東京ミッドタウン日比谷 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

2018年に開業した「東京ミッドタウン日比谷」は、車椅子の動線に優しい配慮がある施設です。商業フロアを中心に、車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

商業フロアはB1から7Fで、4Fと5Fはシネマ、7Fは1軒レストラン、一般駐車場はB3になります。各フロアは無駄な段差がないフラット構造で、B3から7Fまでを結ぶエレベーターは1系統3基を配置。基本的なバリアフリー要件は満たしています。

2F屋外には段差構造の「日比谷ステップ広場」。地階には周辺施設および地下鉄駅と連絡する「日比谷アーケード」があります。この2施設の階段の横には、必ずエレベーターが設置されています。さらに詳しく紹介します。

東京ミッドタウン日比谷

これからの日比谷を象徴する空間として設けられた「日比谷ステップ広場」は、2Fの高さから階段のある劇場型の段差構造。この段差はすべてエレベーターで回避できる設計です。館内エレベーターとは別に、B1からステップ広場をつなぐエレベーターと、B1からステップ広場の中間フロアM1までをつなぐエレベーターがあります。デザイン的に段差を採りいれながらバリアフリーを実現しています。

デベロッパーによると、これから周辺の再開発が続く計画があり、「日比谷ステップ広場」は街の中心的な存在になっていくそうです。

東京ミッドタウン日比谷

地階の「日比谷アーケード」は、この地に建っていた三信ビルをデザインモチーフにしています。同じB1と表示されていますが、東京ミッドタウン日比谷のB1「フードホール」と「日比谷アーケード」は段差があります。周辺施設および地下鉄駅と連絡する箇所も含めて、段差箇所にはエレベーターが設置されています。車椅子での利用が可能です。

この結果、「日比谷アーケード」から千代田線日比谷駅へはフラットに直結しました。日比谷線日比谷駅には段差横のエレベーターを利用します。「日比谷シャンテ」とも地下で直結します。

東京ミッドタウン日比谷

2Fは「日比谷ステップ広場」から南側へ、日比谷通り沿いにバルコニーがつながっています。その南端にもう1基、1Fと2Fを結ぶエレベーターが設置されています。このエレベーターにより、車椅子での日比谷通り側からのアクセスが、とても便利になっています。

東京ミッドタウン日比谷

6Fには「パークビューガーデン」、日比谷公園を眼下に見下ろす庭があります。広さは約1,000㎡ということ。もちろんバリアフリーで、車椅子での利用に大きな問題はありません。複数のベンチが配置されています。

東京ミッドタウン日比谷

シネマ上層階の5Fを除いて、B1から6Fまでの各フロアに、バリアフリートイレは配置されています。もちろん上質なトイレなので、一般的な車椅子での利用に大きな問題はありません。一般駐車場のB3フロアにもバリアフリートイレがあります。

地下駐車場のバリアフリー状況です。B3に機械式入庫口がABCと3基設置。一般的な車椅子での利用が可能な、横スライド収容方式の駐車場です。

障がい者マークが付いているはCの収容口ですが、AとBの収容口でも一般的な車椅子なら利用できます。別に平置きの身障者用駐車区画も用意されています。駐車場スタッフに車椅子利用を申告して、誘導指示にしたがってください。

入庫前に行う、車の中には誰も残っていない、という確認ボタンは、ドライバー自身が押す運用になっています。車椅子でも手が届く位置のボタンです。

東京ミッドタウン日比谷

B3からは階段はありますがエスカレーターはなく、エレベーター3基です。タイミ四谷ングによってはエレベーターが混み合うのでご注意ください。

混雑時は別の車椅子用エレベーターが利用できるようになりました。スタッフの案内に従ってください。

東京ミッドタウン日比谷

1F正面入口から入ると、3Fまでの吹き抜け空間が広がります。アトリウムのレトロ風デザインは、明治鹿鳴館がモチーフという説があります。中央部にエスカレーターを配置しているので、健常者はエスカレーターに流れやすい設計です。

