車椅子で参拝できる東京のバリアフリーな神社仏閣~東部編~

車椅子で参拝できる東京の神社仏閣を紹介します。本稿は「東京東部編」です。東京都区内東部エリアのバリアフリーな神社仏閣を紹介します。

「柴又帝釈天」(葛飾区)

駅から参道にかけてはバリアフリーですが、境内の有料エリア「帝釈天彫刻ギャラリー」と「庭園」は段差構造なので車椅子での見学はできません。

柴又帝釈天

電車利用であれば、柴又駅から参道にかけて、車椅子での移動に大きな問題はありません。公衆トイレにはバリアフリートイレが併設されています。

柴又帝釈天

駅前には「寅さん像」と旅に出る寅さんを見送る「さくら像」があります。「さくら像」は小さく見えますが、倍賞千恵子さんの等身大ということです。柴又駅前はフラット路面でバリアフリー。車椅子での「寅さん像」「さくら像」鑑賞に、混雑以外の大きな問題はありません。

柴又帝釈天

車の場合、車椅子利用者が乗降しやすいバリアフリーな駐車場が、駅近隣にはありません。よくあるタイプのコインパーキングなどの利用になります。

寅さんの世界の団子屋などがある帝釈天の参道は、車椅子で通行しやすいバリアフリー歩道。極端な混在さえなければ、参道でお団子を車椅子でいただくことは可能です。お店に入ってお団子をいただく、となると車椅子では苦戦する狭い店舗もあります。

柴又帝釈天

帝釈天境内は舗装路が限定的で、全般的に車椅子での参拝は苦戦します。「柴又帝釈天」は参道までがバリアフリーです。

柴又帝釈天

「富岡八幡宮」(江東区)

八幡様の門前の町だから「門前仲町」です。宮の創建は1627年。江戸三大祭の宮であり、東京十社であり、深川七福神でもあります。

富岡八幡宮

本殿の裏手に参拝者用の無料駐車場があります。ただしそれほどバリアフリーではありません。駐車スペースから境内へは未舗装のデコボコしたルートを通ります。また正月3が日は混雑対策で駐車場は閉鎖されます。地下鉄門前仲町駅にはエレベーターが設置されました。

富岡八幡宮

一般的な参拝ルートは、永代通り沿いの大鳥居から入り、正面参道へ。距離の短い参道ですが、お土産屋さんや飲食店が並びます。右手には「大関力士碑」。「横綱力士碑はここではありません」という掲示があります。正面参道は、ややデコボコもありますが、大きな問題はなく車椅子で通行できます。

富岡八幡宮

左手に「手水舎」が出てくると、その先は境内に向かう階段。右手に階段を回避するスロープがあるので、車椅子利用者は迂回します。やや傾斜がきついので、介助者がいると安心なスロープです。スロープを上り本殿へ向かいます。

富岡八幡宮

ご本殿の正面は階段。スロープは正面右手にあります。スロープを上がると拝殿です。本殿は1956年に再建されました。スロープが社殿に溶け込んだ風景になっています。

富岡八幡宮

深川七福神の「恵比須社」はご本殿の西側。ご本殿から恵比須社などのお末社があるエリアに向かう途中にも階段があり、スロープがあります。やや傾斜がきついので、介助者がいると安心なスロープです。

富岡八幡宮

「横綱力士碑」はご本殿の東側。ご本殿からは未舗装路交じりのデコボコした道を通りますが、気合を入れれば車椅子で行けないことはありません。「横綱力士碑」は4段の階段の上にあり、ここにはスロープはありません。「横綱力士碑」は歴代の横綱の名が刻まれた碑です。賽銭箱はありません。

横綱力士碑

「成田山深川不動堂」(江東区)

門前仲町「富岡八幡宮」に隣接する寺院です。専用駐車場はありません。車の場合は永代通りがパーキングメーター設置路線なので、空いていればそこの利用が便利です。

成田山深川不動堂

門前商店街を通り、寺院入口へ向かいます。寺院に入ると正面に階段を上がる「旧本堂」が見えます。左側が「新本堂」で、その入口から本堂内のバリアフリールートが始まります。受付窓口があるので声をかけてください。案内をしていただけます。

「新本堂入口」からは土足厳禁です。靴を脱いで、車椅子のタイヤは雑巾でよく拭いて入ります。出るときもここから出るので、靴は靴箱に入れます。

ここから「祈りの回廊」を通ります。この回廊は、1万体のクリスタル五輪塔が奉安され、暗いなかで五輪塔にだけ照明があたる、幻想的な回廊です。誰でも自由に参拝できます。

