車椅子で参拝できる東京バリアフリー神社~東部編~

車椅子で参拝できる東京バリアフリー神社~東部編~

車椅子で参拝できる東京の神社仏閣はどこか。本稿は「東京東部編」です。東京都区内東部エリアのバリアフリーな神社仏閣を紹介します。

 

 

 

「柴又帝釈天」(葛飾区)

駅から参道にかけてはバリアフリーですが、境内の有料エリア「帝釈天彫刻ギャラリー」と「庭園」は段差構造なので車椅子での見学はできません。

柴又帝釈天

電車利用であれば、柴又駅から参道にかけて、車椅子での移動に大きな問題はありません。公衆トイレには障害者用が併設されています。

柴又帝釈天

駅前には「寅さん像」と旅に出る寅さんを見送る「さくら像」があります。「さくら像」は小さく見えますが、倍賞千恵子さんの等身大ということです。柴又駅前はフラット路面でバリアフリー。車椅子での「寅さん像」「さくら像」鑑賞に、混雑以外の大きな問題はありません。

柴又帝釈天

車の場合、車椅子利用者が乗降しやすいバリアフリーな駐車場が、駅近隣にはありません。よくあるタイプのコインパーキングなどの利用になります。

寅さんの世界の団子屋などがある帝釈天の参道は、車椅子で通行しやすいバリアフリー歩道。極端な混在さえなければ、参道でお団子を車椅子でいただくことは可能です。お店に入ってお団子をいただく、となると車椅子では苦戦する狭い店舗もあります。

柴又帝釈天

帝釈天境内は舗装路が限定的で、全般的に車椅子での参拝は苦戦します。「柴又帝釈天」は参道までがバリアフリーです。

柴又帝釈天

 

 

「富岡八幡宮」(江東区)

八幡様の門前の町だから「門前仲町」です。宮の創建は1627年。江戸三大祭の宮であり、東京十社であり、深川七福神でもあります。

富岡八幡宮

本殿の裏手に参拝者用の無料駐車場があります。ただしそれほどバリアフリーではありません。駐車スペースから境内へは未舗装のデコボコしたルートを通ります。また正月3が日は混雑対策で駐車場は閉鎖されます。

地下鉄門前仲町駅にはエレベーターが設置されました。

富岡八幡宮

一般的な参拝ルートは、永代通り沿いの大鳥居から入り、正面参道へ。距離の短い参道ですが、お土産屋さんや飲食店が並びます。右手には「大関力士碑」。「横綱力士碑はここではありません」という掲示があります。正面参道は、ややデコボコもありますが、大きな問題はなく車椅子で通行できます。

左手に「手水舎」が出てくると、その先は境内に向かう階段。右手に階段を回避するスロープがあるので、車椅子利用者は迂回します。やや傾斜がきついので、介助者がいると安心なスロープです。スロープを上り本殿へ向かいます。

富岡八幡宮

ご本殿の正面は階段。スロープは正面右手にあります。スロープを上がると拝殿です。本殿は1956年に再建されました。スロープが社殿に溶け込んだ風景になっています。

富岡八幡宮

深川七福神の「恵比須社」はご本殿の西側。ご本殿から恵比須社などのお末社があるエリアに向かう途中にも階段があり、スロープがあります。やや傾斜がきついので、介助者がいると安心なスロープです。

富岡八幡宮

「横綱力士碑」はご本殿の東側。ご本殿からは未舗装路交じりのデコボコした道を通りますが、気合を入れれば車椅子で行けないことはありません。「横綱力士碑」は4段の階段の上にあり、ここにはスロープはありません。「横綱力士碑」は歴代の横綱の名が刻まれた碑です。賽銭箱はありません。

富岡八幡宮

 

 

「成田山深川不動堂」(江東区)

門前仲町「富岡八幡宮」に隣接する寺院です。専用駐車場はありません。車の場合は永代通りがパーキングメーター設置路線なので、空いていればそこの利用が便利です。

成田山深川不動堂

門前商店街を通り、寺院入口へ向かいます。寺院に入ると正面に階段を上がる「旧本堂」が見えます。左側が「新本堂」で、その入口から本堂内のバリアフリールートが始まります。受付窓口があるので声をかけてください。案内をしていただけます。

