筑波研究学園都市 車椅子で見学できる研究施設のバリアフリー情報

茨城県つくば市の筑波研究学園都市には、一般公開されている、車椅子で見学ができる研究施設があります。各施設の研究内容や展示内容の特徴と、バリアフリー状況を紹介します。各施設にはそれぞれ高い専門性があります。障がいのある家族とのお出かけ先に適している施設か、展示内容を確認して利用して下さい。

筑波実験植物園

国立科学博物館が植物研究のために設置した施設です。絶滅危惧種の保全研究や150万点を超える標本を収蔵しています。

通称は「つくば植物園」ですが、見た目の楽しさではなく、研究価値の高い植物が展示されています。

有料の施設ですが、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の入園料が無料に減免されます。

来園者用の無料駐車場があり、平置きの身障者用駐車区画が2台分用意されています。

1976年に開園した施設で、全体的に老朽化しています。屋外の展示を見学する舗装歩道、4つの温室内を巡る観察路は、各所に経年劣化によって荒れた路面箇所があります。

その中では2013年にリニューアルした「研修展示棟」が最もバリアフリーで、1Fに綺麗なバリアフリートイレがあります。

筑波研究学園都市の研究施設の中では、最も親しみやすいテーマの施設です。

筑波実験植物園

筑波宇宙センター

JAXAの施設で宇宙開発の中枢センターです。一般向けの展示館「スペースドーム」があり、屋外には本物のロケットが展示されています。予約制の施設見学ツアーがあり人気です。

展示館「スペースドーム」の見学は無料です。施設見学ツアーは、障がい者減免制度があります。

「スペースドーム」と屋外ロケットは、車椅子で見学できるバリアフリー仕様です。国際宇宙ステーションの実験棟モデルには、車椅子利用者のために昇降機が設置されています。

展示内容は専門的です。無料で参加できる説明員によるガイドツアーがありますが、ある程度科学的な知識がないと、理解が難しいかもしれません。

売店では、ここでしか買えない物が販売されています。

筑波宇宙センター

地図と測量の科学館

国土地理院の施設で、地図や測量に関する歴史、測量の原理と方法などが展示解説されています。

入場は無料で、身障者用駐車区画がある無料駐車場が用意されています。

屋外の「地球広場」にある「日本列島球体模型」は、傾斜のある体感型の展示物で、車椅子での利用は苦戦します。これ以外は、車椅子での利用および見学は可能です。

展示棟1F常設展示の解説は子ども向きです。内容は高度ですが、表現は易しく「日本列島空中散歩マップ」など遊びを意識した体感型の展示があります。

2Fは特別展示室があり、企画展が開催されます。

科学館売店では、国土地理院が刊行した全国の地図やオリジナル商品が販売されています。

地図と測量の科学館

地質標本館

国立研究開発法人産業技術総合研究所の地質調査総合センターが管理運営する施設です。入館は無料。無料駐車場があり、エントランスの近くに駐車できます。

2フロア構造の施設で、1Fと2Fは「アンモナイト階段」で結ばれます。この階段の展示だけは車椅子で見学できませんが、エレベーターで上下階移動が出来て、4つある常設展示室はすべて車椅子で見学可能です。

地層や化石、恐竜の足跡、日本列島の震源分布、火山の仕組みや富士山の構造、太平洋の海底地形、元素周期表と鉱物、そしてダイヤの原石など世界の奇石が展示解説されています。

専門性の高い展示ですが、ビジュアル的で分かりやすく工夫されています。仮に内容が理解できなくても、見ているだけで楽しい展示です。固い印象を受ける施設名ですが、幅広い層にお薦めできる展示内容です。

地質標本館

サイエンス・スクエアつくば

「地質標本館」と同じ敷地内にある国立研究開発法人産業技術総合研究所の先端技術ショールームです。

入館は無料。施設建物前に駐車場があり、身障者用駐車区画があります。

2015年にリニューアルした施設で、ワンフロアのバリアフリー構造です。綺麗なバリアフリートイレがあります。

現在28種類の先端技術を紹介しています。ハイテクな音声ガイドを無料で貸していただけます。

表現を子供向けに工夫している展示もありますが、いずれの先端技術も高度な内容です。様々な科学的な知識がないと、しっかり理解することは難しいショールームです。無料で参加できるガイド付き見学コースがあります。

サイエンス・スクエアつくば

以上の研究施設は車椅子で見学できます。

小学生以下の子供や知的な障がいが伴う人は、その人の嗜好性や感性にもよりますが、「筑波実験植物園」と「地質標本館」は、楽しめるかもしれません。お薦めします。

(本稿は2020年3月に執筆しました)

皇居に面する 車椅子で利用できるバリアフリー施設ガイド

東京の中心「皇居」沿いに、車椅子で利用できるバリアフリー施設があります。皇居を一周するルートで、障がいのある家族と一緒に利用できる、主な施設や公園などのバリアフリー状況を紹介します。皇居の北側から時計回りで一周します。

北の丸公園

環境省管轄の国民公園です。園内の舗装散策路はアップダウンが少なく、車椅子で散策できます。園内はクワガタが生息する自然の宝庫です。

近隣の各駅からのアクセス路はすべて上り坂になります。公園内の有料駐車場は、駐車料金の障がい者減免制度はありません。

園内の「科学技術館」は、あまりバリアフリーではありません。車椅子での利用は、最新情報を確認して慎重に判断してください。

北の丸公園

武道館の中道場の中に、複数のバリアフリートイレがあります。

武道館の中道場

国立公文書館

公文書を保管し閲覧できる独立行政法人の施設です。春と秋に観覧無料の特別展が開催されます。敷地はフラットで、エントランス前に1台分身障者用駐車区画があります。特別展が開催される1Fはフラットな構造で、車椅子で利用できます。

