千葉県北総エリア多古町にある「道の駅多古」は、改装されてバリアフリーレベルが上がりました。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
店内で目立つキャッチコピーは「おかずが要らない多古米」。日本一おいしいお米とPRしています。もう一つの名産品は「やまと芋」で味と粘りが違う逸品です。道の駅多古は美味しい名産品が自慢の道の駅です。
開業は2001年。千葉県北総エリア第一号道の駅です。したがって設計は今どきのバリアフリー仕様ではなく、段差をスロープで解消しています。もちろん車椅子での利用は可能ですが、バリアフリー上の注意点があります。詳しく紹介します。
アクセスは車が便利。人気施設なので駐車場が混みます。身障者用駐車区画は第一駐車場に2台分。屋根付きでスペースも広い区画です。ここが空いていれば問題ありませんが、満車の場合は困ります。
第一駐車場は60台超の収容で週末はよく満車になります。車椅子でゆったり乗降できる駐車スペースの確保は困難です。
その場合は第二駐車場の利用をお薦めします。身障者用駐車区画はありませんが、第一に比べれば空いています。
バリアフリートイレは第一駐車場身障者用駐車区画の近くにある、外トイレの中です。男女別一般トイレの入口の内側に、それぞれバリアフリートイレがあります。入口に近いので、神経質に気にしない人なら、異性介護でも利用可能です。
2001年の施設なので、トイレ全体はそれなりにくたびれていますが、設備は更新されてウォシュレット付きの便器が備えられています。
ショップ内のトイレにはバリアフリートイレはありません。
道の駅多古の直売所は大きな建物内にあります。2Fまで吹き抜けの天井が高い構造で、売り場面積は中規模、店内通路の幅はやや狭いお店です。
構造的に細長い建物なので、お店も奥に細長い売り場です。車椅子で店内移動は可能ですが、人とすれ違うのはギリギリな幅で、混み合うと車椅子での買い物は苦戦します。
レストランは2015年に全面改装されました。店内にスロープがありますが傾斜は緩やかです。可動式のテーブル席が店内とテラスにある、車椅子で利用できるレストランです。ただし店内の一部の席は車椅子で利用しにくい固定席があります。席を選んで利用してください。注文は食券制でお茶やお水はセルフサービスです。
「多古米」や「やまと芋」を楽しめるメニューが用意されています。ランチタイムが終わると、喫茶メニューだけになります。日曜日のお昼に取材したところ、正午にはウェイティングがかかりました。
レストランの上階は飲食可能なフリー休憩室です。車椅子ではレストラン内にあるエレベーターを利用します。このエレベーターの利用時間は10時から16時です。
休憩室からは雄大な多古町の田園風景が眺望できます。ただしスペースは広くはなく、車椅子での利用はスペース的にギリギリです。ショップの上階部へつながりますが、このルートの上下階移動は階段のみです。
ショップとレストランがある施設の名称は「あじさい館」。ここは紫陽花の名所です。横を流れる川には観光船が運行されています。車椅子での利用は難しい船ですが、低廉な価格で船観光が楽しめます。
道の駅多古は美味しい名産品が自慢です。ショップ、レストランは車椅子で利用できます。
(本稿は2021年8月に加筆修正しました)