栃木県那須塩原市にある道の駅です。開業は1998年。7.5haの広大な敷地の中に、農産物産直所、レストラン、パン工房、「旧青木家那須別邸」、芝生広場、保存林「明治の森」などがあります。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
メイン駐車場は普通車33台を収容。敷地の出入口に近い場所ですが木立があり、森の中に車を停めるイメージです。身障者用駐車スペースは屋根なしで2台分用意されています。
収容台数が少ないので、好天の週末などは駐車場が込み合います。その場合は第二駐車場を利用するのも作戦です。少し離れた場所に、新しく整備されました。ただし第二駐車場には身障者用駐車スペースはなく、施設棟へのアクセス路は未舗装路面です。
駐車場の横に独立棟トイレがあり、バリアフリートイレが1つ用意されています。
もう一つ、パン工房などが入る棟内にバリアフリートイレがあります。インドアトイレですが、写真の通り、やや狭く設備はシンプルなトイレです。
農産物直売所は、仮設店舗のような外観ですが、内部に段差はなく、店内通路はぎりぎりで車椅子が通行できる幅があります。混雑していなければ、車椅子で買い物ができます。採れたて野菜と惣菜、乳製品など那須ブランド品が並ぶお店で、美味しそうな商品が魅力的です。
ファームマーケットの前には、車椅子用の電話ボックスが設置されていました。
パン工房とレストランは同じ建物に入ります。「道の駅明治の森・黒磯」らしい明治の洋館を模した外観デザインです。正面は階段ですが、横から段差回避スロープが用意されています。
パン工房とレストランは、あまりスペースに余裕はありませんが、フラットな構造なので車椅子で利用できます。パン工房の名称は「ブランジュリー・ル・ブルジョン」で一般的なセルフサービスのパン屋さん。レストランは「青木の森カフェ」で、可動式のテーブル席があります。
旧青木家那須別邸の状況です。明治21年に建てられた国指定重要文化財で、内部が有料公開されています。青木邸の観覧料は障がい者減免制度があり、本人が無料、等級によっては介助者1名まで無料に減免されます。入口の受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。
メイン駐車場から舗装路を通行して、旧青木家那須別邸の受付前まで、車椅子で問題なく移動できます。
車椅子で段差回避スロープを上がり、1F玄関前まで行きます。別邸内は土足禁止。内部見学する場合は、ここで車椅子のタイヤを拭いて上がります。建物の内部は段差がある構造で、エレベータはありません。車椅子では無理のない範囲に限る内部見学になります。
玄関と同じ高さにある1Fテラスへは、段差なく車椅子で移動できます。
そこから絶景の杉並木、別邸までの長いアプローチを眺望することができます。
旧青木家那須別邸の周りの保存林の中は、散策路が整備されています。しかし未舗装の砂利路面で、無理をすれば車椅子で移動できますが、ゴツゴツと衝撃がくるので、車椅子では快適な散策路ではありません。歩ける人にとっては、素晴らしい森林の散策路です。
開業年次が古いので、施設全般今どきのバリアフリー設計ではありません。旧青木家那須別邸の内部と周囲の見学は、車椅子では限界がありますが、「道の駅明治の森・黒磯」は、広大な「明治の森」の美味しい空気と、地元の美味しい食に出合える道の駅です。
栃木県の道の駅を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年6月に執筆しました)