1Fアトリウムは、屋外広場と連動してイベントが開催できるスペース。フラットなバリアフリー構造です。

東京ミッドタウン日比谷

地下鉄駅直結、地下駐車場完備、そして隣接施設との段差はすべてエレベーターやスロープで段差回避できます。館内及び広場の段差の移動もすべてエレベーターで可能です。

東京ミッドタウン日比谷は、車椅子で利用できるバリアフリー施設です。

(本稿は2018年8月に執筆しました)

九段 昭和館 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

九段下交差点の近くに建つ巨大で特徴的な建物「昭和館」は、「国民公園皇居外苑」にある国立の施設です。車椅子から見たバリアフリー状況を紹介します。

昭和館

施設のテーマは「国民が経験した戦中・戦後の生活に係る歴史的資料・情報を収集・保存・展示し、労苦を次世代に伝える」ことです。

昭和館

1Fはエントランスと受付、そして小規模なシアターがあります。

昭和館

2Fは外空間でイベント会場にもなる広場があり、靖国通りからスロープで行くこともできます。

昭和館

2Fの高さの屋外スペースです。

昭和館

そしてイベントが開催される半屋内広場があります。

昭和館

建物正面横に、2F企画広場へ向かうロングスロープが設置されています。

昭和館

館内のエレベーターを利用して2Fへ行けるので、無理をして利用する必要は全くないスロープですが、構造的に面白いバリアフリー改修事例です。

昭和館

館内はバリアフリーな施設です。車椅子での利用に大きな問題はありません。エレベーターは2基、バリアフリートイレは2Fを除き全フロアに設置されています。

3Fは企画展の会場にもなる研修室。4Fは自由閲覧できる図書室。5Fは自由視聴ができる映像・音響室。ここまでは無料の施設です。

6Fと7Fは有料の常設展示室ですが障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

九段坂公園・千鳥ヶ淵緑道

常設展は6Fと7Fの2フロアで7Fが入口です。エレベーターで7Fへ上がります。7Fが昭和10年ごろから20年まで、6Fが昭和20年から30年ごろまでの、年代別展示です。

7Fを見終わると通常は6Fフロアへ階段で下ります。車椅子利用者は、エレベーターに戻って6Fに行くように案内されます。エレベーターで6Fに降りると、常設展の出口から入ることになるので、奥まで先に進み展示をみるように案内されます。

常設展の概要です。7Fでエレベーターを降りると目の前に「国会議事堂周辺の焼け跡」という絵画が展示されています。トリックアートの類なのでご覧ください。

昭和館バリアフリー

7Fの展示は大きく6つの企画。「家族の別れ」「家族への想い」「昭和10年頃の家庭」「統制下の暮らし」「戦中の学堂・学徒」「銃後の備えと空襲」。各企画に関わる実物資料の展示を中心に、データや記録が図表化されて展示されています。

6Fの展示企画は「終戦直後の日本」「廃墟からの出発」「遺された家族」「子どもたちの戦後」「復興に向けて」。闇市、買い出しから、冷蔵庫、洗濯機、テレビの三種の神器まで。

後半に「体験ひろば」があり、一升瓶での米つきや、井戸のくみ上げなどの体験が出来るようになっています。ガイドボランティアが、体験の方法を説明します。

4F・5Fフロアの概要です。5Fは映像・音響室。往時の映像ニュース、SP番の視聴ができる無料施設です。自由に使える視聴機があり、その前に長椅子が置いてあります。車椅子で行くと、スタッフの人が長椅子を横にずらしてくれました。車椅子でも利用できる視聴機です。

4Fは図書室。書架に往時の生活に関係する書籍が並び、無料で閲覧できます。6人掛けのテーブルセットが複数置かれ、自由に利用できます。有料のコピー機も配置されています。

アクセス方法です。昭和館は九段下駅から至近。地下鉄の利用が便利です。

1Fに有料駐車場があります。5ナンバーサイズ用の古い機械式で、ワゴン車等は入庫出来ません。

昭和館

昭和館では、修学旅行の中学生をよく見かけます。靖国神社の近くにありますが、宗教施設ではありません。また展示内容に政治的な思想はありません。昭和10年頃から30年頃までを対象にした、国立の民族博物館のような性格の施設です。

