都心最高峰 新宿箱根山への車椅子での近づき方と楽しみ方

都心最高峰 新宿箱根山への車椅子での近づき方と楽しみ方

東京都新宿区の「都立戸山公園」内にある「箱根山」は、江戸時代に築かれた山手線内最高峰の人造の山です。車椅子で登山は出来ませんが、中腹の森から山頂を仰ぎ見ることはできます。無理をすれば車椅子でも近づけるルートを紹介します。

都心最高峰 新宿箱根山

箱根山とは、この地が江戸の御三家、尾張徳川家の江戸下屋敷であったとき、庭園の池を掘った残土で造られたスケールの大きい築山です。江戸時代の富士山信仰により、各地にこの種の人造山がありますが、現存する最大スケールの築山がこの箱根山です。標高は44.6mです。

尾張徳川家の江戸下屋敷

その後、ここは旧日本陸軍の戸山学校になり、近年、地中から大量の人骨が出土しましした。現在でも、旧陸軍が建設した建物の基礎部などがそのまま放置されている場所もあります。日中でも人気のないエリアで、夜は幽霊やお化けの目撃証言が多々ある心霊スポットでもあります。

旧日本陸軍の戸山学校

箱根山の周辺は、都営住宅や福祉系、研究系などの公的な施設が並ぶエリアです。他に戸山教会や幼稚園があります。箱根山の近くには、CVSなど商業店舗は全くありません。駅からは距離があり、箱根山の近くに一般利用できる駐車場はありません。

現在の箱根山周辺

早稲田駅方面からアクセスすると、箱根山通りが厳しい坂道なので、車椅子では辛いルートになります。

車椅子でも近づけるルート

戸山公園大久保地区方面の明治通り側から真っすぐにアクセスすると、箱根山の麓にでます。そこから中腹までが急な坂道です。このルートも車椅子利用者にはお薦めしません。

車椅子でも近づけるルート

比較的楽なのは、大久保通り方面からいったん都立戸山団地の中に入り、団地側からアクセスするルートです。

車椅子でも近づけるルート

それでも戸山公園に入ると未舗装路面でデコボコがありますが、頑張れば車椅子で箱根山の中腹ラインに行くことが出来ます。

車椅子でも近づけるルート

中腹ラインまで行けば、そこは緑豊かな山の中です。

車椅子でも近づけるルート

登山コースは階段路です。

車椅子でも近づけるルート

箱根山の見どころは紅葉です。とても新宿区にいるとは思えない深山幽谷の紅葉景色を楽しめます。

箱根山の楽しみ方

前出のルートで、箱根山の中腹ラインまで行けば、車椅子で本格的な山の紅葉が楽しめます。

箱根山の楽しみ方

紅葉情報は都立公園のHPでアップされています。見ごろ情報を確認して、出かけることが出来ます。

箱根山の楽しみ方

最後が階段ルートのため車椅子では山頂登頂はできませんが、登頂した人には都立公園の事務所から証明書が発行されます。申告は自己申告。証拠は不要です。事務所は箱根山から離れた戸山公園大久保地区にあります。

車椅子では山頂登頂はできません

箱根山は都心とは思えない自然が楽しめる場所です。ただしアクセスはバリアフリーではありません。

都内で箱根山に次ぐ高い山「愛宕山」と「愛宕神社」の状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年9月に執筆しました)