奥日光の奥、湯元温泉にある「日光湯元ビジターセンター」は、2019年に改装されて、「くつろぎのスペース」ができました。湯ノ湖畔には車椅子で散策ができるバリアフリー木道があります。車椅子からみた日光湯元ビジターセンターと湯ノ湖バリアフリー木道の状況を紹介します。
湯ノ湖は標高1,478ⅿにある湖で、噴火した三岳の溶岩による堰止湖です。湖の周囲は3㎞。手つかずの自然が残る神秘的な雰囲気の湖です。夏は避暑地で冬季は厳寒の地。冬の湯ノ湖は凍結し、周辺は雪と氷に覆われます。
湯元温泉は湯ノ湖北岸にある温泉街で、788年に日光山輪王寺を建立した勝道上人が発見し、以来湯治場として親しまれてきました。現在大小23軒の温泉宿が営業しています。温泉神社や無料の足湯などがある温泉街は、硫黄の匂いが漂います。
アクセスと駐車場の状況です。日光駅からの「湯元温泉」行きの路線バスがあります。所要時間は90分と案内されています。
日光湯元ビジターセンターには来館者用駐車場はありませんが、周辺に無料駐車場が5か所あります。ビジターセンター前にある駐車場は広く、身障者用駐車スペースが6台分並んで設置されています。日光湯元ビジターセンターと湯ノ湖バリアフリー木道を利用するなら、ビジターセンター前駐車場の利用が便利です。道路を横断すると、ビジターセンターの入口があります。
日光湯元ビジターセンターのバリアフリー状況です。環境省日光国立公園管理事務所で、ビジターセンター棟、無料休憩所棟、トイレ棟、芝生ひろばで構成されます。バリアフリートイレはトイレ棟内に用意されています。
日光湯元ビジターセンターの入口へは、段差回避スロープを上がります。このスロープは改修されていません。乗り上げる箇所に段差があるので、車椅子は気を付けて走行してください。
出入口は手動ドアが2枚あります。車椅子利用者だけでは開閉しにくいので、介助者がいると助かる構造のドアです。
改装により館内のバリアフリーレベルは向上しました。展示コーナーはスペースに余裕が出来て、車椅子で問題なく観覧できます。
下の写真が改装で生まれた「くつろぎスペース」。屋内がレクチャールームで、内装は日光杉。受付で販売しているコーヒーをいただくことができます。また無料で情報の検索や閲覧ができるタブレットが配備されています。
そして「ひだまりデッキ」。「芝生ひろば」とハルニレの大木を眺めながら、大自然の澄んだ空気を味わえます。
ビジターセンターの「くつろぎスペース」は車椅子で利用できます。
次に湖畔のバリアフリー木道を紹介します。ビジターセンターから湯ノ湖「園地」方面へ舗装歩道を通り移動します。
湯ノ湖は湖畔を一周する「湯ノ湖周回線歩道」が整備されています。
その一部、約200ⅿがバリアフリー木道です。
湖畔の森の中を車椅子で快適に散策できます。
車椅子が動きやすい路面です。
湯ノ湖が観えてきました。
終点は展望デッキ。素晴らしい景観を楽しめます。
バリアフリー木道以外にも、湯ノ湖畔は車椅子への配慮があります。下の写真は凹凸のある舗装面の一部をフラット化している箇所です。
湖畔のお店には段差回避スロープが設置されています。
豊かな自然がそのまま残る奥日光。その中で日光湯元ビジターセンターと湯ノ湖バリアフリー木道は、車椅子で利用できるお薦めのバリアフリー観光スポットです。
奥日光を代表する観光スポット「三本松園地」と「戦場ヶ原展望台」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年7月に執筆しました)