「道の駅」は車椅子で利用できる施設ですが、現地のバリアフリー状況はそれぞれです。車椅子目線での情報と施設の特徴を紹介します。
本稿は群馬県の中毛(前橋市、伊勢崎市、渋川市、北群馬郡、佐波郡)にある「道の駅」情報です。開業年が新しい順に紹介します。なお道の駅の名称をクリックすると、より詳しいバリアフリー情報ページにリンクします。ご参照ください。
2023年3月開業。芝生広場やイベント広場、日帰り温泉、20以上のショップが営業する大型施設です。
大型鮮魚店「前橋赤城鮮魚センター」もある、これまでにないタイプの道の駅です。
2015年開業。施設全体、段差が全くないバリアフリー設計です。施設の構成は、産直ショップ、フードコート方式の食事処とギャラリー。揚げたてのコロッケなどの販売をしている食肉市場直営店は「肉の駅」と名乗ります。快適に車椅子で利用できる施設です。
施設前の第一駐車場が70台ほどの収容で、身障者用駐車区画は4台分あります。道を挟んだ第二駐車場が100台ほどの収容。建物施設は平屋建てで、床面積は100坪強。店内通路幅はワイド設定で、よほど混み合わなければ、車椅子での店内回遊に問題はありません。バリアフリートイレはトイレ棟に2つ、施設内トイレに1つ用意されています。
建物の外観色はピンク系。トイレ棟の外壁には、地元の女子大生がデザインした、かわいらしい壁画が描かれています。建物の内装はウッディ。木のぬくもり、自然感が演出されています。
玉村町は「麦秋の郷」。周囲には麦畑が広がります。
「玉村宿」というネーミングは、この地が江戸時代に「宿」であったことに由来します。日光東照宮の春の大祭に、京都の朝廷から派遣される勅使が通る道が「日光例幣使道」。その第一の宿がここ玉村宿。当時は大いに栄えたそうで、それにあやかる命名ということです。
道の駅としては2011年に開業。メインの施設は日帰り温泉「あいのやまの湯」です。「赤木の恵」は情報発信館。観光パンフレットが置いてある休憩所です。軽食コーナーもある直売所は「味菜」。そして紫陽花で有名な「荻窪公園」が広がります。
施設全体で身障者用駐車区画は8台分、バリアフリートイレは3つ用意されています。
道の駅としては2011年に開業。旧富士見村の中核施設で、日帰り温泉と直売所、公園で構成されます。
日帰り温泉は「ふれあい館」。直売所は「風ラインふじみ」。公園は「ふれあい公園」。施設全体で身障者用駐車区画は8台分、バリアフリートイレは2つ用意されています。
施設全体車椅子で利用できます。日帰り温泉は「ふれあい館」は、利用料の障がい者減免制度があり、館内は可能な限りフラット構造で、一部は車椅子用スロープがある、足の悪い利用者を意識した設計のバリアフリー施設です。
2010年開業。直売所、日帰り温泉、運動公園で構成される大型施設です。国道17号線の前橋渋川バイパスから側道に下りてアクセスします。関越自動車道からのアクセスなら駒寄スマートICの利用です。
駐車場は3つの施設の共用です。身障者用駐車区画は計3台分、トイレ棟にバリアフリートイレは一つ、施設内は段差があり、それをスロープで対応しているタイプの施設です。
隣接して「吉岡エネルギーパーク」があり、かつてのシンボルは風車でした。直売所の名称は「かざぐるま物産館」です。大型の店舗ではなく、通路幅は普通サイズ。地場産品にこだわったショップで、野菜、コンニャクなどの特産品、お肉類も豊富です。「船尾まんじゅう」という名物の菓子や福祉作業所のクッキーなども販売。手作りの「バック」なども販売しています。姉妹都市の北海道大樹町からの海の幸も販売します。
「かざぐるま物産館」の一角は「自衛隊グッズ」の販売コーナーがあります。隣町に自衛隊の基地があり、吉岡町とも交流が深いことの縁だそうです。
日帰り温泉は「リバートピア吉岡」。地下1300mから汲み上げたアルカリ源泉。隣接するエネルギーパークとの連携で、太陽光や地熱を使ったクリーンエネルギーを利用しています。
運動公園の目玉は「ケイマンゴルフ」。飛ばないボールを使用したゴルフです。
2001年開業。2015年にトイレ棟がリニューアルして綺麗になりました。農産物とお土産品の「ふるさと物産館」と食事処棟、別棟で足湯コーナーと観光用の水車、イベントハウスがあります。
団体客を乗せた観光バスが多く立ち寄る施設で、キャッチコピーは「こんにゃくの里」です。
身障者用駐車区画は第一駐車場に2台分用意されます。第一駐車場から「ふるさと物産館」と食事処棟へはスロープを上ります。第二駐車場からはフラットに移動できます。
「ふるさと物産館」内の通路幅は、あまり余裕はありません。混雑すると車椅子での利用は苦労します。食事処「食創庵」はスペースに余裕があり、フラットな構造なので、車椅子で利用できます。
外向きのカウンター販売で「こもちタイ焼き」などが販売されています。なんとなく魚卵が入ったタイ焼きに思えますが、ここは「こもち」、普通のタイ焼きです。
漢字で書くと「小野子」。1996年開業。自然あふれる山村の風情が楽しい、素朴で小さな道の駅です。小野上村の直営施設でスタートし、平成の大合併で渋川市になり、2012年からは民間に運営委託されています。
駐車場は広々しています。身障者用駐車区画は4台分設けられています。トイレ棟にバリアフリートイレが1つあります。
直売所と食堂があるメイン棟へは、やや急な傾斜の狭いスロープで上ります。施設入口のドアは手動ドアです。
直売所の規模は大きくはありません。ショップのコンセプトは「小野子山の恵みをおすそ分け」、山の恵みが並びます。木材からキノコが生えかけている「自分で育てるキノコセット」が売られています。
食堂はセルフ食券方式。席は車椅子でも利用可能な構造です。蕎麦自慢で、冬場は郷土料理の「おっきりこみ」が味わえます。
バリアフリーはギリギリのレベルですが、山村の素朴で新鮮な味わいが楽しめる道の駅です。
道の駅としては1995年に開業。公園スペースやキャンプ場がある広い牧場に、直売所とレストランがある施設です。
ショップは「花木農産物直売所さんぽ道」。店内の通路の幅は車椅子でも利用できるサイズで、混雑していなければ、ゆっくりと買い物できます。別棟でミルクハウスなどがあります。バリアフリートイレは公衆トイレ内に2つ用意されています。
直売所の奥は牧場で、未舗装の広場が広がります。車椅子から放牧されている牛を眺めらることができる日もあります。季節折々のお花が栽培され、シャクヤク、コスモスなどのお花畑が出現します。
桜並木は大規模で、桜の季節は見事な風景に出会えます。完全舗装ではありませんが、車椅子でも無理のない範囲でからお花見を楽しめます。
レストランは「レストハウスまきば」。直売所とは離れているので、レストラン用の駐車場を利用します。レストランにもバリアフリートイレがあります。以上ここまでは車椅子で利用できます。
他に子供が遊べる遊具などがある公園スペースとバンガローのあるエリアがありますが、未舗装で川にむかって急な傾斜路。車椅子では利用が難しいエリアです。
群馬県「道の駅」の紹介記事は、別に「群馬県北毛編」「群馬県東毛編」「群馬県西毛編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。