1Fの入口から2Fに上がる回廊なので、行きは上り坂です。車椅子の方は介助者がいたほうが安心です。回廊の通路幅は車椅子幅くらいしかありません。一方通行ではないので、車椅子利用の場合は反対側から人が来たらすれ違いは出来ません。回廊をぬけると護摩法要が行われる本堂の中心部にでます。

成田山深川不動堂

護摩法要は、火を焚き太鼓と読経が鳴り響きます。祈祷を申し込まない方でも見学可能。毎日5回定時に行われます。祈祷の方は、自分のバックを護摩の火にかざすという儀式があります。

護摩法要のフロアにも美術品が展示されています。さらにエレベーターで上階に向かいます。各フロア、いくつも部屋があり、彫刻や天井画など様々な仏教美術が車椅子ですべて無料で鑑賞できます。

帰りは逆のルートです。車椅子利用では人とすれ違えないので、上ってくる人の気配がないことを確認してから「祈りの回廊」を下ります。

「亀戸天神」(江東区)

公式名称は「花の天神様 東宰府天満宮 亀戸天神社」。本所界隈の開発を進める江戸幕府が土地を寄進。1662年の建立と伝えられます。梅、藤、菊、いずれも美しい。それぞれの季節に参拝に訪れる価値があります。

亀戸天神

バリアフリーで参拝可、という案内になっていますが、正面入り口には段差があり、境内中央にある二つの「太鼓橋」は、車椅子では通行できない構造です。また亀戸天神にはバリアフリートイレがありません。車椅子での参拝可能ルートを紹介します。

亀戸天神

亀戸駅、錦糸町駅、押上駅からは、いずれも1km以上あり、更に歩道はあまり快適なバリアフリー状況ではありません。専用の無料駐車場がありますが、混雑時の利用は大変です。タクシー利用または車で近隣の有料駐車場の利用が便利です。

亀戸天神

境内南側の正面入口は階段でスロープはありません。車椅子で境内に入場できる入口は境内の東西両脇にあるので、境内の外壁に沿って右か左に回ってください。境内の北側、本殿の近くに東西とも入口があります。ただし多少の段差やデコボコがある入口です。

亀戸天神

境内は二つの「太鼓橋」以外の箇所は、車椅子で通行可能なレベルのデコボコ路です。快適なバリアフリー通路ではありませんが、なんとかなります。

車椅子での通行は、二つの「太鼓橋」を避けながら、境内をジクザクに回るイメージです。混雑時は人にぶつからないように、気をつけて通行してください。

亀戸天神

参拝です。本殿の参拝所は段差の上。車椅子での参拝は、段差の下からになります。本殿参拝の行列が伸びて「太鼓橋 女橋」まで伸びると、車椅子では行列に参加することができません。

亀戸天神

本殿の正面からみて左側にある牛の像が「神牛」。手を伸ばせば車椅子からでも、鼻や足に手が届きます。「神牛」参拝は行列ができることは滅多にありません。

亀戸天神

周辺のお店で一番人気は「葛餅」の「船橋屋」で、複数のお店を構えています。イートイン店舗は「車椅子でも利用可」という案内ですが、行列が出来ているような混雑状況だとスペースがなく、車椅子での利用は苦戦します。お土産を買うだけなら、車椅子で十分に可能です。

「西新井大師」(足立区)

福祉車両専用の駐車場、本殿に上るエレベーターがあり、バリアフリートイレの用意もあります。ただし境内の通路はほとんどがガタガタする石畳のため、車椅子での通行は快適ではありません。

西新井大師

お寺の方の言い方だと「福祉車両」用ということですが、足の悪い方などのために3台分の駐車スペースが境内に用意されています。寺院の北側にある車両祈祷のための車入口から入り、そこにお寺の方がいるので事情を話してください。身体障害者手帳の提示などは不要で、無料で駐車できます。ただし砂利敷きの駐車スペースです。お正月など混雑日は利用できません。

西新井大師

大本堂は正面から階段を上がり参拝する構造ですが、裏側にエレベーターがあり自由に利用できます。中が見えない自動ドアがあるのでボタンを押すと、中にエレベーターが隠れています。2Fに上ると大本堂の裏面にでます。そこから右に進むと、バリアフリーに大本堂を参拝できます。

西新井大師

境内には、池やボタン・シャクヤクが咲く花壇などがありますが、この周囲はデコボコ段差があり、あまりバリアフリーではありません。

大きな藤棚があります。この藤棚の下には、ちょっとガタガタしますが、何とか車椅子でも行けます。

西新井大師

門前商店街では、お団子、お煎餅、豆がし、今川焼などのお店があり、グルメを楽しめます。車椅子のまま入れるお団子屋さんもあります。

西新井大師

「浅草寺」(台東区)

