車椅子で行く東京国立博物館~トーハク庭園バリアフリー情報

東京国立博物館~トーハク庭園

トーハク敷地内の北側、本館の裏側一帯には、春と秋に期間限定で公開される日本庭園があります。完全バリアフリーではありませんが、園内は散策路が整備され、車椅子で一周することは可能です。期間限定公開されるトーハク庭園を詳しく紹介します。

東京国立博物館~トーハク庭園バリアフリー情報

 

○開園期間は年2回1カ月強

春の桜、秋の紅葉時期に、それぞれ一か月強の期間、公開される庭園です。入園料は特別にはかからずトーハク入館料のみ。オフロード中心ですが、歩行路を通る限り、車椅子での通行は可能です。自力走行での車椅子利用でも、元気な人なら大丈夫。歩行路で庭園を一周できます。庭の中心には池。美しい庭園美を堪能することができます。

東京国立博物館~トーハク庭園○綱吉の五重塔

本館と東洋館の間が庭園入口の正門です。もう一か所、平成館と本館の間にも出入口がありますが、こちら側は段差があります。

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正門から入るとほどなく、高さ5.7mの「五重塔」。解説によると、将軍綱吉が法隆寺に奉納した、という銘文が刻まれているそうです。細かい装飾が施された塔で、最上部には龍が絡みついています。江戸の技を楽しめる逸品です。

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○五つの茶室

庭園内には5つの「茶室」が配置されています。正門から正規のルート順に進むと、最初に現れるのは「春草蘆(しゅんそうろ)」。1600年代に造られたもので、その後3カ所ほど移築され、1959年にこの地に移されたそうです。この茶室に限らず、移転移築が繰り返された茶室は多いですね。

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○小堀遠州の茶室も

次の茶室は「転合庵(てんごうあん)」。茶の巨人、小堀遠州が京都に建てた茶室だそうです。この茶室も3回ほど移築され、1963年にここに建ったとのこと。

その横にあるのは「六窓庵(ろくそうあん)」。奈良興福寺に建てられた茶室で、明治8年の1875年に博物館が購入。解体して海路移送中になんと船が難破。材は海中から必死に集められ、1877年にここに移築完了。第二次大戦中は、解体されて“疎開”。1947年に再びこの地に再建され現在に至っているそうです。これはもう一つのドラマです。

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○オフロードの先に

この先にある2つの茶室は、メイン歩行路を外れて、残念ながら車椅子ではちょっと辛いレベルのオフロードを通って近づく必要がありますが、メイン歩行路からも、その容姿は眺めることができます。

「応挙館(おうきょかん)」。その名が示すように、丸山応挙の障壁画がある茶室です。元々は現在の愛知県である尾張国に建てられたもの。1933年にこの地に移築されました。丸山応挙の画は、保護のため現在は複製画が飾られています。

最後が「九条館(くじょうかん)」。京都御所内の九条邸に建てられ、その後東京赤坂の九条邸に移築。九条家当主の居室として使用されていたそうです。室内には狩野派の作品が随所にあるということ。1934年に九条家より寄贈され、この地に移築されました。

いずれの茶室も、由緒ある逸品。歴史を知り、ご鑑賞ください。

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○池を眺めるビューポイント

庭園最高のビューポイントは、本館の裏側から池を眺めるスポット。低地広場が用意され、若干数のベンチが配備。移動式カーショップが出店していることもあります。

通年利用できる本館バルコニーからも、同じ角度の眺めが楽しめますが、この本館バルコニーは車椅子で出るにはやや辛いバリア構造。車椅子利用者は、期間限定庭園開放を利用しましょう。

お庭の中心にある池。景観の主役ですが、なぜか名前は特にないようです。この庭園自体も、特に名称はない模様。そういう面では、主張がない、極めて淡泊な庭園です。

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寛永寺の庭が起源、車椅子で周回可能、春と秋に期間限定で公開される日本庭園です。庭園として見る価値あり。庭園開放期間にトーハクに行ったら、車椅子で無理のない範囲で、お庭をご鑑賞ください。