ただし特別展に使用される展示ケースは、真上からのぞき込むタイプが多く、車椅子からの低い目線では、見難い展示があることもあります。

国立公文書館

国立近代美術館

身障者に限り、前庭に車を駐車することが出来ます。スタッフに車椅子利用を申告して誘導を受けてください。コレクション展、企画展とも、観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。館内はバリアフリーで、車椅子で観覧できます。

国立近代美術館

皇居東御苑

苑内にはアップダウンがあります。本丸周辺が高台で、この方面に向かうと坂道を上がります。最も激しい傾斜路は富士見多聞へ上がる道で、車椅子では通行できません。二の丸庭園周辺などはフラットな散策路です。

三の丸尚蔵館は建て直され、2023年秋に一部開館しました。詳しくは別稿「一部開館した皇居東御苑 三の丸尚蔵館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」をご参照ください。

皇居東御苑

明治生命館

明治生命の旧本社内部を残した施設です。全館車椅子で見学できます。明治安田生命の現役の事務所でもあるので、公開されるのは土曜日と日曜日です。入場は無料です。

観覧ルートは2Fからで、一般見学者は1Fへ階段で下ります。車椅子利用者はエレベーターを利用します。スタッフの誘導に従ってください。

1Fは「静嘉堂文庫美術館」です。別稿をご参照ください。

明治生命館

日比谷公園

園内は現在大改修工事が始まっていますが、まだデコボコや段差がある散策路、未舗装路面のエリア、段差構造の施設があります。

公園の地下駐車場は、地上へのルートが階段でエレベーターはありません。車椅子では車道の傾斜路を上がることになります。

日比谷公園

国会前庭

衆議院が管理する庭園で、和式の南庭と洋式の北庭があります。南庭は概ねフラットな地形で、ほとんどの段差箇所にはスロープが設置されています。北庭には段差箇所はありませんが、地形が傾斜面なので、散策路が坂道です。

国会前庭は南北とも車椅子で散策が可能ですが、周囲はアップダウンがある地形なので、アクセスルートは傾斜路になります。

国会前庭

国立国会図書館

来館者用の無料駐車場があり、身障者用駐車区画が用意されています。図書の閲覧のほかに、不定期開催ですが特別展が開催されることがあります。特別展の会場は、通例新館の1Fです。段差箇所にはスロープがあり、車椅子で観覧できます。

国立国会図書館

国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑

環境省が管轄する施設です。広い無料駐車場があります。苑内の段差箇所にはスロープがあり、車椅子で移動できます。車椅子で利用できる休憩所、バリアフリートイレもあります。

慰霊行事の開催日は、一般の参拝が制限されることもあるので、日程を確認して利用して下さい。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑

以上、皇居に面した立地の車椅子で利用できる主なバリアフリー施設です。

(本稿は2024年2月に加筆しました)

タワーホール船堀 無料展望室 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京都江戸川区にある、首都高速から見える展望タワーがある施設です。高さ115mの展望室は無料で、車椅子で利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

1999年開業。船堀駅前に建つ江戸川区のシンボル的な公共施設です。展望室、シネマ、ブライダルサロンに複数のイベントホールなどがあります。江戸川区による江戸川区民のための施設で、ブライダル、会議室、イベントホールの使用には区民割引があります。施設全体の構造はバリアフリーで、車椅子での利用に大きな問題はありません。

駅前立地ですが駐車場があります。B1とB2が地下駐車場で、駐車料金の障がい者減免制度はありませんが、都内駅前の駐車料金としては格安です。身障者用駐車区画が用意されています。地下駐車場はエレベーターがあるので、車椅子での利用は可能です。

B1の半分はシネマ「船堀シネパル」。2つの劇場があり、それぞれに車椅子用の席が2つあります。江戸川区民にはお得なサービスが用意されます。ポップコーン売り場がある、本格派のシネマです。

1Fは吹き抜けのアトリュームがある構造で、総合案内がありスタッフが常駐しています。他に展示ホールと飲食店や書店などが営業しています。

2Fと3Fはチャペルもあるブライダル関係の施設が中心です。大パーティが開催できるイベントホール、バンケットホールがあります。

4Fと5Fはコンサートが出来る大ホールや小ホールなどがあります。

6Fはなく、7Fは展望レストランなどがあります。

タワーホール船堀 無料展望室 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

全てのフロアにバリアフリートイレがあります。しかもほとんどのフロアには、2つないし3つ、複数のバリアフリートイレが設置されています。

7Fに展望室に行くエレベーター乗り場があります。展望室の利用は無料です。7Fのエレベーター乗り場にスタッフが1名常駐し、エレベーターの乗降を誘導します。エレベーター内にもスタッフがいて、展望室の利用方法を説明しながら、高さ115mの展望室に案内します。今回取材時は、展望室内にはスタッフはいませんでした。展望室は狭いながらも360度ビュー。江戸川区から見る東京の景観を堪能できます

タワーホール船堀 無料展望室 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

「タワーホール船堀」は存在は知っていても、詳しく知らない、行ったことはない、という人が多い施設です。展望室は無料で、施設全般バリアフリーです。車椅子のお出かけに先にお薦めできます。

東京湾岸を眺望する無料施設「市川市アイ・リンクタウン展望施設」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2016年4月の取材に基づいています)