参道から本堂にかけて、浅草寺はバリアフリー構造で、車椅子でお参りができます。ただし大混雑時は車椅子では苦戦するので、通常の人出の日のお参りをお薦めします。

浅草寺

参道のスタート地点は雷門。常に観光客で込み合うので、車椅子では横を抜けて進みます。

浅草寺

参道を進むと「仲見世」に入ります。路面はフラットで車椅子での通行に問題はありません。

浅草寺

仲見世を抜けると「宝蔵門」へ。門の下は段差構造のお寺が多いのですが「宝蔵門」はバリアフリーです。車椅子で「宝蔵門」をくぐり境内に向ってください。

浅草寺

「宝蔵門」の先も参道はフラットな舗装路です。

お水舎は車椅子ではやや苦戦します。無理のない範囲で清めてください。

「常香炉」は車椅子でも何とかなります。問題は混雑だけです。

浅草寺

本堂前に到着します。本堂階段前の行列が20~30mくらいなら、そのままエレベーターを目指します。エレベーターは本堂の左側。大きなサインがあるので、すぐに分かります。

浅草寺

エレベーターは地上と本堂の2フロア対応。本堂フロアに着いた先はスロープで進みます。そしてそれほど横入りする感覚もなく、お参りができるはずです。

浅草寺

本堂内は車椅子で移動できますが、内陣は段差構造で土足厳禁です。また本堂右側にはスロープがないので、車椅子で外部に出ることは出来ません。

浅草寺

「長国寺・鷲神社」(台東区)

酉の市で有名な浅草の「おとりさま」。「お寺のおとりさま」が「長国寺」。「神社のおとりさま」が「鷲神社」。並んで建つお寺と神社です。「長国寺」が本家です。1868年に明治政府の「神仏分離令」で寺社引き分けが行われ、そのまま現在に至っています。

浅草おとりさま

どちらも参道は車椅子で通行可能。寺社をつなぐ通路も車椅子で通行可能。平時であれば、寺社の中間地に参拝者用駐車場があり利用することができます。バリアフリートイレは「鷲神社」の境内にある公衆トイレに併設されています。

浅草おとりさま

「長国寺」本堂のお参りは車椅子からできます。本堂の中へは靴を脱いで上がる段差構造で、車椅子のままでは行けません。

浅草おとりさま

「鷲神社」の参拝所はスロープ対応。車椅子で上ると「なでおかめ」があります。

浅草おとりさま

「おでこをなでれば賢くなり、目をなでれば先見の明が効き、鼻をなでれば金運がつく、向かって右の頬をなでれば恋愛成就、左の頬をなでれば健康に、口をなでれば災いを防ぎ、顎から時計回りになでれば物事が丸く収ま」ります。

浅草おとりさま

「酉の市」の日は、あまりの混雑で危険があるということで、「なでおかめ」はしまわれます。

鷲神社

「鷲神社」の「大鳥居」の横には「大熊手」が常時展示。「長国寺」の本堂正面の欄間には、雌雄の鷲が彫り込まれています。いずれも車椅子からの見学は可能です。

鷲神社

「入谷鬼子母神」(台東区)

正式名称は「法華宗真源寺」。下谷七福神の福禄寿を祀るお寺でもあります。境内はバリアフリーで、車椅子で参拝ができるお寺です。

入谷鬼子母神

はっきりとした駐車区画はありませんが、境内は駐車可能です。邪魔にならない隅に停めます。駐車は参拝者が参拝している間だけ。「朝顔まつり」の期間は不可。空いている時だけに許されるマイカー駐車です。

本堂に祀られるのは鬼子母神。「きしもじん」と濁らずに発音するのがツウとされます。

入谷鬼子母神

別の祠には福禄寿。どちらも車椅子で快適に参拝出来ます。

入谷鬼子母神

入谷鬼子母神

「恐れ入谷の鬼子母神」とは、1000人の子ども食べた鬼子母神、だから恐れる、という意味ではありません。ご利益で難病が治ったという江戸時代の逸話を基に、そのご利益に恐れ入った、という意味です。このコピーを作成したのは、江戸中期の狂歌師、太田蜀山人と伝えられます。

入谷鬼子母神

毎年3日間で40万人を動員する夏の一大イベント「朝顔まつり」。イベントとしては昭和23年からの開催です。江戸時代からこの地区では朝顔栽培が盛ん。人気のピークは明治時代中期。十数軒の植木屋がそれぞれ朝顔を栽培し販売していました。その後大正時代に入谷の植木屋が全滅。戦後復興のために企画され現在まで続いているのが、入谷「朝顔まつり」です。

