世田谷美術館の観覧料は、障がい者減免制度があります。企画展の料金は企画展により異なりますが、よくあるパターンは本人が半額程度に減免、介助者1名が無料に減免されます。展覧会ごとに確認してください。

世田谷美術館

今回取材時は、コレクション展は「森芳雄と仲間たち」、企画展は「高橋秀+藤田桜 素敵なふたり」が開催されていました。両展とも、車椅子で鑑賞できない作品はありません。車椅子で問題なく鑑賞できる展示会です。

展示のバリアフリー状況

「世田谷美術館」は、車の利用であればアクセスが便利です。緑あふれる砧公園のなか、車椅子で利用できるバリアフリー美術館です。

近隣にある「長谷川町子記念館」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2023年3月に加筆しました)