丸の内「藝大アーツ2018」車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都千代田区丸の内での、東京芸術大学のイベントに車椅子で参加しました。2018年の「丸の内藝大アーツ」は、10月22日から31日の開催。いずれの会場も基本はバリアフリー構造なので、車椅子での作品鑑賞、イベント参加は可能です。主要会場のバリアフリー状況を紹介します。

メイン会場は丸ビル1Fマルキューブです。オープンニングセレモニーからトークショー、コンサート、作品の製作及び展示、オークションなどが連日開催されました。

イベントによっては空間を仕切るため、ややスペース的に狭くなることもありますが、車椅子で参加できない企画はありません。

マルキューブを見下ろす3F回廊は、作品の常設展示スペースになります。2018年は、3つの企画の作品展示場になりました。回廊はフラットで車椅子での移動に問題はありません。

丸ビルホールでは22日から26日まで、連日18:30からリサイタルを開催。優秀な成績で藝大音楽部を卒業した方を対象にした、「三菱地所賞」受賞者の演奏会です。

新丸ビル3Fのアトリウムでは、学生自主企画の展示。現役藝大生による作品展示とパフォーマンスが行われました。

丸の内仲通りの三菱一号館広場では、サクソフォン四重奏の野外パフォーマンス。平日の昼休み時間のイベントです。

丸の内仲通りから大手町仲通りにかけては、路面をキャンパスにした「MANGAストリート」が出現。コンセプトは街を覆う。今までにない規模のイベントになりました。

7回目となり、企画や運営のレベルが洗練されました。ほとんどの企画、イベントは車椅子で参加可能です。

国立近代美術館工芸館「インゲヤード・ローマン展」バリアフリー情報

※2020年に工芸館は金沢市に移転しました。

東京都千代田区にある国立近代美術館工芸館の「インゲヤード・ローマン展」に車椅子で行きました。作品はケース内ではなくテーブルの上。実用的な食器を中心にした展示会です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

日本・スウェーデン外交関係樹立150周年「インゲヤード・ローマン展」は、国立近代美術館工芸館で2018年9月14日から12月9日の開催。イケアの食器デザインも手掛けるローマン氏の、実用性がある食器類を中心にした展示会です。

工芸館の企画展は、障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。工芸館のバリアフリー状況から紹介します。

工芸館の住所は「北の丸公園1-1」。最寄りの竹橋駅は、現時点ではエレベーターは無く昇降機対応。駅からの距離は700mほどあり、上り坂を10分近くかけて上がります。

※2020年にエレベーターが完成し、大手町方面改札からのバリアフリールートが誕生しました。

身体障害者に限り、前庭への駐車が認められます。通常、誘導スタッフはいないので、自主判断で敷地内に車を進めます。駐車区画の整備はないので、その時点で邪魔にならない場所を選び駐車。スタッフがいる場合は指示に従ってください。

工芸館の中へ向かいます。入口には段差があり、スタッフに操作をしていただくタイプの昇降機が設置されています。通常スタッフは館内にいるので、健常な同行者がいる場合は、階段を上がり館内に入り、スタッフに駐車の許可と昇降機の利用を申告してください。

車椅子利用者だけの来館で、スタッフが外にいない場合は、電話をする、他の来館者にスタッフへ連絡する旨を頼むなど、工芸館スタッフになんらかの手段で連絡をしてください。

バリアフリートイレがあり、エレベーターがあります。工芸館の中はバリアフリーです。展示室は2Fなので、スタッフの誘導でエレベーターを利用してください。2Fの展示室内は車椅子で苦戦するほどの段差はありません。

展示室間の仕切りが一部手動ドアで、企画展によっては閉まっていることがあります。展示室内にはスタッフが常駐しているので、車椅子での移動に困った場合は、支援を要請してください。

「インゲヤード・ローマン展」では、多くの作品がガラスケース内ではなくテーブルの上に展示されています。そして遮光することなく窓からは自然の陽光。とても新鮮な印象を受けました。一部の作品は20cm以上の距離からの撮影は可となっています。

テーブルの高さは車椅子目線でみることが出来る、ギリギリの高さ。作品をほぼ横から鑑賞します。あと10cmほど低い方が車椅子からは見やすい。しかしそうすると健常者は見にくくなるので、妥当な高さといえます。

ローマン氏は自分の仕事を「シンプルであること、機能的であること、そして美しさ、それをつなぐ」と定義しています。「インゲヤード・ローマン展」を鑑賞すると、その意味がよく解ります。

工芸館の敷地内に幾つか屋外アートが展示されています。特に建物裏側のアートは存在に気が付かない人が多い。車椅子で鑑賞できるので、建物裏側へ車椅子でまわって鑑賞してください。

国立近代美術館「アジアにめざめたら」展 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

東京都千代田区の国立近代美術館「アジアにめざめたら アートが変わる、世界が変わる 1960-1990年代」に車椅子で行きました。現地のバリアフリー状況を紹介します。

2018年10月10日から12月24日の開催。会場は国立近代美術館1Fの企画展示室です。観覧料は障害者手帳の提示で、本人と介助者1名まで無料に減免。身障者の利用に限り、国立近代美術館の前庭に駐車することができます。バリアフリートイレは近代美術館内複数箇所に配置。1Fにもあります。

「アジアにめざめたら」展は、車椅子で鑑賞しやすい展示です。大型の作品、あるいは映像作品が多く、鑑賞者用の通路はスペースに余裕があります。今回は入場無料の日に訪れましたが、それほどの混雑はなく車椅子でゆっくり鑑賞することができました。

20世紀後半にアジア各国のアーティストが製作した作品展です。したがって最新のアートではなく、戦後のアジアの変化と成長を感じる作品が多い。植民地時代への怒りを表現する作品、自国内の圧政や情報操作、暴力被害を訴える作品など、政治的な作品が多々あります。

オノヨーコ氏が観客に自由に服をハサミで切らせるパフォーマンスを撮った、映像作品の展示があります。作品の製作は1965年。アジア人、あるいは女性への抑圧を表現した作品だと思われます。

20世紀後半、アジア各国ではそれぞれ固有の問題がありました。その時代のその国の政治経済、文化の歴史を知らないと、本当の意味での作品の理解は難しいのかもしれません。

例えば中国の天安門事件が、当時の台湾当局によって自国の正当性を訴える材料に使われていた。1980年代のシンガポールでは、治安法の改悪で当局による反体制派の不当な逮捕投獄が行われていた。インドでは・・・。作品の背景にある、アジアの歴史を知ると理解が深まります。

国立近代美術館の1F企画展示室に約140点の展示。企画展としてボリュームがあります。1点1分平均の鑑賞でも2時間オーバー。せっかく国立近代美術館に来たのだからと、コレクション展も鑑賞するなら、それなりの時間が必要です。

日本、韓国、シンガポールの国立美術館などが中心になった、5年に及ぶプロジェクトの成果です。本展は日本の次に韓国、シンガポールへ巡回します。

国立近代美術館「アジアにめざめたら」展は、車椅子で鑑賞できます。そして時間に余裕をもって利用することをお薦めします。

国立近代美術館のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ご参照ください。