入谷鬼子母神

「法昌寺」(台東区)

入谷交差点からほどない場所に建つ小さな古刹。下谷七福神の一つですが、一躍有名になったのは「たこ八郎地蔵」の建立。赤塚不二夫氏、山本晋也氏などが発起人です。

入谷法昌寺

江戸前期からこの地にある古刹ですが、境内はフラット。車椅子での参拝は可能です。専用駐車場はありません。

「たこ八郎地蔵」は、たこ八郎さんに似ていません。涼しげなハンサム顔で男前です。耳がかけているのが本人証明。そして額はあの髪型になっています。

たこ八郎地蔵

前垂れに部に刻まれた「めいわくかけてありがとう」の字句は、本人直筆です。

たこ八郎地蔵

お堂に収まる「毘沙門」様は鬼の形相。

入谷法昌寺

他に、立派な「日蓮上人像」、山門横には「救世観世音堂」がある古刹です。

入谷法昌寺

たこ八郎地蔵は本堂の横に建ちバリアフリー。本堂拝殿は段の上ですが、お地蔵さまは車椅子でお参りできます。毘沙門様は、ちょっと狭いルートを通りますが車椅子で参拝可。日蓮上人像、救世観世音堂も、車椅子で参拝できます。

入谷法昌寺

「花園稲荷神社・五條天神社」(台東区)

上野公園、上野の山の中腹に並んで鎮座する2つの神社です。神様間の関係は特になく、たまたま隣にあるだけ。「花園稲荷神社」は縁結び。「五條天神社」は医薬祖神で、無病息災病気平癒。それぞれパワースポットとして近年人気がある神社です。山の中腹なので、一般ルートは階段。車椅子での参拝はルートを選びます。

花園稲荷神社・五條天神社

車椅子で参拝可能ですが、上野の山登りなので楽ではありません。きつい坂道ですが、車で「上野精養軒」に向かう一通の車道を上ってください。あるいは遠回りですが、上野公園内のメインルートから、一通の車道に向かってください。「五條天神社」の境内南側まで来れば、スロープが用意されています。

花園稲荷神社・五條天神社

また、この地点から「花園稲荷神社」へ、細いながらも段差のない道が繋がっています。いずれも快適なバリアフリー通路とは言えませんが、車椅子で何とか社殿に向かえます。

花園稲荷神社・五條天神社

この先が難関なのは「花園稲荷神社」です。小さな社殿で、参道は人が二人並ぶだけの幅の狭い石畳み。とても人気がある神社で、参拝に行列が出来ることも。そうなると車椅子の居場所の確保が大変。参拝後に石畳み参道を引き返す際も、行列の皆さんに協力を願います。また赤い鳥居が連なる人気の参道は階段で、車椅子の通行は不能です。

花園稲荷神社・五條天神社

「五條天神社」はつづら折りスロープを通り社殿前へ。拝殿場所は段差の下で広々しています。

花園稲荷神社・五條天神社

両神社とも、車椅子参拝は坂道、狭い参道、それなりに苦労しますが、手水舎、狛犬、狐、鳥居など、パワースポット然とした雰囲気が一面に漂います。

花園稲荷神社・五條天神社

「東京バリアフリー神社」の紹介記事は、他に「都心編」「西部編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。

車椅子で参拝できる東京のバリアフリーな神社仏閣~都心部編~

車椅子で参拝できる東京の神社仏閣を紹介します。本稿は「東京都心部編」です。千代田区、中央区、港区のバリアフリーな神社仏閣を紹介します。

「神田明神」(千代田区)

2017年から2018年にかけて再整備事業が行われ、境内の歩道が全面舗装されました。また「鳳凰殿」を取り壊して「文化交流館」を新設したことにより、本殿の前は広場のような空間になり正面参道が広くなりました。

神田明神

2018年に開館した「文化交流館」は地上4階、地下1階の構造で、1Fにはお土産が買える「EDOCCO SHOP」と飲食の「EDOCCO CAFÉ」。どちらもフラットでスペースの余裕があり車椅子での利用は可能です。

神田明神

2Fと3Fは700名収容の「神田明神ホール」。4Fは多目的ラウンジ。B1はステージがある「EDOCCO STUDIO」。いずれも基本設計はバリアフリー仕様です。バリアフリートイレは3Fを除く各フロアに用意されます。

神田明神

「文化交流館」の正面前には「だいこく様」。入口の横には「えびす様」がいらっしゃいます。どちらも周囲はフラット構造で車椅子での参拝は可能です。

境内には他にも、数多くのお末社や銭形平次の碑など、見どころが多々あります。

神田明神

「日枝神社」(千代田区)