「新本堂入口」からは土足厳禁です。靴を脱いで、車椅子のタイヤは雑巾でよく拭いて入ります。出るときもここから出るので、靴は靴箱に入れます。

ここから「祈りの回廊」を通ります。この回廊は、1万体のクリスタル五輪塔が奉安され、暗いなかで五輪塔にだけ照明があたる、幻想的な回廊です。誰でも自由に参拝できます。

1Fの入口から2Fに上がる回廊なので、行きは上り坂です。車椅子の方は介助者がいたほうが安心です。回廊の通路幅は車椅子幅くらいしかありません。一方通行ではないので、車椅子利用の場合は反対側から人が来たらすれ違いは出来ません。回廊をぬけると護摩法要が行われる本堂の中心部にでます。

成田山深川不動堂

護摩法要は、火を焚き太鼓と読経が鳴り響きます。祈祷を申し込まない方でも見学可能。毎日5回定時に行われます。祈祷の方は、自分のバックを護摩の火にかざすという儀式があります。

護摩法要のフロアにも美術品が展示されています。さらにエレベーターで上階に向かいます。各フロア、いくつも部屋があり、彫刻や天井画など様々な仏教美術が車椅子ですべて無料で鑑賞できます。

帰りは逆のルートです。車椅子利用では人とすれ違えないので、上ってくる人の気配がないことを確認してから「祈りの回廊」を下ります。

 

 

 

「亀戸天神」(江東区)

公式名称は「花の天神様 東宰府天満宮 亀戸天神社」。本所界隈の開発を進める江戸幕府が土地を寄進。1662年の建立と伝えられます。梅、藤、菊、いずれも美しい。それぞれの季節に参拝に訪れる価値があります。

亀戸天神

バリアフリーで参拝可、という案内になっていますが、正面入り口には段差があり、境内中央にある二つの「太鼓橋」は、車椅子では通行できない構造です。また亀戸天神には障害者用トイレがありません。車椅子での参拝可能ルートを紹介します。

亀戸天神

亀戸駅、錦糸町駅、押上駅からは、いずれも1km以上あり、更に歩道はあまり快適なバリアフリー状況ではありません。専用の無料駐車場がありますが、混雑時の利用は大変です。タクシー利用または車で近隣の有料駐車場の利用が便利です。

亀戸天神

境内南側の正面入口は階段でスロープはありません。車椅子で境内に入場できる入口は境内の東西両脇にあるので、境内の外壁に沿って右か左に回ってください。境内の北側、本殿の近くに東西とも入口があります。ただし多少の段差やデコボコがある入口です。

亀戸天神

境内は二つの「太鼓橋」以外の箇所は、車椅子で通行可能なレベルのデコボコ路です。快適なバリアフリー通路ではありませんが、なんとかなります。

車椅子での通行は、二つの「太鼓橋」を避けながら、境内をジクザクに回るイメージです。混雑時は人にぶつからないように、気をつけて通行してください。

亀戸天神

参拝です。本殿の参拝所は段差の上。車椅子での参拝は、段差の下からになります。本殿参拝の行列が伸びて「太鼓橋 女橋」まで伸びると、車椅子では行列に参加することができません。

亀戸天神

本殿の正面からみて左側にある牛の像が「神牛」。手を伸ばせば車椅子からでも、鼻や足に手が届きます。「神牛」参拝は行列ができることは滅多にありません。

亀戸天神

周辺のお店で一番人気は「葛餅」の「船橋屋」で、複数のお店を構えています。イートイン店舗は「車椅子でも利用可」という案内ですが、行列が出来ているような混雑状況だとスペースがなく、車椅子での利用は苦戦します。お土産を買うだけなら、車椅子で十分に可能です。

 

 

 

「西新井大師」(足立区)

福祉車両専用の駐車場、本殿に上るエレベーターがあり、障害者用トイレの用意もあります。ただし境内の通路はほとんどがガタガタする石畳のため、車椅子での通行は快適ではありません。

西新井大師

お寺の方の言い方だと「福祉車両」用ということですが、足の悪い方などのために3台分の駐車スペースが境内に用意されています。寺院の北側にある車両祈祷のための車入口から入り、そこにお寺の方がいるので事情を話してください。身体障害者手帳の提示などは不要で、無料で駐車できます。ただし砂利敷きの駐車スペースです。お正月など混雑日は利用できません。

