栃木県日光市、霧降高原の「大笹牧場」は、車椅子で利用できる観光牧場です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
全体概要と車椅子で利用可能な施設を紹介します。中心は「レストハウス」とその周辺です。レストラン、ショップ、数多くの屋台があり、車椅子で利用できます。
アウトドアでは、13の大型遊具がある「フィールドアスレチック」があり、いこいの広場では「乗馬体験」が出来ます。車椅子でそのまわりの散策はできます。
「放牧場」では、ホルスタイン牛とブラウンスイス牛が放牧されています。ただし「レストハウス」から向かうと、すぐに車椅子ではつらい急坂路があります。
大笹牧場周辺は放牧場が広がり、周りの道路から自由に見学することが出来ます。ドライブをしながら風景を観る、または牛がいる近くに車を停めて見学する人もいます。
「オートキャンプ場」のトイレにはバリアフリートイレが用意されています。
「食の体験工房」はレストハウスの2Fが会場です。エレベーターはなく、階段での移動になります。
アクセスは車が便利です。一般駐車場はP1からP3まであります。レストハウスの利用を車椅子観光の中心にする場合、2か所の身障者用駐車スペースがあります。
一般駐車場とは別に、牧場施設内に入ってすぐ左側、レストハウスの横に6台分の身障者用駐車区画があります。
もう一か所は、P1のトイレ棟の近くに2台分用意されています。
レストハウスのバリアフリー状況です。レストハウスは数段の階段を上る構造です。
正面入口に横に段差回避スロープがあります。
このスロープは一般的な車椅子利用者なら問題なく利用できます。
もう一か所、トイレ棟に向かうスロープがあります。こちらのスロープはやや傾斜が急です。
レストハウス館内1Fはフラットな構造です。ショップ、レストランとも、スペースに余裕があり、車椅子で利用できます。
前出の通り「食の体験工房」がある2Fへは階段しかありません。
バリアフリートイレの状況です。レストハウスの横、P1の脇にある独立棟トイレにバリアフリートイレが1つ用意されます。変わった構造のトイレです。
トイレ棟の入口は段差があります。それを迂回する折り返しスロープが用意されています。
スロープを上ると男女別トイレの入口がそれぞれあります。その奥にバリアフリートイレが1つあります。つまり男女別トイレの中から、同じバリアフリートイレを利用する構造になっています。
男女別トイレの入口通路が狭く、一般的な車椅子がギリギリで通行できる幅です。トイレ内は余裕があるスペースで、ウォシュレット付き便器が備えられています。
この他に前出の通り、レストハウスから離れた「オートキャンプ場」にあるトイレに、バリアフリートイレがあります。
ジンギスカンハウスのバリアフリー状況です。レストハウス1Fのレストラン「ジンギスカンハウス」は、食券制でセルフサービスです。利用方法の概要は以下になります。
ジンギスカンハウス入口の左側に食券自動販売機が3台あります。この自販機の操作は車椅子からでも手が届きます。
買った食券をもって、焼肉メニューはレストラン入口に引き返して入口右側のコーナーに並び、カウンターに食券を出し、交換に商品を受け取ります。
蕎麦やカレーの軽食メニューは、食券自販機の先にあるカウンターに行き食券を出し、交換に商品を受け取ります。
商品を載せたトレーを自分で運びながら食事スペースに移動し、そこにいるスタッフから席の誘導を受けます。これが通常の利用方法です。
介助者がいる場合でも、1人で2トレーを運ぶのは辛いので、スタッフに手助けをお願いしてください。今回利用時は、車椅子をみて、スタッフから声をかけていただけました。
席は固定式のテーブルに可動式の椅子席です。一般的な車椅子利用者なら利用できます。
お茶やお水はセルフサービスです。レストラン店内のトイレは一般トイレだけでバリアフリートイレはありません。
レストハウス周辺のバリアフリー状況です。テイクアウトショップが複数出店しています。レストハウス1Fの外側にあるソフトクリームの店や串焼きの店は、店内のショップから移動すると段差なく利用できます。
レストハウス前の舗装広場とその周囲にある出店は、完全なフラット面ではありませんが、移動が出来ない決定的な段差は無く、概ね車椅子で利用できます。
周辺に広がるアウトドア施設へは、無理のない範囲までなら車椅子で移動は可能です。
日光「大笹牧場」は、ショップやレストランを車椅子で利用できる観光牧場です。
車椅子でニッコウキスゲを鑑賞できる、霧降高原の「キスゲ平園地」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2023年8月に加筆しました)