日枝神社

車でアクセス出来ればバリアフリーです。車で坂道を上がると、山頂の境内周辺に参拝者用の無料駐車場があります。車椅子利用者は、車で山頂まで上がってからの参拝をお薦めします。

日枝神社

「日枝あかさか」側からと「お稲荷様」側の両方向から車椅子で境内に入ることが出来ます。境内にはバリアフリールートがあり、拝殿へ上がる段差箇所には迂回スロープがあります。バリアフリートイレは境内の外、「斎館」にあります。

日枝神社

日枝神社境内の見どころの一つは「猿像」。猿なので「えん」、だから「縁」という語呂合わせで、近年では縁結びに御利益があることになっています。

日枝神社

もう一つは「藤棚」。花の季節には藤棚の下に赤い毛氈が敷かれた休憩台がおかれ、ゆっくり座って花を観賞できます。

日枝神社は空襲で焼失しているので、現在あるものはすべて戦後に再建されたものです。

日枝神社

「靖国神社」(千代田区)

境内ほぼ全域に舗装された通路が配置されているので、車椅子での通行に決定的な問題はありません。ただし九段下側からアクセスすると、長い上り坂を通ることになります。

靖国神社

第二鳥居から西側の本殿周辺にかけては傾斜のないフラットな地形なので、坂道が苦手な車椅子利用者は、車で第二鳥居周辺まで来るのがお薦めです。

靖国神社

第一鳥居はスロープがあります。本殿周辺から神池庭園へ向かうルートもフラットな舗装路です。

靖国神社

神池庭園から南門方面に抜けるルートだけは砂利道で、車椅子では通行に苦戦します。

靖国神社

「水天宮」(中央区)

2016年、新社殿が完成しました。新社殿は地下と1Fは有料駐車場、2F部が社殿、3Fが事務所の構造です。

水天宮

地下および1Fの駐車場からは、エレベーターで2Fへ直結。2F屋内部に「神札所」があり、さらに安産祈祷の「待合所」があります。

直結駐車場を利用せずに参拝に来た場合、車椅子利用者は社殿の裏側に向うと、やや解り難い場所にB1駐車場からの直結エレベーターの1F口があります。エレベーターは1基だけです。

水天宮

バリアフリートイレは、このエレベーター口の先に1つ用意されています。

水天宮

拝殿は2F空中境内の屋外スペースに建っていますが、「本殿」へは屋内からスロープ通路で、2F屋内部からそのまま行くことが出来ます。安産祈祷に来る妊婦さんにとって、その当日が雨でも車で来れば全く濡れずに祈祷できます。

水天宮

一般参拝の場合は、2Fでエレベーターを降りて「神札所」がある屋内空間へ。そこから外の空中境内に出ると拝殿があります。拝殿は数段の階段の上です。

水天宮

2Fの空中境内には「子宝いぬ」の像、「安産子育河童」、“あうん”の「狛犬」一対、お末社の弁財天などがあります。

水天宮

「築地本願寺」(中央区)

石造りの古代インド様式。ステンドグラスに、パイプオルガンがある寺院です。

築地本願寺

本堂は階段の上ですが、車椅子利用者用のエレベーターがあり、館内にはバリアフリートイレもあります。本堂内は椅子が置かれるフラット構造です。

築地本願寺

浄土真宗本願寺派の寺院。本山は京都の西本願寺。ご本尊は「阿弥陀如来」。宗祖は親鸞聖人です。

築地本願寺

新設された「インフォメーションセンター」は、バリアフリー仕様です。ブックセンター、カフェ、ガイドビデオが放映される多目的ルームは車椅子で利用できます。

築地本願寺

とても綺麗なバリアフリートイレがあります。ユニバーサルベッドはありません。

ただし2Fのルコニーへは階段のみです。

築地本願寺

「福徳神社」(中央区)

別名は芽吹神社。千年の歴史をもつ都内有数の古社で、駐車場の屋上に鎮座していた時代もある「さまよえる神社」の異名をもつ神社です。日本橋コレド室町の一角にあります。

福徳神社

神殿は5段ほどの階段を登った上に鎮座しています。車椅子利用者は正面から見て左手に進むと、地下駐輪場と地上と神社階を結ぶエレベーターが1基あり、車椅子で境内に上がることが出来ます。

福徳神社

江戸時代に富くじの発行が許された神社で、参拝所に宝くじの当選を祈る専用のコーナーがあります。

福徳神社

神社の横は「福徳の森」、日本橋の鎮守の森です。地下2階部には、災害時に備えた物資の備蓄設備もあります。

福徳神社

コレド室町内にバリアフリートイレが複数あります。アクセスは地下鉄駅直結で、地下駐車場もあり、いずれもバリアフリーです。

「豊川稲荷東京別院」(港区)