西新井大師

大本堂は正面から階段を上がり参拝する構造ですが、裏側にエレベーターがあり自由に利用できます。中が見えない自動ドアがあるのでボタンを押すと、中にエレベーターが隠れています。2Fに上ると大本堂の裏面にでます。そこから右に進むと、バリアフリーに大本堂を参拝できます。

西新井大師

境内には、池やボタン・シャクヤクが咲く花壇などがありますが、この周囲はデコボコ段差があり、あまりバリアフリーではありません。

大きな藤棚があります。この藤棚の下には、ちょっとガタガタしますが、何とか車椅子でも行けます。

西新井大師

門前商店街では、お団子、お煎餅、豆がし、今川焼などのお店があり、グルメを楽しめます。車椅子のまま入れるお団子屋さんもあります。

西新井大師

 

 

「浅草寺」(台東区)

参道から本堂にかけて、浅草寺はバリアフリー構造で、車椅子でお参りができます。ただし大混雑時は車椅子では苦戦するので、通常の人出の日のお参りをお薦めします。

浅草寺

参道のスタート地点は雷門。常に観光客で込み合うので、車椅子では横を抜けて進みます。

浅草寺

参道を進むと「仲見世」に入ります。路面はフラットで車椅子での通行に問題はありません。

浅草寺

仲見世を抜けると「宝蔵門」へ。門の下は段差構造のお寺が多いのですが「宝蔵門」はバリアフリーです。車椅子で「宝蔵門」をくぐり境内に向ってください。

浅草寺

「宝蔵門」の先も参道はフラットな舗装路です。

お水舎は車椅子ではやや苦戦します。無理のない範囲で清めてください。

「常香炉」は車椅子でも何とかなります。問題は混雑だけです。

浅草寺

本堂前に到着します。本堂階段前の行列が20~30mくらいなら、そのままエレベーターを目指します。エレベーターは本堂の左側。大きなサインがあるので、すぐに分かります。

浅草寺

エレベーターは地上と本堂の2フロア対応。本堂フロアに着いた先はスロープで進みます。そしてそれほど横入りする感覚もなく、お参りができるはずです。

浅草寺

本堂内は車椅子で移動できますが、内陣は段差構造で土足厳禁です。また本堂右側にはスロープがないので、車椅子で外部に出ることは出来ません。

浅草寺

 

 

「長国寺・鷲神社」(台東区)

酉の市で有名な浅草の「おとりさま」。「お寺のおとりさま」が「長国寺」。「神社のおとりさま」が「鷲神社」。並んで建つお寺と神社です。「長国寺」が本家です。1868年に明治政府の「神仏分離令」で寺社引き分けが行われ、そのまま現在に至っています。

どちらも参道は車椅子で通行可能。寺社をつなぐ通路も車椅子で通行可能。平時であれば、寺社の中間地に参拝者用駐車場があり利用することができます。障害者用トイレは「鷲神社」の境内にある公衆トイレに併設されています。

長国寺・鷲神社

「長国寺」本堂のお参りは車椅子からできます。本堂の中へは靴を脱いで上がる段差構造で、車椅子のままでは行けません。

長国寺・鷲神社

「鷲神社」の参拝所はスロープ対応。車椅子で上ると「なでおかめ」があります。

「おでこをなでれば賢くなり、目をなでれば先見の明が効き、鼻をなでれば金運がつく、向かって右の頬をなでれば恋愛成就、左の頬をなでれば健康に、口をなでれば災いを防ぎ、顎から時計回りになでれば物事が丸く収ま」ります。

長国寺・鷲神社

「酉の市」の日は、あまりの混雑で危険があるということで、「なでおかめ」はしまわれます。

長国寺・鷲神社

「鷲神社」の「大鳥居」の横には「大熊手」が常時展示。「長国寺」の本堂正面の欄間には、雌雄の鷲が彫り込まれています。いずれも車椅子からの見学は可能です。

 

 

 

「入谷鬼子母神」(台東区)

正式名称は「法華宗真源寺」。下谷七福神の福禄寿を祀るお寺でもあります。境内はバリアフリーで、車椅子で参拝ができるお寺です。

はっきりとした駐車区画はありませんが、境内は駐車可能です。邪魔にならない隅に停めます。駐車は参拝者が参拝している間だけ。「朝顔まつり」の期間は不可。空いている時だけに許されるマイカー駐車です。

