森林と清流、豊かな自然に恵まれた栃木県は、考古の時代から続く歴史と文化、そして美味しい特産品の宝庫。その魅力に出会える道の駅25か所をまとめて紹介します。施設の詳細やアクセスはHPなどで確認してください。なお駅名をクリックすると、各施設のバリアフリー情報を紹介するページにリンクします。
源平合戦の英雄「那須与一」は大田原市の誇り。那須氏は、戦国領主、江戸大名、そして旗本として明治維新までこの地を統治。道の駅の入口には弓を弾く与一像、建物の屋根は扇型、レストランは扇亭、与一伝承館では屋島の合戦での活躍、那須氏の歴史と宝物を学べます。隣接して那須神社が鎮座。歴史上の英雄がテーマの道の駅です。
2011年開業。道の駅の固定観念を超えた、高品質で高規格な企画型道の駅です。目指したのは地元の農産物や名産品が並ぶデパ地下、あるいはプレミアムスーパー。そして毎日がお祭りのようなイベント性。開業から10年経過した現在でも、色あせない輝きがある道の駅です。敷地内には独立棟でスタバが出店しています。
シンボルは東日本最大の2連水車。大きい水車が12m、小さい水車は5.6mあり、直径2ⅿの巨大石臼で蕎麦の地粉を挽いています。この手打ち蕎麦をいただけるのは「水車館」。「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」のお蕎麦が提供されます。古代那須王国が繁栄し、義経が街道を駆けた、伝説や民話のふるさと。田舎の原風景と出会える道の駅です。
二宮尊徳が行政手腕を発揮した旧二宮町は、現在ではイチゴの生産日本一の真岡市。イチゴがテーマの道の駅です。街灯、施設棟壁面などはイチゴデザイン。いちご情報館、いちごふれあい館があり、食堂では「いちごカレー」を提供。「とちおとめ」に加えて「とちひめ」「スカイベリー」、夏は「なつおとめ」。とことんイチゴを楽しむ道の駅です。
日本三大美肌の湯「喜連川温泉」の本館と、商業棟の新館がある道の駅です。施設コンセプトは「大正ロマン、大正モダン」。新館内は「大正」をテーマに演出され、外壁にはプロジェクションマッピングが投影されます。「さくら市」なので、「さくらブランド」として地元の名産品を販売。ユニークなマーケティングを展開している道の駅です。
農産物よりも、日光ブランドの名産品の販売が中心の「ニコニコマルシェ」と、「ニコニコ広場」「ニコニコホール」など地域コミュニティ施設がある道の駅です。ユニークな施設は「日本のこころのうたミュージアム・船村徹記念館」。3Dメガネを着用して観覧する「夢劇場」は演歌ファン必見。カラオケコーナー「歌道場」で、のど自慢ができます。
「サシバ」とは春から夏にかけて日本にくる、タカの仲間の渡り鳥。市貝町は世界有数の繁殖地で、サシバに関する解説展示がある道の駅です。道の駅のキャラクターは「サシバのサッちゃん」「イッちゃん」「カイちゃん」です。「サシバが舞う里山のめぐみを食卓に」がショップコンセプト。絶滅危惧種を守る使命がある道の駅です。
地元愛にあふれ、SLが横を走る道の駅です。ファンクラブは「すきだっぺクラブ」。茂木産のたい肥で育つ「美土里野菜」。茂木産コシヒカリのバウムクーヘンや、もち米の「わっぱ飯」。茂木産のそば粉の手打ち蕎麦。特産の柚子の加工品。「ゆず塩ラーメン」は茂木の「ゆず酢」をかけていただきます。茂木ブランドを追求する道の駅です。
宗谷岬と佐多岬から等距離、すなわち日本列島の中心にある道の駅です。さらに、スイーツ、パン、中華料理、和洋食店など、日本中の味覚や技が「どまんなか」に集まるとしています。直売所は地元の新鮮野菜や総菜などが豊富に並び、屋台が多数出店。他に足湯、ミニSL、遊具広場、イベントホールなど。猛烈な集客力を誇る道の駅です。
明治21年に建てられた明治の洋館、国指定重要文化財「旧青木家那須別邸」が保存公開されている道の駅です。正面まで長く続く杉並木のアプローチは趣があります。パン工房とレストランが入る棟も、明治の洋館風外観デザイン。周囲の保存林内は散策路が整備されています。商業施設というよりも、文化施設としての印象が残る道の駅です。
那須高原へのメインルートにある道の駅です。屋外に巨大アートが点在。森をバックにした「石舞台」は、イベント会場として使用されることがあります。工芸館は地元工芸師による作品の展示、即売コーナーがある、那須の伝統文化に触れる施設。大きな樽のような建物は観光交流センター。「那須の観光芸術の中心地」と自認する道の駅です。
日帰り天然温泉、米国製トレーラーハウスに泊まるグランピング、コテージ、レストラン3店、テイクアウト店、直売所、情報館、森の散策路などがある複合型道の駅です。駐車場は5か所。どの施設をどんな順番で利用するのかを、計画して訪れたい施設です。グランピングは、池のほとりでバーベキューが楽しめます。
