バリアフリー法の基本目標は2020年度末までです。2020年7月3日に、国土交通省より次期目標の検討状況が公開されました。「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」の「中間とりまとめ」から、主な実現目標案を紹介します。なお次の基本目標の期間は「おおむね5年間」とすることが提言されています。
○文字情報・音声情報・標識(ピクトグラム)などを設置
各種ターミナルなどの旅客施設に、様々な障がいのある人に情報が伝わる設備の導入目標を設定します。
また各種車両内にも同様のバリアフリー情報装置の導入を促進し、特に福祉タクシーは、音声と文字による情報提供及び意思疎通を図る装置の導入を明記する方針です。
○中小規模施設の目標設定
利用者数が少ない地方のターミナル、面積が小さい施設などのバリアフリー化目標を設定します。提言としては「地方部も含めたバリアフリー化の一層の推進」と表現されています。
○既存目標数値の引き上げ
ホームドアの設置、ノンステップバスやユニバーサルデザインタクシーの導入、道路や公園のバリアフリー化などは、実績に基づき、既存の目標値を引き上げて設定する予定です。
なお東海道新幹線は、一編成車両に6席以上の車椅子席を義務付ける方針が、2020年8月に公表されました。
○面的なバリアフリーまちづくり
市町村が中心になった、エリア全体のバリアフリー化推進はまだ道半ばです。2025年度までの「基本構想策定市町村数」の目標は、大幅に強化して設定される見通しです。
○「心のバリアフリー」に数値目標を設定
用語の認知度に関する数値目標を新たに設定することが提言されています。
以上は「中間とりまとめ」です。今後「最終とりまとめ」に向けて、検討が進められる予定です。
(本稿は2020年8月に執筆しました)