筑波研究学園都市 地質標本館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

地質標本館

茨城県つくば市、筑波研究学園都市にある、無料公開されている科学館です。正式名称は「国立開発研究法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地質標本館」。「地質調査総合センター」の出発点は1882年に創設された「地質研究所」。地質標本館では約140年間にわたる研究成果が展示されています。

ここまでの紹介では、敷居が高い難解な科学館に思われるでしょうが、そうではありません。学問的な興味が全くない人でも、小さな子供でもそれなりに楽しめる、ビジュアルインパクトが強い展示が多々ある科学館です。筑波研究学園都市にある公開施設の中でも、もっとも幅広い層にお薦めしたい施設の一つです。

車椅子からみた施設のバリアフリー状況と、迫力ある展示の概要を紹介します。

地質標本館

アクセスは車が便利。学園東大通りから、広大な敷地の「産業技術総合研究所」内へ入ります。その先にある守衛所で、「地質標本館の見学」と申し出て、駐車許可書をいただきます。以前は車から降りて窓口に行きましたが、現在では守衛所の場所が車道になりました。降車せずに車窓を開けて許可書を受領できます。

初めての見学者は守衛さんに地質標本館の場所を教えてもらってください。簡単な地図が用意されています。研究所は広いので、本当に迷う可能性があります。

地質標本館の横の研究棟の前に、来館者用の無料駐車場があります。

地質標本館

身障者用駐車スペースは屋根なしで3台分用意されています。

地質標本館

駐車場から地質標本館まで、フラットな舗装路面を移動します。

地質標本館

この間に様々な屋外展示物があります。下の写真は大木の化石です。

地質標本館

巨石と奇石が並ぶエリア。

地質標本館

地質標本館のエントランスに出ます。

地質標本館

エントランス前にも奇石の展示があります。

地質標本館

入口にある鉱石の展示です。見逃さないように、屋外展示物をチェックしてください。

地質標本館

館内のバリアフリー概況です。エントランスから館内1Fにかけて、段差のないフラットな構造です。現在、地質標本館は事前予約制。1F受付で予約番号を申告して入館します。

バリアフリートイレは1Fに1つ用意されています。

地質標本館

スペースは一般的なサイズでウォシュレット付きですが、オストメイト、ユニバーサルベッドはありません。

地質標本館

地質標本館は1Fと2Fの2フロア構造。エレベーターが1基あります。

通常の1Fから2Fへ上がる観覧ルートは「アンモナイト階段」を上がります。下の写真は1Fから見上げた目線。階段の途中に展示物があります。

地質標本館

下の写真は2Fから見下ろした目線。この階段の展示だけは車椅子で見学できません。

地質標本館

展示室に入る前に目を奪われるのは、ガラス越しにある1億5千年前「ジュラ紀の褶曲層」。過去の大規模な地殻変動によって曲げられた、男鹿半島の崖のレプリカです。

地質標本館

2Fからみると、このような姿。迫力があります。

地質標本館

天井を見上げると日本列島の震源分布模型があります。1Fにある鏡で観覧します。地下1,000kmから日本列島を見上げているイメージです。

地質標本館

第1展示室の状況です。全ての展示室はスペースに余裕があるフラットな構造で、車椅子で展示解説を観覧できます。通常の観覧コースは1Fの第1展示室から。テーマは「地球の歴史」です。

地質標本館

中央部に展示されるのは「日本列島の立体地質図」。百年以上の研究成果が凝縮された展示物です。

地質標本館

エレベーターで2Fへ上がり、テーマが「生活と鉱物資源」の第2展示室へ。エレベーターから向かうと、通常のアンモナイト階段ルートとは反対側の出口から入るので、階段の上の展示室入口まで移動してから観覧することをお薦めします。

下の写真は「熱水チムニー」。金属元素で熱水噴出孔に形成される煙突状の岩石です。車椅子から問題なく鑑賞できます。

地質標本館

次は同じ2Fの第3展示室。テーマは「生活と地質現象」。活断層と地震、火山と地熱、日本の火山と温泉分布などが展示されています。

下の写真は「富士山と箱根火山」の模型。車椅子から見える高さの展示物です。

地質標本館

第3展示室の横に「休憩室」があります。ただし飲食は禁止です。

地質標本館

その先にテラスがあり、「筑波山とジオパーク」の屋外展示があります。以前は車椅子で通行しにくい出入口のドアでしたが、改修されてフラットな引き戸になりました。車椅子で問題なくテラスに出ることができます。

地質標本館

展示されているのは「郷土の岩石」です。

地質標本館

エレベーターで1Fへ戻り、最後の展示室「岩石・鉱物・化石」の第4展示室を見学します。ここは標本の展示室。地球の営みが生み出す、奇跡のような奇石が並びます。

地質標本館

まるで地球がデザインした、派手なアート作品の展示のようです。

地質標本館

「地質標本館」は、子どもから大人まで楽しめる、筑波研究学園都市らしい施設です。

地質標本館

「産業技術総合研究所」には、もう一つ無料で一般公開している施設があります。「サイエンス・スクエアつくば」で「地質標本館」から100mほどの隣にある施設です。「サイエンス・スクエアつくば」は、車椅子で見学できるバリアフリー施設です。

地質標本館バリアフリー情報

名称を聞くと地味な印象を受ける「地質標本館」ですが、自然が生んだ派手なアート作品が展示されています。「地質標本館」は「アンモナイト階段」以外は、車椅子で見学できます。

(本稿は2021年8月に書き直しました)