定期的に企画展が開催されるので、スケジュールをチェックしてください。昭和館は車椅子で利用できる施設です。

(本稿は2017年の取材に基づいて執筆し、2021年11月に加筆修正しました)

皇居東御苑 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

昭和43年に開園した皇居東御苑は、散策路やトイレなどのバリアフリー改修が進み、車椅子で楽しめる公園になっています。ただし公園を東西に分けてみた場合、「江戸城本丸跡」などがある西側が高台になり、「二の丸庭園」などがある東側と高低差があります。この坂道が車椅子での利用上の注意点です。

「大手門」から園内に入り、園内を概ね時計回りで散策し、「平川門」から退園する順で、皇居東御苑全体のバリアフリー状況を紹介します。

皇居東御苑

大手門周辺のバリアフリー状況です。内堀通りからフラットな舗装路で「大手門」に向かいます。

皇居東御苑

門の周辺は見どころが多い観光スポットです。車椅子で問題なく見学できます。

皇居東御苑

手荷物検査と入園チェックポイントを通過して、園内に入ります。

皇居東御苑

園内を進むと「三の丸尚蔵館」があります。三の丸尚蔵館は建て直され、2023年秋に一部開館しました。詳しくは別稿「一部開館した皇居東御苑 三の丸尚蔵館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」をご参照ください。

皇居三の丸尚蔵館

その先にある「同心番所」は、車椅子で問題なく見学できます。

皇居東御苑

次に左折した先にある「百人番所」も、フラットな舗装路面から車椅子で見学できます。

皇居東御苑

その先の「大番所」付近から、坂道が始まります。傾斜が苦手な車椅子利用者は、無理のない範囲で見学してください。

皇居東御苑

富士見櫓へのルートです。「大番所」の先からは、傾斜のある上り坂になります。

皇居東御苑

一般的な車椅子利用者と元気な介助者で、なんとか通行できるレベルの急な坂道です。無理な方は「大番所」付近から引き返してください。

皇居東御苑

坂道を越えれば、本丸エリアに出ます。

皇居東御苑

このエリアの南端に建つのが「富士見櫓」。櫓の手前まで散策路が整備されています。

皇居東御苑

富士見櫓の近くは、巨木が林立します。一見の価値がある林です。

皇居東御苑

本丸エリアは広々とした空間が広がります。

皇居東御苑

そこにある車椅子で利用できる「本丸休憩所」に隣接して、「本丸休憩所増築棟」が建てられ、2020年9月末から「天守復元模型」の展示が始まりました。

皇居東御苑

観覧は無料。出入口から内部にかけてフラットな構造で、車椅子で観覧できます。棟内は模型を一周する見学コースです。資料が多く残り、確かな時代考証ができる寛永期の天守を、宮内庁が約2年がかりで復元しました。高さは約2mです。

「天守復元模型」の詳細は、別稿「江戸城天守復元模型 皇居東御苑車椅子観覧ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

皇居東御苑

富士見多聞のバリアフリー状況です。公開当初、内部は土足禁止でしたが、「富士見多聞」は現在では靴を脱がずに内部見学ができます。ただし車椅子での見学は、簡単ではありません。

皇居東御苑

「富士見多聞」へは本丸エリアから坂道を上がります。車椅子で通行できる可能性がある坂道は、南側の「松の廊下跡」方面からの道です。とはいえ、それほど楽な坂道ではありません。無理のない限りで通行して下さい。

皇居東御苑

東側と北側からのアクセス路は、傾斜がきつい、あるいは段差があるので、車椅子での通行はお薦め出来ません。

皇居東御苑

「富士見多聞」内への入口は、小さな段差がありますが、一般的な車椅子利用者なら通過可能です。

皇居東御苑

内部はフラットな通路が整備されました。車椅子で問題なく見学できます。

皇居東御苑

窓越しには「乾通り」などを眺めることが出来ます。

皇居東御苑

ただし江戸時代の窓です。

皇居東御苑

出口は段差が大きく、かつ途中に滑り止め段差がある急なスロープです。車椅子では慎重に移動する必要があります。

皇居東御苑

石室周辺のバリアフリー状況です。「富士見多聞」から本丸エリアの広場周辺に戻れば、ほぼフラットな散策路が続きます。その先にある「石室」は、フラットな舗装路面から車椅子で見学できます。