旧馬頭町にある道の駅で、新鮮野菜とジビエ料理が人気です。地元の八溝山系で獲れた野生イノシシ肉のブランドは「八溝ししまる」。レストランでは「八溝ししまる薬膳カレー」「ししまるそば」「いのしし丼」などのメニューが提供されます。川魚では「ほんもろこ」が特産で唐揚げが人気。馬刺し、もつ煮も旨い。山と川の地物自慢な道の駅です。
焼き物の町として人気の益子にある道の駅です。ショップ&レストランに加え、益子の魅力の発信拠点「益子の作家棚」では100点以上の作品を紹介。「ましこのコンシェルジュ」では、移住相談のワンストップ窓口として、不動産斡旋、就労・起業支援、奨励金の紹介などを行います。空き家物件情報が掲示されている道の駅です。
矢板市は林業と木材産業が盛んなエリア。地元ブランドは「たかはら材」。木材が贅沢に使用された道の駅です。特に、2か所に各2台分ある身障者用駐車スペースに設置されている屋根は凄い。太い支柱と梁に大きな屋根がかけられている木造建築です。おそらく日本一、あるいは世界一贅沢な、身障者用駐車スペースの屋根です。ぜひご覧ください。
平家落人伝説がある湯西川温泉は、道の駅から10㎞以上、川の上流にあります。道の駅湯西川は、野岩鉄道会津鬼怒川線「湯西川温泉駅」に直結した施設で、湯西川温泉に行くバスターミナルがある、湯西川温泉の玄関口です。しかしながら天然日帰り温泉施設があり、水陸両用バスによるダックツアーの発着場所。目的地にもなる道の駅です。
小山市にある道の駅で、テーマは「小山ブランドの創生と発信」。「おやま和牛」、豚肉「おとん」、お米「うまかん米」、ミネラルウォーター「思の水」、「にらねっこ」、「思川ごぼう」、またハトムギ美容液「OYAMAの雫」などを創生して販売しています。レストランではこれらの食材を使用したメニューを提供。商業棟の名称は「小山物語館」です。
2004年に道の駅登録をした施設ですが、博物館と24時間トイレ棟しかありません。直売所、売店、食事処、屋台などが全くない、とても珍しい道の駅です。唯一あるのは、博物館内のミュージアムショップで、館内にもカフェなどはありません。博物館は、那須野ヶ原の歴史と自然、民俗を紹介する歴史民俗博物館です。
壬生町の魅力を前面に打ち出したマーケティングが光る道の駅です。農産物直売所は「農家の直売所みぶのやおやさん」。食事処はおふくろの味が自慢の「みぶのおばちゃんち」。そしてフルーツパーラーは地元の老舗洋菓子店による「Mib-TOWN(ミッブタウン)」です。物産館には「みぶブランド」として認定された特産品が並んでいます。
キャッチコピーは「木のゆくもりのおもてなし」。曲線を描く大きな木造屋根がシンボルです。ショップ&レストランの内装はウッディ。無料休憩所「みかも亭」も木造建築です。山の恵みを中心に、地物の美味しいものに出会えます。漢字表記では「三毳」。みかも山を眺めながら、山のおもてなしを楽しめる道の駅です。
栃木市西方町にある道の駅です。地元の美味しいものにこだわった正統派の施設で、農産物直売所、交流物産館、農村レストランがあります。積極的にSNSによる情報発信を行っている道の駅で、ほぼ毎日新ネタが投稿されています。リアルとバーチャルでマスコットキャラクター「キララ」ちゃんが活躍。Webが本格的に活用されている道の駅です。
高原山の麓、名水として名高い尚仁沢湧水がある塩谷町の道の駅です。町の自慢は綺麗な空気と水で育った美味しい農産物。ハウス栽培が盛んなので、一年中新鮮野菜と出会えます。蕎麦処では、地元産のそば粉を石臼で挽き、尚仁沢の名水とで打つ、挽きたて打ちたての手打ち蕎麦を提供。売り切れ御免の逸品です。
県内でも有数の農業エリア、芳賀町の道の駅です。町の中央部が水田地帯で、減農薬、減化学肥料などによる特別栽培米を生産。東西の台地では特産の梨、イチゴ・トマト・きゅうりなどの施設野菜や畜産などが盛んです。直売所、レストラン、売店で、芳賀町の美味しいものに出会える道の駅です。
総面積は東京ドーム10個分相当。大規模な複合型施設です。10haの整備林や広大な芝生広場などがあり、温泉、スパ、宿泊棟がある「ビィラ・デ・アグリ」、多目的ドーム、そして直売所と複数のグルメ店があります。キャッチコピーは「46haの滞在型ファームパーク」。ここを目的地として一日が完結する規模の道の駅です。
商業施設としての名称は「アグリパル塩原」。農産物直売所「四季彩畑」は高原野菜など塩原産の美味しい野菜が並ぶお店。「農村レストラン関の里」は、農産物直売所に入荷する新鮮野菜を使用したメニューを提供。「あぐりのかふぇ」は、地元の米や直売所に並ぶ新鮮な野菜や果物を使用したスイーツやジェラートを提供。地物へのこだわりが凄い道の駅です。
栃木県の道の駅25か所は、それぞれユニークな個性と魅力があります。
(本稿は2021年8月に執筆しました)