日本一の大人形 水郷佐原山車会館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

千葉県香取市佐原では、7月に八坂神社祇園祭、10月に諏訪神社の祭りが行われます。江戸時代から続く2つの祭りを総称した呼称が「佐原の大祭」。佐原囃子が鳴り響き、大人形と関東彫りで装飾された山車が曳き廻されます。水郷佐原山車会館は、佐原の大祭を紹介する文化施設です。

水郷佐原山車会館

アクセスは車が便利。一般の来館者用無料駐車場とは別に、身障者は八坂神社境内に身障者用駐車スペースが設けられています。

水郷佐原山車会館

境内入口の案内板に従い車を進めます。駐車区画の指定はなく、境内の空いているスペースに駐車します。

水郷佐原山車会館

駐車スペースから山車会館のエントランスまで、フラットな舗装路面です。

水郷佐原山車会館

水郷佐原山車会館は入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。窓口で入館手続きを行い、手動ドアを通り館内に入ります。

水郷佐原山車会館

水郷佐原山車会館は3フロア構造でエレベーターはありません。車椅子では1Fのみの観覧になります。1Fは玄関ホール、ビデオシアター、そして本物の山車が2台展示されています。最初にシアターで大祭のビデオを鑑賞して、それから山車を見学するのが推奨順路です。

水郷佐原山車会館

ビデオシアターは車椅子用の観覧席をありませんが、空いているスペースに車椅子を停めてビデオ鑑賞できます。山車展示室は壁面に沿って一周する観覧ルートです。フラットな観覧コースなので車椅子で見学できます。

水郷佐原山車会館

階段で上がる2Fの半分は山車上部の吹き抜け空間で、展示室から山車の上部が見学できます。

水郷佐原山車会館

また2F展示室内には山車彫刻が展示されています。

水郷佐原山車会館

さらに階段で上がる3Fは企画展示室で、大祭のシンボルである大人形などが展示されています。

水郷佐原山車会館

トイレは1Fにあります。バリアフリートイレはやや狭い個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

水郷佐原山車会館

水郷佐原山車会館は1Fだけの観覧になりますが、車椅子で佐原の大祭を学ぶことができる施設です。

(本稿は2023年10月に執筆しました)

佐原にある「伊能忠敬記念館」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください

千葉県立中央博物館大利根分館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

利根川河口から40km遡った地、千葉県香取市佐原、水郷佐原あやめパークの隣接地に建つ博物館です。水郷佐原あやめパークの詳しいバリアフリー情報は、別稿「水郷佐原あやめパーク 車椅子観光ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

県立中央博物館大利根分館のテーマは、利根川と水郷地帯の歴史、文化、民俗、そして農業と漁業及び生態系など。地域をテーマにした博物館です。

開館は昭和54年。それ以来大規模な改修は行われていない様子です。建物、設備、展示物はレトロな雰囲気が漂いますが、決定的な段差は回避できるバリアフリー改修は実施済みです。

アクセスは車が便利。30台を収容する来館者用無料駐車場があります。

千葉県立中央博物館大利根分館

身障者用駐車スペースは駐輪場の中に2台分用意されています。

千葉県立中央博物館大利根分館

左右のスペースは余裕がある駐車区画です。

千葉県立中央博物館大利根分館

身障者用駐車スペースから段差回避スロープを通り施設エントランスへ向かいます。

千葉県立中央博物館大利根分館

博物館の出入口にかけても、緩やかな段差回避スロープが設置されています。入口は自動ドアです。

千葉県立中央博物館大利根分館

千葉県立中央博物館大利根分館は有料施設ですが、入場料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。入口にある受付で障害者手帳を提示して減免措置を受けます。

バリアフリートイレはエントランスホールの横にあります。いまでは滅多に見かけなくなった、特殊な形状の便器が設置されている、シンプルな設備のトイレです。

千葉県立中央博物館大利根分館

エントランスホールから展示が始まります。翼竜が飛び、寄贈されたスバル360が佇みます。

千葉県立中央博物館大利根分館

第一展示室は常設展「地質時代~中世」です。この地域が霞ケ浦や鬼怒川・小貝川が流れ込む大きな入海だった時代の様子を紹介します。

千葉県立中央博物館大利根分館

どの展示も車椅子で観覧可能。通路幅に余裕がある展示室です。

千葉県立中央博物館大利根分館

第一展示室と第二展示室の間に「利根川にすむいきものたち」という、水槽が並ぶコーナーがあります。

千葉県立中央博物館大利根分館

水槽には固有種や外来種が入り、噛みつきガメの水槽には赤字で危険と表示されています。

千葉県立中央博物館大利根分館

少し通路幅は狭いコーナーですが、空いていれば車椅子で観覧できます。

千葉県立中央博物館大利根分館

第二展示室は常設展「近世~現代・民俗」です。江戸時代に利根川の東遷工事が行われ、水郷地方の入海は陸地化が進みました。そして十六島といわれた砂州は耕地に。利根川の流れの変化に伴う、民俗の進化を紹介します。

千葉県立中央博物館大利根分館

大型展示物もある車椅子で見やすい展示室です。第一展示室と第二展示室を観覧すると、水郷地帯の独特な歴史と文化、そして民俗が分かります。レトロな展示ですが、内容は本格的です。