入谷鬼子母神

本堂に祀られるのは鬼子母神。「きしもじん」と濁らずに発音するのがツウとされます。別の祠には福禄寿。どちらも車椅子で快適に参拝出来ます。

入谷鬼子母神

「恐れ入谷の鬼子母神」とは、1000人の子ども食べた鬼子母神、だから恐れる、という意味ではありません。ご利益で難病が治ったという江戸時代の逸話を基に、そのご利益に恐れ入った、という意味です。このコピーを作成したのは、江戸中期の狂歌師、太田蜀山人と伝えられます。

入谷鬼子母神

毎年3日間で40万人を動員する夏の一大イベント「朝顔まつり」。イベントとしては昭和23年からの開催です。江戸時代からこの地区では朝顔栽培が盛ん。人気のピークは明治時代中期。十数軒の植木屋がそれぞれ朝顔を栽培し販売していました。その後大正時代に入谷の植木屋が全滅。戦後復興のために企画され現在まで続いているのが、入谷「朝顔まつり」です。

 

 

 

「法昌寺」(台東区)

入谷交差点からほどない場所に建つ小さな古刹。下谷七福神の一つですが、一躍有名になったのは「たこ八郎地蔵」の建立。赤塚不二夫氏、山本晋也氏などが発起人です。

江戸前期からこの地にある古刹ですが、境内はフラット。車椅子での参拝は可能です。専用駐車場はありません。

「たこ八郎地蔵」は、たこ八郎さんに似ていません。涼しげなハンサム顔で男前です。耳がかけているのが本人証明。そして額はあの髪型になっています。前垂れに部に刻まれた「めいわくかけてありがとう」の字句は、本人直筆です。

法昌寺

お堂に収まる「毘沙門」様は鬼の形相。他に、立派な「日蓮上人像」、山門横には「救世観世音堂」がある古刹です。

法昌寺

たこ八郎地蔵は本堂の横に建ちバリアフリー。本堂拝殿は段の上ですが、お地蔵さまは車椅子でお参りできます。

毘沙門様は、ちょっと狭いルートを通りますが車椅子で参拝可。

日蓮上人像、救世観世音堂も、車椅子で参拝できます。

 

 

 

「花園稲荷神社・五條天神社」(台東区)

上野公園、上野の山の中腹に並んで鎮座する2つの神社です。神様間の関係は特になく、たまたま隣にあるだけ。「花園稲荷神社」は縁結び。「五條天神社」は医薬祖神で、無病息災病気平癒。それぞれパワースポットとして近年人気がある神社です。山の中腹なので、一般ルートは階段。車椅子での参拝はルートを選びます。

花園稲荷神社・五條天神社

車椅子で参拝可能ですが、上野の山登りなので楽ではありません。きつい坂道ですが、車で「上野精養軒」に向かう一通の車道を上ってください。あるいは遠回りですが、上野公園内のメインルートから、一通の車道に向かってください。「五條天神社」の境内南側まで来れば、スロープが用意されています。

花園稲荷神社・五條天神社

また、この地点から「花園稲荷神社」へ、細いながらも段差のない道が繋がっています。いずれも快適なバリアフリー通路とは言えませんが、車椅子で何とか社殿に向かえます。

花園稲荷神社・五條天神社

この先が難関なのは「花園稲荷神社」です。小さな社殿で、参道は人が二人並ぶだけの幅の狭い石畳み。とても人気がある神社で、参拝に行列が出来ることも。そうなると車椅子の居場所の確保が大変。参拝後に石畳み参道を引き返す際も、行列の皆さんに協力を願います。また赤い鳥居が連なる人気の参道は階段で、車椅子の通行は不能です。

花園稲荷神社・五條天神社

「五條天神社」はつづら折りスロープを通り社殿前へ。拝殿場所は段差の下で広々しています。

花園稲荷神社・五條天神社

両神社とも、車椅子参拝は坂道、狭い参道、それなりに苦労しますが、手水舎、狛犬、狐、鳥居など、パワースポット然とした雰囲気が一面に漂います。

花園稲荷神社・五條天神社

 

 

 

「東京バリアフリー神社」の紹介記事は、他に「都心編」「西部編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。