皇居東御苑

天守台と周辺のバリアフリー状況です。「天守台」はスロープ路で展望コーナーまで上がることができます。

皇居東御苑

このスロープの傾斜は急です。車椅子での坂登りは簡単ではありません。無理はしないことをお薦めします。

皇居東御苑

天守台スロープ以外は、車椅子で問題なく移動できます。「桃華楽堂」は、フラットな路面から、正面を車椅子で見学できます。

皇居東御苑

「桃華楽堂」の横に建つ「楽部庁舎」と、「二の丸雑木林」方面をつなぐ「汐見坂」は、急坂のため車椅子通行不可です。

皇居東御苑

車椅子通行不可の標識が掲示されています。

皇居東御苑

「汐見坂」は「楽部庁舎」の横から見下ろすか、「二の丸雑木林」の横から見上げてください。車椅子での「汐見坂」通行は危険です。

皇居東御苑

「天守台」の北側が「北桔橋門(きたはねばしもん)」です。この間は緩やかな傾斜路面で、車椅子の移動に問題はありません。

皇居東御苑

本丸エリアを車椅子で見学する場合は、「北桔橋門」から出入りすると、急坂を避けられます。ただし門につながる「代官町通り」は坂道です。

皇居東御苑

この先「書陵部庁舎」まで、ほぼフラットな舗装路が続きます。

皇居東御苑

「書陵部庁舎」を過ぎると「梅林坂」があります。

皇居東御苑

この坂はそれなりの傾斜があり、車椅子での通行は楽ではありません。元気な介助者が必要です。

皇居東御苑

坂を下りると、フラットな二の丸エリアに出ます。

皇居東御苑

二の丸雑木林から二の丸庭園のバリアフリー状況です。メイン通路を通れば、「二の丸雑木林」から「二の丸庭園」にかけて、車椅子で問題なく通行できます。

皇居東御苑

「諏訪の茶屋」は車椅子で近づいて見学できます。

皇居東御苑

「二の丸雑木林」の中を貫く未舗装路は、車椅子ではつらいデコボコ路です。そして「二の丸庭園」の池の裏側、滝が流れるエリアは、段差やデコボコ、飛び石などがあり、車椅子では通行不能です。

皇居東御苑

池の裏側を避けてメインルートで庭園を散策して下さい。

皇居東御苑

菖蒲園から藤棚にかけて、車椅子で通行可能です。

皇居東御苑

ただし菖蒲園散策路の一部は、未舗装路面です。車椅子では舗装路だけを選び、散策して下さい。

菖蒲園の詳しい情報は別稿「皇居東御苑 バリアフリー菖蒲園 車椅子散策ガイド」を参照してください。

皇居東御苑

「二の丸休憩所」は車椅子で利用できるフラットな構造です。

皇居東御苑

平川門周辺のバリアフリー状況です。二の丸エリアから「平川門」にかけて、傾斜路面になりますが、それほど急ではありません。車椅子での移動は十分可能です。

皇居東御苑

「平川門」は観光ポイントです。車椅子で問題なく見学できます。

皇居東御苑

門の先には内堀に架かる木製の橋があります。太鼓橋風ですが、傾斜は緩いので車椅子で通行できます。

皇居東御苑

「平川門」から「内堀通り」に出て、そのまま大手町方面へ進む先に、東京メトロ「竹橋駅」へつながるエレベーターが出来ました。

竹橋駅 車椅子での移動ルート

皇居東御苑は全域を見学すると坂道を通ります。坂道が苦手な人は「大手門」と「平川門」から三ノ丸及び二の丸エリアを見学、「北桔橋門」から本丸エリアを見学、と分けて散策すると急な坂道を避けることができます。

(本稿は2024年2月に加筆しました)