車椅子から見る絶景ポイント、バリアフリーな観光施設など、車椅子で富士五湖観光を楽しむドライブコースを紹介します。
本稿は、富士吉田エリアから忍野八海経由で山中湖方面へ進むルート上にある、車椅子での立ち寄りスポットをピックアップします。
○いちやまマート城山店
駐車場が富士山の記念撮影スポット。富士山に一番近いスーパーマーケットです。店舗は平屋で段差が全くないバリアフリー設計。バリアフリートイレ完備。屋根無しですが身障者用駐車スペース有り。車椅子に優しい構造です。
元々は昭和54年に開館した「富士吉田市郷土館」。後には「民俗歴史博物館」。2015年に「ふじさんミュージアム」としてオープンしました。
駐車場は国道に面した第2Pと、側道から入る第1Pがあります。車椅子利用者は第1Pへ。そして第1Pの奥の通路の先に段差のない裏口があり、その前に一台分だけ身障者用駐車区画があります。
障がい者減免制度があり、本人と介助者1名の入館料が半額に減免されます。館内はバリアフリー仕様でバリアフリートイレがあり、通路幅は広く、展示物周辺のスペースは余裕があります。
蓄積された豊富な資料とハイテクを駆使した展示で、富士山と富士吉田の人々の繋がりがしっかりと理解できます。車椅子から見やすい展示方式です。
エレベーターで上がる屋上部が、屋内テラスと屋外空間で構成される「ふじさんラウンジ」です。
地ビールレストラン、富士山アリーナ、富士山レーダードーム館など、複数の観光施設がある「リフレふじよしだ」内の道の駅です。
道の駅としては、直売所、物産館、軽食コーナー、観光情報コーナーという一般的な構成です。身障者用駐車スペースは屋根なし。施設は段差の上でスロープ利用。トイレは別棟タイプです。
「吉田のうどん」はお座敷席のお店が多いなか、軽食コーナーはセルフサービスですがテーブル席があり、車椅子で利用できます。
季節が良い好天の週末ともなると大混雑します。メインの駐車場が満車になり、遠くの駐車場に誘導されることも珍しくありません。
忍野八海の近くに建つ一棟の美術館「岡田紅陽写真美術館」と「小池邦夫絵手紙美術館」が入ります。入館料は二館共通券のみ。2004年にオープンした施設で、基本設計はバリアフリーです。
駐車場は20台分ほどのスペース。特別な身障者用駐車スペースの設定はないので、乗降しやすい場所を利用します。
エントランスから館内全域、段差構造なし。バリアフリートイレあり。入館料は障がい者減免制度があり、本人は無料に減免されます。
岡田紅陽氏は富士山を愛した写真家。美術館の展示作品は、富士山が中心です。小池邦夫氏は絵手紙の創始者。詩・書・画三位一体の作品です。いずれも小規模ながら品の良い上質な美術空間。車椅子から作品を鑑賞出来ます。
真正面に富士山を仰ぐ立地で、美術館はそれを計算した設計です。
「さかな公園」の中にある有料施設で、別称は「森の中の水族館」。淡水魚専門の小さな水族館です。水槽に使用されている水は透明度の高い富士の湧水です。
施設のエントランス脇に身障者用専用駐車スペースあります。屋根はありません。駐車場は無料です。入館料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。
館内は全般的に狭く、受付から水槽ゾーンに下りるスロープは傾斜です。バリアフリートイレはエントランス近くにあります。
1Fの鑑賞エリアは中央部に回遊水槽、周辺部にも複数の水槽を配置。いずれも車椅子から淡水魚たちを鑑賞できます。魚との距離が近い水族館です。
エレベーターで2F回遊水槽の上へ。水槽の上部を横断する通路は車椅子でも利用可。真上から回遊水槽を鑑賞できます。
2Fには各種の企画展示とシアターホールがあります。シアターホールは車椅子で利用可。最前列で映像を楽しめます。
富士山の登山口「須走」。東富士五湖道路の終点、須走ICの出入口にある、富士山に一番近い道の駅です。これ以上富士のすそ野に近づくと、近すぎて富士山が見えなくなるぎりぎりの距離にあります。住所は静岡県です。
2011年の開業。傾斜地にある施設ですが、エレベーターがあるので施設全体を車椅子で利用できます。身障者用駐車スペースは3台分。独立棟方式の公衆トイレ内と施設内にバリアフリートイレがあります。
1Fが産直・お土産ショップと観光案内、2Fが食事処と地域交流用の研修室、2F屋外に足湯もあります。
2Fの食事処の店名は「ふじやま食堂」。富士山方面が全面ガラス張りで、富士山を仰ぐカウンター席があります。傾斜地を上手に利用した設計で、食事処から外に出るとテラス席と広場があり、富士山の眺めを楽しめます。
標高1000m。広大なお花畑、子供も遊べる水もの中心の公園部分、そして屋内型フローラルドームなどで構成される公園です。
無料エリアと有料エリアがあり、有料エリアの入場料はシーズンで変わり、障害者手帳の提示で割引減免があります。冬場の利用は無料です。駐車料金の障がい者減免制度はありません。バリアフリートイレの用意はあります。
この公園内から12月から1月にかけて夕陽のダイヤモンド富士が見えます。車を停められる場所からビューポイントまでバリアフリーに移動可能。ダイヤモンド富士がみられる時期は、公園は入場無料です。
○山中湖のビューポイント
北岸一帯で湖越しに富士山が見えます。条件が揃うと「逆さ富士」が湖面に映えます。
湖北岸に2か所の無料駐車場があり、身障者用駐車区画の設定もあります。この駐車場は混雑していると駐車にかなりのテクニックが必要です。出入口のスペースも狭いので注意してください。
(本稿は2018年12月に執筆しました)
河口湖から本栖湖方面へ国道を進むルートは「車椅子で行く富士五湖ドライブコース~河口湖ICから朝霧高原へ」をご覧ください。
そこから河口湖方面へ戻るルートは「車椅子で行く富士五湖ドライブコース~本栖湖から湖北ビューラインへ」をご覧ください。