東京国立博物館 日本庭園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

トーハク庭園

トーハク敷地内の北側、本館の裏側一帯には、日本庭園があります。リニューアルされて、2021年4月からは通年で開放されるようになりました。庭園は車椅子で一周できます。庭の中心には池。美しい庭園美を堪能することができます。

東京国立博物館~トーハク庭園バリアフリー情報

本館と東洋館の間が庭園入口の正門です。

東京国立博物館~トーハク庭園

もう一か所、平成館と本館の間にも出入口がありますます。

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正門から入るとほどなく、高さ5.7mの「五重塔」。解説によると、将軍綱吉が法隆寺に奉納した、という銘文が刻まれているそうです。細かい装飾が施された塔で、最上部には龍が絡みついています。江戸の技を楽しめる逸品です。

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庭園内には5つの「茶室」が配置されています。正門から正規のルート順に進むと、最初に現れるのは「春草蘆(しゅんそうろ)」。1600年代に造られたもので、その後3カ所ほど移築され、1959年にこの地に移されたそうです。

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次の茶室は「転合庵(てんごうあん)」。茶の巨人、小堀遠州が京都に建てた茶室です。この茶室も3回ほど移築され、1963年にここに建ったとのこと。

その横にあるのは「六窓庵(ろくそうあん)」。奈良興福寺に建てられた茶室で、明治8年の1875年に博物館が購入。解体して海路移送中に船が難破し、その後木材は海中から集められ、1877年に移築完了。第二次大戦中は、解体されて疎開し、1947年に再びこの地に再建され現在に至っているそうです。

この先に2つの茶室があります。「応挙館(おうきょかん)」は、その名が示すように、丸山応挙の障壁画がある茶室です。元々は現在の愛知県である尾張国に建てられたもので、1933年に移築されました。丸山応挙の画は、保護のため現在は複製画が飾られています。

最後が「九条館(くじょうかん)」。京都御所内の九条邸に建てられ、その後東京赤坂の九条邸に移築。九条家当主の居室として使用されていたそうです。室内には狩野派の作品が随所にあるということ。1934年に九条家より寄贈され、この地に移築されました。

いずれの茶室も、由緒ある逸品。歴史を知り、ご鑑賞ください。

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庭園最高のビューポイントは、本館の裏側から池を眺めるスポット。リニューアルで舗装広場が用意されました。

トーハク庭園

通年利用できる本館バルコニーからも、同じ角度の眺めが楽しめますが、この本館バルコニーは車椅子では利用できない段差構造です。

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江戸時代に整備された寛永寺のお庭のごく一部です。中心にある池は景観の主役ですが、名前は特にないようです。この庭園自体も固有の名称はありません。トーハクの日本庭園は車椅子で散策できます。

なお東京国立博物館内の各施設の詳しいバリアフリー状況は以下の別稿を参照してください。

〇東京国立博物館 本館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 平成館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 東洋館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 法隆寺宝物館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇東京国立博物館 表慶館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

〇車椅子で行く東京国立博物館 身障者用駐車場利用ガイド

(本稿は2022年8月に加筆しました)