東照宮や華厳の滝だけが日光の観光スポットではありません。障がいのある家族と一緒に車椅子で観光ができる、バリアフリー施設を巡るお薦めのドライブコースを紹介します。
コースは東北自動車道の宇都宮ICから関越自動車道の沼田ICまでを設定。所要時間は渋滞に巻き込まれない前提で、丸一日または一泊二日の設定です。
(宇都宮IC⇒22km)
高速道路から直結する日光宇都宮道路を利用すると、宇都宮ICから通常20分程度で到着します。2015年に開業した施設でバリアフリーレベルは高く、休憩に適しています。
産直、お土産、食事処に加えて「日本のこころのうたミュージアム・船村徹記念館」があります。
(道の駅日光⇒18km)
標高1,300mを超える霧降高原の斜面にあるバリアフリー施設です。車椅子で散策できる通路が整備され、ニッコウキスゲをはじめ約100種類の高原の花々を楽しめます。軽食レストランが併設されています。
(キスゲ平園地⇒8km)
歴史のある観光牧場ですが、バリアフリー改修が重ねられ、2Fの「食の体験工房」以外は、車椅子で利用出来ます。食事、お土産、そして何よりも雄大な霧降高原の景観を車椅子で楽しめます。
(大笹牧場⇒20km)
霧降高原から東照宮の近くに移動します。駐車場は隣接する「市営日光神橋駐車場」を利用します。
1997年に開館した美術館ですが、その後に改修されてバリアフリー仕様です。企画展と常設展があり、建物自体もデザインされています。
(日光美術館⇒2km)
明治32年に造営された御用邸ですが、屋内を車椅子で見学することができます。ただし2Fは階段なので車椅子では見学できません。庭園の散策路も、一部を除いて車椅子で通行できます。昭和22年まで、三代にわたる天皇・皇太子がご利用された施設です。
(田母沢御用邸⇒17km)
御用邸から「いろは坂」を上がり、「明智平」を超え、中禅寺湖畔にでます。
「県立日光自然博物館」は、古い施設ですがバリアフリートイレがあり、2Fの展示室へはエレベーターがある構造です。1Fのホール、情報センター、トイレは無料で利用出来ます。
「華厳の滝」への観光エレベーターは博物館の近くにありますが、滝壺に向かう通路途中に段差があります。
(自然博物館⇒9km)
博物館から中禅寺湖畔をドライブして「竜頭の滝」を超え、戦場ヶ原に出ます。
三本松園地の駐車場にはバリアフリートイレがあります。お土産屋は完全なバリアフリー施設ではありませんが、車椅子で利用できます。
戦場ヶ原をのぞむ展望台は、駐車場から道を渡って20mほど進んだ場所です。その手前までは車椅子で行くことができますが、段差があり車椅子のままでは上れません。
(三本松園地⇒3km)
戦場ヶ原の横を走ると、ほどなく県営有料駐車場があります。湯滝は高さ70m、湯ノ湖から流れ落ちる滝です。駐車場から滝壺までは傾斜路ですが、一般的な車椅子利用者と介助者なら、なんとか通行できる坂道です。
(湯滝⇒1km)
湯滝の先から側道に入ると日光湯元です。「日光湯元ビジターセンター」周辺に無料駐車場があります。
ビジターセンターは車椅子で利用出来ます。また湯ノ湖畔には、距離は短いですが木製のバリアフリー歩道が整備されています。「休暇村日光湯元」はバリアフリー仕様で、バリアフリートイレ、車椅子で利用できるレストランがあります。
(湯ノ湖⇒30km)
日光湯元から冬季は通行止めになる金精峠を超えて群馬県に移動します。峠を過ぎると「菅沼」、その先に「丸沼」があり、湖畔にキャンプ場などが整備されています。気分次第で好きなところで、車を下りて大自然の景観を楽しめます。
ただしこの区間には誰にでも安心してお薦めできるバリアフリー施設はありません。湯本から30km先、群馬県片品村に2018年に開業したバリアフリーな道の駅があります。「道の駅尾瀬かたしな」は安心して利用できるバリアフリー施設です。
(道の駅尾瀬かたしな⇒20km)
「尾瀬かたしな」から関越自動車道沼田ICに向かいます。この間に「吹割の滝」がありますが、通路に段差があり車椅子での観曝は困難です。
沼田ICまであと5kmの地点に「道の駅白沢」があります。日帰り温泉がメインの施設で、産直ショップとバリアフリートイレがあります。
(道の駅白沢⇒5km関越自動車道沼田IC)
宇都宮ICから沼田ICまで、すべての施設に立ち寄ると約155kmの距離を走ります。バリアフリーな日光ドライブをお楽しみください。
(本稿は2020年6月に執筆しました)