車椅子で移動する際に、快適に移動できる通路や、楽に上がることができるスロープがあるととても便利です。そして使いやすいトイレ、利用しやすいホテルがあると助かります。では現在どのような基準が推奨されているのか、具体的な数値をまとめて紹介します。
ただし推奨基準には様々な前提条件があります。分かりやすくするために、代表的な推奨数値だけを取り上げます。ご承知おきください。
なお乗り物や駐車場に関する数値は、別稿「乗り物や駐車場 車椅子のためにバリアフリー法が規定する目標値」を参照してください。
〇敷地内通路
幅 120cm以上
傾斜角度 7.5%以下
段差 2cm以下
〇身障者用駐車場
幅 350cm以上
車椅子用リフト付き福祉車両の車両高さ(2.3 m以上)に対応した必要な有効高さを確保する
〇建築物の出入口
幅 80cm以上(段差を設けない) 通路は90㎝以上
出入口前後に140cm角以上の水平なスペースを設ける
〇屋内通路
幅 120cm以上で区間50m以内ごとに車椅子が転回可能な場所がある
スロープ路の傾斜角度 7.5%以下で高さ75cm以内ごとに踏幅150cm以上の踊場を設ける
〇エレベーター
幅 80cm以上 奥行 135cm以上
乗降ロビーは水平で150cm角以上
車椅子利用者用の操作ボタンの高さ 100cm程度
〇多目的トイレ
出入口の幅 有効で80cm以上
室内サイズ 200cm角以上で車椅子が回転できる径180cm以上の空間を確保
便座の高さ 40cm~45cm
横手摺の高さ 便座の高さ+20~25cm
便座と手摺の間隔 70~75cm
大型ベッド 長さ160cm 幅65cm 高さ50cm程度
洗面台 洗面台下の高さ60~65cm 洗面台上の高さ75cm程度
〇宿泊施設のバリアフリールーム
出入口の幅 有効80cm以上
ツインルームのベッド間隔 80cm以上
ハンガーパイプ・フックの高さ 100cm~120cm
〇その他
水飲み器 高さ70cm~80cm
自動販売機 操作ボタン、金銭投入口、取り出し口が高さ40cm~110cmにおさまる
コンセントやスイッチ 高さ40cm~110cm
飲食店は車椅子のまま食事ができるよう、原則として可動式の椅子席を設ける
主に車椅子利用者に関係する基準を抜粋しました。この他に、視覚や聴覚など、他の障がいのある人のための推奨基準があります。
(本稿は2021年3月に加筆修正しました)
別稿で掲載している関連記事です。ご参照ください。