群馬県道の駅バリアフリー情報~西毛編~

群馬県道の駅

「道の駅」は車椅子で利用できる施設ですが、現地のバリアフリー状況はそれぞれです。車椅子目線での情報と施設の特徴を紹介します。

本稿は群馬県の西毛(高崎市、藤岡市、富岡市、安中市、多野郡、甘楽郡)にある「道の駅」情報です。開業年が新しい順に紹介します。なお道の駅の名称をクリックすると、より詳しいバリアフリー情報ページにリンクします。ご参照ください。

「道の駅くらぶち小栗の里」(高崎市)

2014年開業。高崎市で第一号の「道の駅」です。高崎市倉渕支所に隣接した、倉渕公民館の跡地に新設された施設で、それほど広い敷地ではありませんが、建物の設計の良さが光る道の駅です。内装は地場産の木材を使用。とても暖かい雰囲気のデザインです。

道の駅くらぶち小栗の里

1Fは直売所と食事処。2Fは地域のための多目的ホール。傾斜地を上手に活かした設計で、敷地内に入り、正面の駐車場を使うと1F。坂を登ると2Fの駐車場になっています。どちらからでも車椅子でバリアフリーに施設に入ることが出来ます。

道の駅くらぶち小栗の里

トイレは1Fと2Fにそれぞれあり、バリアフリートイレは、1Fに2つ、2Fに1つあります。

道の駅くらぶち小栗の里

直売所はフラット床面で通路幅は広く、車椅子で買い物が楽しめます。お米は「倉渕のはんでえ米」。お米の品種ではなく、刈り取った稲を、自然光と風でゆっくり自然乾燥させる製法が美味しさの秘訣です。

道の駅くらぶち小栗の里

食事処は、広いお店ではありませんが、車椅子での利用は十分に可能なフラット構造で、郷土料理「おきりこみ」が一番人気です。

道の駅くらぶち小栗の里

「くらぶち小栗の里」とは何か。ここは高崎市の倉渕町。地元では倉渕地区と呼ばれています。

「小栗の里」の「小栗」は、幕末の奉行「小栗上野介」の「小栗」。明治維新後は倉渕地区のはずれ「権田村」の領地で隠遁生活をおくり始めたものの、明治政府によって罪を問われ、斬首され、その墓はここ倉渕の「東善寺」にあります。41年の生涯。隠遁生活をおくりかけた邸宅の跡も残っています。

道の駅くらぶち小栗の里

「道の駅甘楽(かんら)」(甘楽町)

2011年開業。グランドオープンは2014年。城下町「小幡」の観光拠点として整備された施設なので、和風デザインの建築ですが、車椅子での利用に大きな問題はありません。直売所と食事処、ワインとオリーブオイルの物販店と、窯で焼くピッツァのテイクアウトショップがあります。

道の駅甘楽

身障者用駐車区画は2台分、バリアフリートイレは1つ、段差をスロープで回避する構造ですが、施設全体車椅子で利用可能です。食事処はお座敷席がありますが、テーブル席もあるので車椅子で利用できます。隣接して建つ古民家が休憩所として一般開放されています。

道の駅甘楽

「道の駅オアシスなんもく」(南牧村)

2011年開業。山間の清流沿いにある、横長の敷地に建つ施設です。やや傾斜のある敷地で、横一直線に直売所、トイレ、食事処が並びます。

道の駅オアシスなんもく

駐車場は施設の正面に横長に広がり、身障者用駐車区画はトイレの前付近に1台分あります。バリアフリートイレは一つです。

道の駅なんもく

正面駐車場とは別に「地下駐車場」があります。川遊びに便利なように設置された、施設下部の川の入口にある駐車場です。この地下駐車場から施設へのアクセスルートは、エレベーターも専用通路もなく、下った車道を徒歩で登るしかありません。

道の駅オアシスなんもく

直売所は小規模なお店ですが、混雑していなければ車椅子で利用できます。

道の駅なんもく

直売所から食事処へは、やや傾斜のある通路で結ばれています。斜面はなだらかなので車椅子での移動は十分可能です。

道の駅オアシスなんもく

山中にあるオアシスのような道の駅です。

道の駅オアシスなんもく

「道の駅しもにた」(下仁田町)

2003年の開業ですが、2018年にリニューアルを実施しました。特産品販売所、フードコート、観光案内所などで構成される施設で、町の防災ステーションと高速バスの停留所が併設されています。

群馬県 道の駅しもにた

身障者用駐車スペースは屋根付きが2台分、屋根なしで2台分用意されています。バリアフリートイレは、身障者用駐車スペースの近くに一つ設置されています。

群馬県 道の駅しもにた

特産品販売所の正面入口は自動ドアです。幅広く開き、ドア下に段差のない構造です。ショップ内はフラットで、店内通路幅は余裕があります。車椅子で買い物がしやすいお店です。

群馬県 道の駅しもにた

フードコートはフラットでスペースに余裕があり、可動式のフリーテーブルが配置されています。ラーメンや蕎麦の店、ミルクバー、コロッケなどの惣菜店が出店しています。

群馬県 道の駅しもにた

「道の駅万葉の里」(神流町)

開業は2001年ですが、2020年にリニューアルオープン。メイン棟が改装されて、清流神流川を臨むテラスが新設されています。バリアフリートイレの場所は変わりませんが、リニューアルで設備は更新されました。

