東京の中心「皇居」沿いに、車椅子で利用できるバリアフリー施設があります。皇居を一周するルートで、障がいのある家族と一緒に利用できる、主な施設や公園などのバリアフリー状況を紹介します。皇居の北側から時計回りで一周します。
環境省管轄の国民公園です。園内の舗装散策路はアップダウンが少なく、車椅子で散策できます。園内はクワガタが生息する自然の宝庫です。
近隣の各駅からのアクセス路はすべて上り坂になります。公園内の有料駐車場は、駐車料金の障がい者減免制度はありません。
園内の「科学技術館」は、あまりバリアフリーではありません。車椅子での利用は、最新情報を確認して慎重に判断してください。
武道館の中道場の中に、複数のバリアフリートイレがあります。
公文書を保管し閲覧できる独立行政法人の施設です。春と秋に観覧無料の特別展が開催されます。敷地はフラットで、エントランス前に1台分身障者用駐車区画があります。特別展が開催される1Fはフラットな構造で、車椅子で利用できます。
ただし特別展に使用される展示ケースは、真上からのぞき込むタイプが多く、車椅子からの低い目線では、見難い展示があることもあります。
身障者に限り、前庭に車を駐車することが出来ます。スタッフに車椅子利用を申告して誘導を受けてください。コレクション展、企画展とも、観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。館内はバリアフリーで、車椅子で観覧できます。
苑内にはアップダウンがあります。本丸周辺が高台で、この方面に向かうと坂道を上がります。最も激しい傾斜路は富士見多聞へ上がる道で、車椅子では通行できません。二の丸庭園周辺などはフラットな散策路です。
三の丸尚蔵館は建て直され、2023年秋に一部開館しました。詳しくは別稿「一部開館した皇居東御苑 三の丸尚蔵館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」をご参照ください。
明治生命の旧本社内部を残した施設です。全館車椅子で見学できます。明治安田生命の現役の事務所でもあるので、公開されるのは土曜日と日曜日です。入場は無料です。
観覧ルートは2Fからで、一般見学者は1Fへ階段で下ります。車椅子利用者はエレベーターを利用します。スタッフの誘導に従ってください。
園内は現在大改修工事が始まっていますが、まだデコボコや段差がある散策路、未舗装路面のエリア、段差構造の施設があります。
公園の地下駐車場は、地上へのルートが階段でエレベーターはありません。車椅子では車道の傾斜路を上がることになります。
衆議院が管理する庭園で、和式の南庭と洋式の北庭があります。南庭は概ねフラットな地形で、ほとんどの段差箇所にはスロープが設置されています。北庭には段差箇所はありませんが、地形が傾斜面なので、散策路が坂道です。
国会前庭は南北とも車椅子で散策が可能ですが、周囲はアップダウンがある地形なので、アクセスルートは傾斜路になります。
来館者用の無料駐車場があり、身障者用駐車区画が用意されています。図書の閲覧のほかに、不定期開催ですが特別展が開催されることがあります。特別展の会場は、通例新館の1Fです。段差箇所にはスロープがあり、車椅子で観覧できます。
環境省が管轄する施設です。広い無料駐車場があります。苑内の段差箇所にはスロープがあり、車椅子で移動できます。車椅子で利用できる休憩所、バリアフリートイレもあります。
慰霊行事の開催日は、一般の参拝が制限されることもあるので、日程を確認して利用して下さい。
以上、皇居に面した立地の車椅子で利用できる主なバリアフリー施設です。
(本稿は2024年2月に加筆しました)