多くの道の駅には、地元の食材や郷土料理をいただける、安くて美味しい食事処があります。しかし必ずしも車椅子で利用しやすいお店とは限りません。
食事処における必要なバリアフリー条件は利用者それぞれですが、一般にフラットな構造で出入口は自動ドア、店内の通路幅は余裕があり、車椅子で食事ができるスペースに余裕がある可動式のテーブル席があることが必要条件です。
道の駅の食事処は、セルフサービスのお店が多数あります。利用者の障がいと、介助者の状況によりますが、トレイの持ち運びをせずに済むには、セルフサービスではないお店、バイキングスタイルではないお店が、十分条件として挙げられます。
必要条件をほぼ満たした、車椅子利用者にお薦めできる食事処がある、関東の道の駅を紹介します。なお初期食に対応できる道の駅の食事処は、現時点では未発見です。
食事処は「レストランばとう」。フラットな床面に稼働式のテーブルと椅子席なので、車椅子での利用は可能です。席の間隔は余裕があるので、車椅子での店内奥への移動は可能です。名物は「いのしし丼」です。
水車が曳くそばの実を手打ちした蕎麦処が「水車館」。「水車館」は2棟体制で、本館の水車館が満席の場合は、お隣の「りんどう館」で食事が出来ます。席は車椅子で利用出来るテーブル席と、小間上がり席があります。
他に「和食処あんず館」があります。出入口はフラット構造。車椅子で利用出来る稼働式のテーブル席とカウンター席、そして小間上がりの掘りこたつ式の席があります。
食事処は「なすとらん」。地場の食材をつかった「おふくろの味」がコンセプトのレストランです。テーブル席なので車椅子での利用は可能です。とても人気が高く混雑が問題です。
中華料理の「花と華」は、フラットでテーブル席の、道の駅のイメージを超えた本格的なレストランです。
和洋食レストラン「はなみずき」は、スペースに余裕のあるお店で、テーブル席が約100席あります。「佐野ラーメン」や「いもフライ」などのメニューもあります。
レストラン「小山食堂さくら」は車椅子で利用しやすいお店です。エントランスから店内までスペースに余裕があるフラット構造。可動式のテーブルと椅子席で車椅子での利用は可能です。小山ブランドの牛肉、豚肉のメニューや小山ラーメンなどがいただけます。
ショップ棟内に小型フードコート仕様のうどん店があります。ここはスペースが狭く、空いていないと車椅子での利用は苦戦します。
食事処は2軒あります。「そば処 蕎粋庵」はテーブル席があるお店で、蕎麦屋としては店内スペースや席幅に余裕があります。
食事と甘味の「かなめ屋」もテーブル席のお店です。日光生ゆばの天丼などがいただけます。
別棟があり「そば打ちめいじん亭」と「下妻食堂陽陽」が入ります。この2店は車椅子で利用できます。ただし「下妻食堂陽陽」はセルフサービスです。
本館内にフードコート「しもん亭」があり、セルフサービスに対応できれば構造的には車椅子での利用は可能です。
レストラン「華こぶし」は可動式のテーブル席を確保できれば、車椅子で利用できます。地場産に拘ったメニューで、野菜とお米、そして常陸秋そば、ローズポーク、ナマズ。天然ナマズ天丼があります。
フードコートでは、お饅頭、お団子の単品から、肉まん、から揚げ、ラーメンなどの軽食類まで販売しています。セルフ形式ですが、席は車椅子での利用が出来る、椅子移動が可能なテーブルです。
レストラン「キッチンTAKO」は2015年に全面改装されました。店内スロープは緩やかで、可動式のテーブル席が店内とテラスにあり、車椅子で利用可能です。「多古米」や「やまと芋」を楽しめるメニューが用意されています。
店内の一部の席は、車椅子で利用しにくい固定席があります。注文は食券制で、お茶やお水はセルフサービスです。健常な同行者がいると助かります。車椅子利用者だけの場合は、お店のスタッフに相談してください。
和田浦の特産品であり食文化である、クジラがテーマの道の駅です。
食事処「和田浜」は、フラットでスペースに余裕があり、可動式のテーブルと椅子席で、車椅子での利用は可能です。クジラ料理など海の幸中心のメニューです。営業時間は18時までです。
レストランや休憩所が入る棟は、バリアフリーレベルが高い新しい施設です。
農村レストラン「カントリーマム」は、地場の食材を中心にしたおふくろの味が味わえる食堂です。オープンキッチン形式で、車椅子で手ごろな値段から食事がいただけます
物産センターの奥に食事処「そば蔵」があります。店内は広くはありませんが、スペース的な余裕はあります。小間上がり席と固定式のカウンターに可動式の椅子の席、そして可動式のテーブルと椅子席があります。小間上がり席以外は、車椅子での利用は可能です。
2019年のリニューアルで、東京広尾でお店をかまえるシェフが経営するイタリアンレストラン「ブラッチェリーア・ロトンド 小淵沢」がオープンしました。
フラットでテーブル席のレストランです。地元の食材と水が自慢のメニューがあります。
巨大な施設で地産地消の飲食店が4軒とラーメン店が2軒、カフェが1軒あります。
「欧州食堂バンデミュール」は、上州牛のビーフシチューが自慢のお店。フラットな構造のスペースに余裕があるテーブル席で、車椅子で食事が楽しめます。
韓国料理の「ソムシバン」は、地元の野菜をつかったビビンバ専門店。テーブル席のお店です。
「さかな屋すし魚健」は高崎の魚市場から仕入れた鮮魚を使用。カウンター席、小間上がり席もありますが、車椅子で利用出来るテーブル席があります。
「らーめん駿」は藤岡味噌のスープ。椅子が動かせる低いカウンター席とテーブル席があります。
ここの食事処は、車椅子利用に少し問題があります。以下の状況がクリア出来る人にだけお薦めします。
食券制ですがお料理はスタッフが席まで運びます。お茶はセルフサービス。食後は食器を客がカウンターに下げる、セミセルフ方式です。
食事処の入口は手動ドアです。建物入口付近が観光情報コーナーで、奥が食事処の構造。棟内はフラットなので車椅子での移動は可能です
お座敷席とテーブル席がありますが、車椅子で食べやすい構造のテーブルは数が少ないので、良い席が確保できるかが問題です。
建物は立派な梁がある純和風構造で、迫力のある太麺うどんと、山菜の天ぷらが評判です。
以上の食事処では、セルフサービスが苦手な方でも、地元の美味しいものを車椅子でいただくことが出来ます。
関東圏にあるバリアフリーな農産物直売所を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2020年2月に執筆しました)