千葉県立中央博物館大利根分館

この先の第三展示室は、企画展の会場。ここも段差がない、車椅子で観覧できる展示室です。

博物館敷地内に屋外展示物があります。エントランス横には黄色いポストと様々な石。

千葉県立中央博物館大利根分館

駐車場の横には水門や大型の治水機械。

千葉県立中央博物館大利根分館

その奥の池には、白鳥が住み、鴨が泳ぎます。

千葉県立中央博物館大利根分館

全体的にレトロ感はありますが、千葉県立中央博物館大利根分館は、車椅子で観覧できる専門的な博物館です。

(本稿は2021年7月に執筆しました)

関東屈指のパワースポットに車椅子で参拝 香取神宮 バリアフリー情報

千葉県香取市に鎮座する「香取神宮」は、車椅子での参拝が簡単ではない神社です。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

香取神宮

徒歩圏内に駅はありません。車椅子利用者は車でのアクセスが便利です。参拝者用の無料駐車場が第一駐車場から第三駐車場まで用意されています。

正月など大混雑する時期以外は、第一駐車場の利用になります。舗装された広い駐車場で約100台を収容します。第一駐車場の参道入口に近い場所に、屋根無しの身障者用駐車区画が2台分あります。その近くにある独立棟トイレにはバリアフリートイレが1つあります。第一駐車場は車椅子で問題なく利用できます。

第一駐車場から表参道の入口「大鳥居」までの区間は、数軒のお茶屋さんやお土産屋さんが並ぶ「参道商店会」です。フラットな舗装路で、車椅子で問題なく移動できます。

お茶屋さんでお団子を買って、アウトドア席で車椅子のままお団子をいただくことは可能です。店内まで車椅子で利用できるバリアフリーなお茶屋さんは見当たりません。「参道商店会」は古いお店が並んでいます。

参道商店会は車椅子可

参道商店会の終点に、「表参道」の入口「大鳥居」があります。「大鳥居」の下は階段で中心部はスロープになっていますが、スロープを上った先に、車止めなのか、固定された赤い柵が置かれています。

車椅子で柵をよけて通るのに、一般的な車椅子でギリギリの幅しかありません。大型の車椅子、未舗装路用の太いタイヤの特殊車椅子などでは、この赤い柵が通り抜けできません。ここが車椅子参拝の最初の関門です。

第二関門は「朱塗りの大鳥居」から「総門」まで続く、玉砂利の「表参道」です。深い砂利道で玉砂利が車椅子に絡みつき、すぐにスタッグします。しかも緩やかな上り坂で、距離にして100mほどあります。

「表参道」を抜けると、狛犬が両脇に並ぶ階段の門「総門」があります。この門の横に車両が通る舗装された急な坂道があるので、車椅子はそちらに迂回します。この急坂が第三関門です。ただし第二関門の玉砂利の「表参道」に比べれば楽に通行できです。

香取神宮

「総門」を迂回する急坂を上ると、本殿までの最後の階段の門「楼門」があります。この「楼門」の脇に、車椅子マークの誘導案内があります。そのマークにしたがって進むと、距離は短いのですがもの凄い急板があります。一般的な車両では登坂できない角度の坂です。この坂を上れれば、車椅子で本殿前に到着します。

「楼門」の横にあるトイレにはバリアフリートイレがあります。

最終関門は「楼門」を迂回する急坂

「楼門」から「拝殿」の前までは、車椅子で通行可能な石畳様式の路面です。

本殿」「拝殿」のバリアフリー状況

「拝殿」前には小さな段差がありますが、段差の手前から参拝しても違和感のない距離です。

本殿」「拝殿」のバリアフリー状況

「楼門」を通過出来れば、車椅子での参拝は可能です。ただし帰りも全行程同じルートになります。

今回参拝時は「大菊花展」が開催中。楼門から本殿にかけて、見事な菊が展示されていました。

大菊花展」が開催中。

大菊花展」が開催中。

「本殿」の他に「奥の宮」と「要石」が、香取神宮を代表するパワースポットです。「奥の宮」へは「参道商店会」から急坂の未舗装路や段差路を上ります。車椅子での移動は困難です。

奥の宮

「要石」へは「表参道」「旧参道」または「総門」からアクセスします。どのルートも未舗装路で途中に段差があります。車椅子でのアクセスは困難です。

要石

香取神宮は、はっきりした創建年がわかりません。おそくとも西暦812年には、確実にこの地に鎮座していた記録が残っているそうです。

「朱塗りの大鳥居」から「本殿」「拝殿」までの区間にある、主なパワースポットをもう一度まとめて紹介します。

第二関門玉砂利の「表参道」の脇の樹木からは、長い歴史を感じます。

境内にあるご神木は、樹齢1000年と伝承される大杉で、とても迫力があります。

そして「本殿」「拝殿」からは、何かが漂います。

香取神宮

香取神宮の参拝はバリアフリーではありません。簡単ではありませんが、本殿まで車椅子で行けないことはありません。

(本稿は2015年11月に執筆しました)

日本最古の神社の一つ「鹿島神宮」のバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ご参照ください。