群馬県 道の駅万葉の里

身障者用駐車区画は、メイン棟の前とテラスの前に屋根なしで各1台分の駐車スペースが用意されています。

群馬県 道の駅万葉の里

エントランス周辺から館内まで、段差の無いバリアフリー仕様です。ショップは通路幅が拡張されて車椅子で利用しやすくなりました。レジ周りのスペースも余裕があります。食事処はフラット構造でテーブル席があり、車椅子で利用できます。

群馬県 道の駅万葉の里

神流川を臨むテラス席は段差のない構造で、車椅子で利用できます。

群馬県 道の駅万葉の里

ここは江戸時代の万場宿。読み方は「まんば」です。万場町と中里村が合併して誕生したのが神流町。中里には「恐竜センター」があります。人口減少、高齢化が深刻なエリアですが、清流神流川と西上州の山々に囲まれた素晴らしい環境に恵まれています。

群馬県 道の駅万葉の里

「道の駅ららん藤岡」(藤岡市)

道の駅としては2000年の開業。高速道路と一般道から利用できる「ハイウェイオアシス」です。大規模な施設で数多くのショップ、イベント広場、観覧車やメリーゴーランドがあります。その後各地に誕生した、同種の大規模施設の先駆的な存在です。

ららん藤岡

駐車場は計4か所あり、身障者用駐車区画は各駐車場に設けられています。バリアフリートイレは、トイレ棟内と各施設内に計5つ用意されます。施設全般車椅子での利用に大きな問題はありません。

ららん藤岡

主な施設棟は、直売所が入る「アグリプラザ」、花屋が中心の「花の交流館」、物産館が中心の「グルメプラザ南館」、飲食店が中心の「グルメプラザ北館」。4棟が円を描くように配置され、その中心が「ふれあい広場」となっています。

ららん藤岡

「道の駅ららん藤岡」は2009年から「関東好きな道の駅ランキング」で三連覇を果たした実績のある人気施設です。

ららん藤岡

「道の駅みょうぎ」(富岡市)

道の駅としては2000年に認定を受けましたが、開業は1990年代の施設です。

道の駅みょうぎ

トイレは独立棟公衆トイレ方式で、バリアフリートイレもそのなかにあり、施設棟内にトイレはありません。

道の駅みょうぎ

身障者用駐車区画は、独立棟のバリアフリートイレ前に屋根なしで2台分と、一般駐車場内に1台分設置されています。

道の駅みょうぎ

施設棟があり直売所、食事処、観光情報コーナーで構成されます。車椅子で困るほどの決定的な段差はありません。

直売所と食事処

直売所の通路幅はやや狭い設定で、車椅子での通行はギリギリのサイズです。食事処はリニューアルして、可動式テーブル席になりました。産直品や食事処のメニューは地物感いっぱい。地産地消の魅力溢れる施設です。

道の駅みょうぎ

「道の駅上州おにし」(藤岡市)

1996年に道の駅登録された施設で、それ以後は大きなリニューアルは行われていません。道の駅としては個性的な施設で、廃校、遺跡、資料館などがある珍しい構成です。

群馬県 道の駅上州おにし

道路と同じ高さは施設の2Fです。道路から坂道を下り駐車場に入ります。身障者用駐車区画は屋根なしで2台分あります。

群馬県 道の駅上州おにし

駐車場に面して廃校になった「旧譲原小学校の校舎」があります。内部見学は出来ません。

群馬県 道の駅上州おにし

校舎の横にある建物は「譲原石器時代遺跡住居跡」です。竪穴式住居跡を覆った遺跡保存施設で、見学は無料で自由です。

群馬県 道の駅上州おにし

道の駅施設の館内1Fに入ると、左側が観光情報コーナーで、右側が鬼石の名産「三波石」を中心にした見学無料の郷土資料館のようなコーナー、車椅子での見学は可能です。

群馬県 道の駅上州おにし

入口正面は有料の3D映像シアターでしたが、現在では営業していません。

群馬県 道の駅上州おにし

2Fは一般的な道の駅のイメージに近い構成で、売店と食事処があります。珍しい構成ですが「道の駅上州おにし」は、車椅子で利用できる施設です。

道の駅上州おにし

「道の駅うえの」(上野村)

上野村の施設で「上野」として1994年に群馬県で最初に登録された道の駅です。2019年にリニューアル。「道の駅うえの」としてグランドオープンしました。

群馬県 道の駅うえの

299号線沿いに、メイン棟、鈴木工芸館、24時間トイレ棟が並び、その前がすべて駐車場になっています。身障者用駐車区画は、メイン棟前に屋根なしで2台分用意されています。

群馬県 道の駅うえの

施設全域に段差はありません。バリアフリートイレはメイン棟内と24時間トイレ棟にそれぞれ1つあります。

群馬県 道の駅うえの

メイン棟中央部は、広いロビーになっています。フリーテーブルやソファ、デザインされた暖炉などが配置される素敵な空間です。

群馬県 道の駅うえの

ロビーを抜けて「うえのテラス」に出ます。この出入口は横開きの手動ドアです。テラスはフラットで、車椅子で利用できます。

群馬県 道の駅うえの

ロビーを挟んで売店とレストランがあります。どちらもフラットでスペースに余裕があり、車椅子で快適に利用できます。

群馬県 道の駅うえの

鈴木工芸館は「手作り木工品の店」です。自動ドアから入る店内はフラット構造で、通路幅は余裕があります。車椅子で上野村の物産である木工品の品定めが出来ます。

群馬県 道の駅うえの

リニューアルで「道の駅うえの」は新しい施設に生まれ変わりました。車椅子で利用しやすい、最新のバリアフリー施設です。

群馬県「道の駅」の紹介記事は、別に「群馬県北毛編」「群馬県東毛編」「群馬県中毛編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。