最寄駅は赤坂見附で、赤坂御用地の隣です。参拝者専用の無料駐車場があります。

赤坂豊川稲荷東京別院

正門入口は段差があるので、車椅子利用者は駐車場から境内に向かって下さい。

赤坂豊川稲荷東京別院

赤坂豊川稲荷東京別院

境内はバリアフリー設計ではありませんが、およそ境内の7割ほどは車椅子でまわることができます。

赤坂豊川稲荷東京別院

駐車場の横には「文化会館」があり、1Fにはお茶屋さんが4~5軒営業しています。名物は「稲荷寿司」で、他に甘味や土産物などを販売しています。

豊川稲荷東京別院

本殿の前には狛犬ならぬ狛キツネが鎮座します。本殿の参拝所は両側からスロープがあります。車椅子で参拝できます。

赤坂豊川稲荷東京別院

赤坂豊川稲荷東京別院

車椅子での通行が難しいのは、千本のぼりが奉納されている「奥の院」周辺です。通路が石畳や一部飛び石で、小さなデコボコや段差が多々あります。

赤坂豊川稲荷東京別院

お札やお守りの授与をする「三所殿」などは車椅子で利用できます。

赤坂豊川稲荷東京別院

「山門」は外部からは階段の上なので、境内から見学します。「山門」横の「子宝観音」は、ご利益のある大型の観音様です。

赤坂豊川稲荷東京別院

駐車場側にある「霊狐塚」は、信者から納められたキツネの像がいくつも並びます。このキツネ象は、供養されて地下のスペースに納付されます。周辺は車椅子で参拝可能です。

豊川稲荷東京別院

本殿横に「弁財天」が祀られています。小川が流れザルが用意され、銭を洗うことが出来ます。「弁財天」だけではなく、境内には七福神が勢ぞろいしていています。

赤坂豊川稲荷東京別院

大岡越前のお墓「大岡廟」がある「豊川稲荷」ですが、そもそもは大岡越前が私邸に建てたお社でした。当時の江戸では庶民の間に稲荷信仰が盛んで、大岡越前も月に二日間は一般庶民に私邸を開放し、参拝を許していたそうです。その後、大岡越前邸の一部を正式に豊川稲荷東京別院とし、常時一般開放されるようになりました。

赤坂豊川稲荷東京別院

明治維新後の廃仏毀釈政策により、お寺に変りました。ここは神社ではなく、お寺のお稲荷様で、曹洞宗の「豊川閣妙厳寺」が正式名称。作法は二礼二拍手ではありません。

豊川稲荷東京別院

現在の地に拡大移転したのが明治20年と伝えられます。最初の創建からは約200年。この地に移ってから約130年の歴史です。

赤坂豊川稲荷東京別院

本山は、愛知県の豊川市にあります。ここは東京別院。単に豊川稲荷というと、愛知県のお寺を指します。

赤坂豊川稲荷東京別院

「金刀比羅宮」(港区)

読み方は「コトヒラグウ」。虎ノ門にあるビル一体型神社です。桜田通りから見た場合、26階建ての琴平タワーの横に鳥居があり、近代的な印象を受ける参道を進むと左手に社殿があります。この地に1679年から鎮座するお宮です。

ビル一体都市型神社 虎ノ門金刀比羅宮 車椅子参拝バリアフリー情報

基本はバリアフリーで玉砂利などはありませんが、参拝所の最後のところは4段ほどの階段で、車椅子での参拝はできません。車椅子では階段の下からの参拝になります。現在の社殿は、戦時中に焼失した本殿を1951年に再建したものです。

金刀比羅宮

琴平タワーが竣工して現在の姿になったのが2004年。社殿は旧建築のままですが、社務所は琴平タワーの1階の一部、手水舎や神楽殿は2004年の新築です。

虎ノ門金刀比羅宮 車椅子参拝バリアフリー情報

琴平タワーの前に建っていたビルが「琴平会館ビル」でした。再開発では「総合設計制度」を活用し、金刀比羅宮の社殿をそのまま残すことで発生する余剰容積を活用してタワーを建築。タワーのデザイン上の特徴はアルミカーテンウォールの採用。これによって和風建築のテイストを醸し出して、金刀比羅宮と一体化した建築デザイン上の連続性を狙っています。開発の主導は三井不動産です。

金刀比羅宮

「東京バリアフリー神社」の紹介記事は、他に「東部編」「西部編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。

