東京十社での東京都千代田区の神田明神は、車椅子で参拝ができる神社です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
参拝者用の駐車場がありますが、収容台数が少なく利用できないことが多いので、近隣の有料駐車場の利用、徒歩でのアクセスをお薦めします。
本郷通り側から「隋神門」への参道はフラットです。門の近くの路面は、小さなコブになっている箇所があるので注意してください。
裏参道は急な階段です。車椅子では通行できません。
境内のバリアフリー状況です。2017年に境内の路面が全面舗装されました。車椅子で快適に境内の移動が出来ます。
鳳凰殿を取り壊して「文化交流館」を新設したことにより、本殿への正面参道が広くなりました。
本殿の前は広場のような空間になり、それを取り囲むように「明神会館」、「文化交流館」、本殿の裏側に「資料館」があります。
「御神殿」前までフラットな舗装路面を通り車椅子で行くことが出来ます。参拝の行列ができることが多い神社です。その場合は、御神殿前の階段に列ができてしまいます。
拝殿の横に段差迂回スロープが設置されています。参拝行列に横入りするイメージになってしまいますが、車椅子で賽銭箱の前に行くことができます。
反対側には御神殿内に入る段差解消スロープがあります。
2018年12月に開館した「文化交流館」の概要です。地上4階、地下1階の構造で、1Fの外側にお札やお守りの「授与所」、祈祷の「受付所」があります。
館内は、1Fにはお土産が買える「EDOCCO SHOP」と飲食の「EDOCCO CAFÉ」。どちらもフラットでスペースの余裕があり車椅子での利用は可能です。
2Fと3Fは700名収容の「神田明神ホール」。4Fは多目的ラウンジ。B1はステージがある「EDOCCO STUDIO」。いずれも基本設計はバリアフリー仕様です。
バリアフリートイレは3Fを除く各フロアに用意されます。
「文化交流館」にはエレベーターが1基あります。1Fは誰でも利用できるフリースペースですが、B1や2F以上は各施設を利用する人のためのフロアです。したがって一般用にはエレベーターを運行していません。
B1から本殿および資料館へ地下通路が伸びています。この通路は該当施設を利用する人だけの施設で、一般には開放されていません。資料館が有料公開されている期間は、観覧券を購入して見学ができます。
この地下通路は途中に階段がある構造です。車椅子では通行できません。また資料館は3フロア構造で、階段しかありません。しかし資料館の入口には段差解消スロープが設置されています。
「文化交流館」の正面前には「だいこく様」。入口の横には「えびす様」がいらっしゃいます。どちらも周囲はフラット構造で車椅子での参拝は可能です。
境内には他にも、数多くのお末社や銭形平次の碑など、見どころが多々あります。
御神殿の横の獅子山は、平成2年に再建されました。
神田明神の主なお守りを紹介します。
「勝守」「かちまもり」と読みます。関ヶ原の戦いの前に家康が神田明神に戦勝を祈願して、天下分け目の戦いに勝った、そのご利益があるお守りです。
「おねがい兎守」。因幡の白ウサギのお話で、大黒様は兎のお願いを聞きとどけてくれました。ということは兎になってお願いをすると願いは叶う、という論理構成で、お守りの中には兎マスコットがついた短冊が入り、そこに願いを書くお守りです。
「IT情報安全守護」。平成14年に発売が開始された、情報システム関連のトラブルを防止してくれるお守りです。ウィルス感染、パソコンの突然のフリーズ防止などにご利益があります。電気街が氏子の神社なので、ニーズに応えたお守りということです。そして2014年には、個人情報保護法の施行にともない、個人情報漏えい防止のご利益も加わりました。
更には、通常のお守りとこの「IT情報安全守護」、これに名刺入れを加えた3点セットの「しごとのおまもり」パックがあります。パックのカバーカラーは3種類から選べます。
HPには「神田明神は創建から1300年目を迎える2030年をゴールに定めて、文化の鼓動を生むを合言葉にして創建1300年記念事業を展開しています」と記されています。
2018年に境内大改修が完了し、神田明神は車椅子で参拝しやすいバリアフリー神社になりました。
東京十社のバリアフリー状況を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年2月に加筆修正しました)