富士北麓、山梨県忍野村の四季の杜おしの公園は「岡田紅陽写真美術館」と「小池邦夫絵手紙美術館」がある施設です。富士山を正面に仰ぐ美術館で、車椅子での鑑賞に大きな問題はありません。現地のバリアフリー状況を紹介します。
とても長い名称の施設ですが、余裕のある敷地に建つ一棟の美術館です。フロアが半分に分割され二つの美術館が同居。入館料は二館共通券のみ。忍野八海の近くに建つ素敵な美術館です。一つの「おしの美術館」だとイメージして間違いではありません。
2004年にオープンした施設です。最新の施設と比べると見劣りしますが、基本設計はバリアフリー。車椅子での利用は可能です。
駐車場は20台分ほどを収容します。身障者用駐車スペースの設定はないので、乗降しやすい場所に停めてください。一見未舗装路面に見えますが、ナチュラル志向の舗装路なので車椅子で通行できます。駐車場から建物までの間は屋根無しで50mほどです。
エントランスから館内全域、段差構造はありません。バリアフリートイレはありますが、今回取材時は、やや設備の経年劣化が進んでいました。
入館料の障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人は無料に減免されました。HPでは「車椅子の人は介助者1名も無料」という案内でしたが、今回訪問時は車椅子介助者の減免措置はありませんでした。ルールの変更か、現場の誤認かは確認していません。
真正面に富士山を仰ぐ立地で、美術館はそれを計算した設計です。富士山がよく見える天気の日に出かければ、美術館内外から富士山を楽しめます。
富士山を愛した写真家「岡田紅陽」。美術館の展示作品も、富士山が中心です。
「小池邦夫」氏は絵手紙の創始者。詩・書・画三位一体の作品です。
いずれも小規模ながら品の良い上質な美術空間。車椅子でゆっくり鑑賞ができました。
館内からの富士山ビューポイントは二つ。「岡田紅陽写真美術館」内の小窓から眺める富士山。そして二つの美術館の間にある企画展示ホールの大きな窓から仰ぐ富士山。どちらも素晴らしい景観です。車椅子で館内からの富士山を楽しめます。
今回訪問時はとても空いていて、小さな美術空間を贅沢に楽しめました。富士山がよく見える日の利用をお薦めします。四季の杜おしの公園は、車椅子で利用できる美術館です。
別稿で忍野八海周辺のドライブルートを紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2017年12月の取材に基づいています)