車椅子で行く浅草 お薦めできるバリアフリー観光情報

浅草は近年バリアフリー化が進んでいます。車椅子での浅草観光に役立つ、観光スポットのバリアフリー情報をお届けします。

○雷門周辺から仲見世へ

車椅子浅草観光の第一の問題はトイレです。「雷門」の正面にある「浅草文化観光センター」で、バリアフリートイレを借りることが出来ます。エレベーターを利用せずに使える1Fの「だれでもトイレ」がとても便利です。オストメイトに大人が利用できるユニバーサルベッドの用意があります。1Fの他に4Fと7Fにも「だれでもトイレ」があります。この2か所のトイレにはオストメイト、大型シートはありません。

浅草~バリアフリー情報

「雷門」は大混雑します。車椅子では横を抜けて進み、門を過ぎたところで後方から門の裏正面へ行くのがお薦めです。「雷門」の裏側は、通常それほどは混雑しません。

浅草~バリアフリー情報

「雷門」から浅草寺方面へ進むと「仲見世商店街」にでます。この間の道はフラットで車椅子で移動可能です。「仲見世」は全長約250m。混雑していることを除くと、車椅子で利用しやすい商店街です。路面はフラットでバリアフリー。そして仲見世のお店は車椅子で利用し易い低めの高さで、ほとんどのお店は店内に入ることなく買い物ができます。

浅草~バリアフリー情報

浅草寺のお参り

仲見世を抜けると「宝蔵門」へ。門の下は段差構造のお寺が多いのですが、「宝蔵門」はバリアフリーです。

浅草~バリアフリー情報

「宝蔵門」の先も参道はフラットな舗装路です。お水舎は車椅子ではやや苦戦するので、無理のない範囲で浄めてください。「常香炉」は車椅子でも何とかなります。問題は混雑だけです。

本堂前に到着します。エレベーターは本堂の左側です。大混雑時は別ですが、本堂階段前の行列が20~30mくらいなら、そのままエレベーターを目指して大丈夫です。大きなサインがあるので、すぐに分かります。

浅草~バリアフリー情報

エレベーターは地上と本堂の2フロア停止。本堂フロアに着いた先はスロープで進みます。そしてそれほど横入りする感覚もなく、お参りができるはずです。

浅草~バリアフリー情報

本堂内は車椅子で移動できますが、「内陣」は段差構造で土足厳禁です。また本堂右側にはスロープがないので、車椅子で外部に出ることは出来ません。

浅草~バリアフリー情報

○浅草六区周辺から「ひさご通り」商店街へ

浅草寺の西側が「浅草公園六区」のエリアです。

2015年に商業施設「まるごとにっぽん」がオープン。1Fから4Fまでの商業施設です。1Fの出入り口は2カ所で、どちらもフラットな床面でバリアフリー構造です。そして入るとすぐにエレベーターがある設計です。エレベーターは2系統4基あります。

1Fは「にっぽん食市場」。「蔵」の売り場内通路は、車椅子では利用が難しい狭い幅です。

2Fは「くらしの道具街」。3Fは「たいけん広場」。2Fと3Fは車椅子での利用に大きな問題がない、余裕があるフラットな動線が確保できています。

4Fは「ふるさと食堂街」。4F食堂街のほとんどの店舗は入口に段差があります。

バリアフリートイレは3Fに一つだけあります。

まるごとにっぽん

「浅草ROX」は4つの棟からなる複合施設です。9階建ての「ROX」は一般商業施設は5Fまでで、6Fから9Fには日帰り温泉施設、フィットネスクラブなどが入ります。

浅草ROX

他に、「ROX2」は4階建て。建て直されて2015年に開業した「ROX・3G」は5階建て。そして2階建ての「ROX DOME」があります。

バリアフリートイレは「浅草ROX・3G」3Fと「ROX」の5Fに各1つあります。

浅草ROX

六区の北側には「浅草ひさご通り商店街」があります。

浅草ひさご通り商店街

そこにある「江戸たいとう伝統工芸館」は、伝統工芸品を紹介する台東区の施設です。入場は無料。江戸指物、江戸べっ甲、東京銀器などの製品の実物展示。その歴史や製法の展示紹介。週末には職人による製作実演が行われます。

エントランス周辺はフラットで出入口は自動ドアです。車椅子での出入りに問題はありません。2フロア構成でエレベーターが1基あります。各フロア内はフラットで通路幅は余裕があります。バリアフリートイレは1Fに1つ用意されています。

