山梨県韮崎市の「韮崎大村美術館」は、ノーベル賞を受賞した大村智先生が蒐集したコレクションを展示する私設美術館として2007年に開館し、2008年に韮崎市に寄贈された施設です。
韮崎大村美術館は車椅子で利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。
なお本稿は2016年1月の取材に基づいています。
○車椅子でのアクセス方法
アクセスは車です。場所は韮崎駅から車で5分程の高台の地。武田八幡宮の近くです。最短ルートで進むと、途中道路が狭くなり車のすれ違いができない区間があります。
現地は美術館、温泉、蕎麦屋からなる複合集積です。
高台の下部に大きな駐車場があり、大型観光バスなどはそこを利用します。
車椅子利用者は美術館の入口前の駐車場が便利です。7台分のスペースなので、満車確率は高いかもしれません。
障害者用駐車区画はありませんが、すべての区画が横幅に余裕があり、一般的なヒンジドアの車両なら、ドアを全開することができます。
奥行きは一般サイズの区画なので、後部から乗降する場合は注意が必要です。
美術館の入口前の駐車場に停められれば、傾斜路を通ることなくフラットに美術館入口に行くことが出来ます。
○エントランス周辺のバリアフリー状況
美術館入口には、教え子一同から贈られた、大村先生の胸像があります。記念撮影スポットで、皆さん先生の像と写真を撮っています。
入口はフラットでバリアフリー仕様です。
館内に入るとすぐに受付があります。
韮崎大村美術館は障害者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。受付で無料入館券を発行していただけます。
○館内1Fのバリアフリー状況
美術館は2フロア構造です。
受付の奥右側にトイレがあり、障害者用トイレが一つあります。車椅子での実用に耐えるぎりぎりのスペースはあります。設備はフル装備でとても綺麗なトイレです。トイレは1Fだけで、2Fにはありません。
受付から先に小さなお土産コーナーがあり、その先が1F展示室です。
女性アーティストの作品を中心に、コレクションが展示されています。
展示室内はバリアフリー仕様で、車椅子での作品の鑑賞に問題はありません。
○館内2Fのバリアフリー状況
2Fへはエレベーターで上ります。
エレベーターは狭いホームエレベーターです。一般的な車椅子1台と、やや無理をして介助者1名が乗り込むのが限界です。
重度障害者用の大型車椅子は、エレベーターに入るかどうかは微妙です。リクライニングを起すことが出来れば、ギリギリ入るかもしれません。
2Fは鈴木信太郎氏の作品が並ぶ展示室と展望ギャラリーです。
飲み物の自販機があり、ギャラリーのフリースペースでお茶を楽しめます。
展望ギャラリーからの韮崎の眺望が素晴らしく、八ヶ岳はほぼその全貌が、富士山は5合目以上が臨めるのが印象的です。
この眺望が、大村先生がこの地を選んだ大きな理由ということです。
展示作品はとても個人コレクションとは思えないレベル。展望ギャラリーからの眺望は秀逸です。韮崎大村美術館は車椅子で利用できます。