江戸たいとう伝統工芸館

○浅草EKIMISE

浅草寺の東側、隅田川方面のバリアフリー施設は「浅草EKIMISE」。東武スカイツリー線の始発「浅草駅」の駅ビルです。建物は1931年の竣工。改装されて「浅草EKIMISE」として全面開業したのが2012年です。B1から3Fまでが「松屋」。4Fから7Fまでが専門店街の「EKIMISE」。屋上が「浅草ハレテラス」です。

浅草~バリアフリー情報

外部より段差なく「浅草EKIMISE」に入れるのは、正面東武線の乗り場入口からのアクセスだけで、他の入口は段差があります。エレベーターは一系統二基で小型タイプ。エレベーターはよく混雑します。バリアフリートイレは3Fと7Fの2ケ所に、2010年に設置されました。

浅草~バリアフリー情報

長国寺・鷲神社

近隣の神社仏閣のバリアフリー情報です。

酉の市で有名な浅草の「おとりさま」。「お寺のおとりさま」が「長国寺」。「神社のおとりさま」が「鷲神社」。並んで建つお寺と神社です。「長国寺」が本家で、1868年に明治政府の「神仏分離令」で寺社引き分けが行われ、そのまま現在に至っています。

浅草おとりさま

どちらも参道は車椅子で通行可能。寺社をつなぐ通路も車椅子で通行可能。「鷲神社」の参拝所はスロープ対応で、「なでおかめ」は車椅子からでも撫でることができますが、「酉の市」の日はあまりの混雑で危険があるということで「なでおかめ」はしまわれます。また「鷲神社」の「大鳥居」の横には「大熊手」が常時展示されています。バリアフリートイレは「鷲神社」の境内にある公衆トイレに併設されています。

浅草おとりさま

「長国寺」の本堂の中へは靴を脱いで上がる段差構造。車椅子のままでは行けません。「長国寺」の本堂正面の欄間には、雌雄の鷲が彫り込まれていて、車椅子からの見学は可能です。

浅草おとりさま

平時であれば、寺社の中間地に参拝者用駐車場があり、利用することができます。

鷲神社

○下谷神社

読み方は「したや」。地下鉄稲荷町駅の近くにあり、駅名に残る町名の由来になったお稲荷様です。上野駅からも近い「下谷神社前」の交差点にある、真っ赤な大鳥居が目印です。

下谷神社

その先の境内の入口には、石の鳥居があり、正面には社殿がそびえます。

下谷神社

石の鳥居をくぐると、左手に手水舎があります。

下谷神社

この手水舎には、手を清める作法が、かわいらしいイラストで説明されています。車椅子で手を清めることが出来るかは、ギリギリです。

下谷神社

社殿の前には階段。参拝場所は段の上で、車椅子では段の下からの参拝になります。

下谷神社

社殿内の最も手前にある拝殿の間の天井に、横山大観筆の「龍」の天井画があります。縦174cm横296cmの大作。雲の中に突如現れた龍を描いた水墨画です。この絵を、拝殿に上り鑑賞することができます。横山大観の天井画が製作されたのも昭和9年の社殿再建の際。戦火を逃れた天井画です。

拝殿に上がるには、許可を得て、階段の上の参拝所で靴を脱ぎ、社殿に入る木製の段を上ります。この社殿への階段は、幅が狭くて急な段。車椅子どころか、足が少し悪いレベルの人でも厳しい階段です。

稲荷町にある下谷神社は東京で最も古いお稲荷様です。

下谷神社

境内には「下谷稲荷社」があります。路面はデコボコや一部段差がありますが、無理をすれば車椅子で参拝可能です。

下谷神社

「下谷神社」から浅草方面に向かうと、そこは「仏壇街」。仏壇を扱うお店が軒を並べます。

○かっぱ橋道具街

最後に「かっぱ橋道具街」のバリアフリー状況です。

かっぱ橋道具街

全長800mの道の両脇に、170店舗ほどが並ぶ道具街です。全店舗を見て回ると1600mの移動距離になります。

かっぱ橋道具街

ほぼ全域にわたりアーケードがついているので、車で来て「かっぱ橋道具街」のパーキングメーターに停めて、すぐにアーケードの下に入る動線であれば、小雨くらいなら車椅子で散策可能です。ただし交差点はアーケードが切れます。

かっぱ橋道具街

おおよそ40%くらいのお店は、車椅子である程度の店内回遊は可能ですが、完全にバリアフリーなお店は、数多くはありません。

かっば橋道具街

かっば橋道具街

2001年に出来た「生涯学習センター」内に、バリアフリートイレがあります。

かっば橋道具街

かっば橋道具街

かっば橋道具街

浅草は雷門周辺を中心に観光客で大変混雑します。車椅子で歩道を通行することが困難になることもあるので、注意してください。

(本稿は2018年の取材に基づいています)